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2022.05.15

レビュー

PTAにビビる全国の保護者たちに贈る! PTAあるある憤怒、号泣、爆笑エピソード

PTAって罰ゲームなの?

新年度が始まるころ、子を持つママたちが思わず顔を曇らせる話題といえば「PTA」。「PTA役員になるか、ならないか」は、ママたちにとって重大な決断らしいんです。そんなにみんなを悩ませるPTAってなんだっけ、と検索してみれば「PTA やめたい」「PTA 頭おかしい」とサジェストされる……。怖っ!

『やめちまえ!PTAって言ってたら会長になった件』は、そんなPTA(保護者と教職員による社会教育団体)を題材にしたマンガです。実体験をもとにしており、PTAのリアルなあるあるが満載です。

実家住まいのバツイチシングルマザーである小説家・篠崎塔子は、PTAの役員を決める場に来ています。うっかり目立つと役員にされてしまうかも……。誰とも目を合わせないようにあらぬところを見ていると、「くじ引きなんて不平等!!」と騒ぐ人たちが。

こういう時の「いいこと」って、発言者にとってのいいことでしかない。それに距離感近い! あと飛沫!! やめて!! 在宅の仕事で実家住まい、しかも子供も1人……。そんな塔子は、罰ゲームのようななすりあいの末、広報委員としてPTAに参加することになってしまいます。

夜、魂の抜けた顔でソファに伸びていると、子供に「役員なの? かっこいい!」と褒められ、ついつい「カメラマン役」なんて見栄(みえ)を張ってしまいます。「友達に自慢しちゃおう!」なんていわれたら、母として悪い気はしないものです。そんな中、実家の母から気になる情報が。



「役員にはポイントが付き、誰が何ポイント貯めているかチェックする人がいる」!
ちなみに「あの人」とは葛西さん。「キャサリン」と呼ばれる“データの鬼”です。そして、ポイントをためていない人は「ズルい」と言われるそう。大の大人がズルいって……何?

悪いことばかりでもないけど

PTA役員は面倒だけど、広報委員は運動会の写真も間近で撮れるなど、役得もあります。子供に弱い塔子は「いい役だなあ……」とほっこり。



とはいえ、ちょっとでも乗り気な様子を見せればすぐこれ。「撮り放題撮っていいわよ!」イコール「自分たちは何もしない」です。



そんなとき「それならそれで1年1組の方へみなさまのポイントすべて差し上げましょうよ」という神の声が!



こちらは塔子と同学年の子を持ち、同じく広報委員の神楽坂さん。「いったい何年人の親をしてらっしゃるのかしらって感じ」……強い。好き。神楽坂さんは、1年生は春の歩き遠足があることを教えてくれ、キャサリンこと葛西さんも「参加したい」と名乗りを上げます。

大丈夫なの? 本当に? 塔子のPTA役員ライフは、こうして幕を開けたのです。

これがズルいという感情か

PTAが敬遠されがちな理由の一つに、「負担が大きく、プライベートもかなり捧げなきゃいけない」があるようです。塔子たちも例外ではありません。ある早朝、塔子の携帯に広報長から電話が入ります。「至急、カメラを持って海に行って!」
正気か? 日曜の朝6時やぞ?



海に向かうと、そこでは地引き網(!)が開催されています。漁師の皆さんが仕掛けてくれた網を子供たちがひっぱり、捕れた魚はみんなで食べる楽しいイベントです。たたき起こされて来たけれど、子供たちも楽しそうに生き生きしてるし、悪くない……! でも、これは本来3年生の行事。3年生の子供は来ているけど、役員であるその母たちは現場にいません。「母ちゃん、買い物があるって店に並びに行ったぞ!」子供たちが言います。1年生の私たちが来ているのに? 思わず塔子の口をつくのは「…ズルい」の一言でした。



あ、これ、実家の母が言ってたやつ……! あのときは「わけわからん」と思っていた感情がいきなり腑(ふ)に落ちる塔子でした。
こんな感情知りたくなかった!

一目でわかるヤバい人たち

PTAは、いわば「子供のためのボランティア」。しかし実際には参加を強制される雰囲気や、負担の多さから「やめちまえ!」と思っている人も多いとか。たとえば、お茶会一つとってみてもこのハードルの上げ方。これはきつい。



そんなPTAのラスボスともいえる現会長は、簾の奥にいて姿を見せない「やんごとない」感満載の人物。この人、自分は直接話さず、お付きの者を介して伝えてくるんです。公家かな?



さらに「まともじゃない」タイプの人たちは、動物キャラで描かれる本作。コミカルな絵柄でスラスラ楽しく読めるのですが、この「まともじゃない」人の割合が結構高いのが、パッと絵を見るだけでわかってしまうのがつらい。



30人クラスのお茶会参加者が4人、しかも半分はヤバい人……。いろんな意味で「キッツイなあ」と声が出る。

「やめちまえ」って言ったけど

こんな風につらいことばかりがクローズアップされがちなPTAですが、悩みながらも塔子たち親が参加するのは、子どものことを思えばこそ。



特に小学生が育つのなんて、あっという間……。そう思えば、撮影にも自然と力が入ります。広報委員でよかった! みんないろいろクセは強いけど、子どものためを思うPTA会員たちが悪い人であるはずもないんですよね。

それなのに。
“データの鬼”キャサリンは、あることをかぎつけます。

ここから始まるアレコレは、今までのエピソードなんて小競り合いに過ぎなかったと思えるヘビーさ。何が起こるのか、そして「やめちまえ!」と思っていた塔子が会長になるまでのジェットコースターのような成り行きは、ぜひ本編で!

レビュアー

中野亜希

ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
twitter:@752019

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