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2021.12.12

レビュー

夜はキャバ嬢、朝は釣り女子。釣って、釣って、食べまくる!!【釣りグルメ】

「釣り好き」はあちこちにいる

「明日早いからもう帰るわー」と言って金曜日にそそくさ帰る人の何割かは釣り好きだ。あと、彼らの言う「早い」はときどき午前3時起床だったりする。釣具店の上州屋はその土地のランドマークとして脳内マップに正確にインプットされ、釣ったお魚を捌いて出してくれる小料理屋と懇意で、スマートフォンのカメラロールにはお魚やお魚との記念撮影が並び、突発的にお刺身を振る舞う宴を催す。

そして、こんなに釣りが生活のあちこちに深く食い込んでいるのに「自分、釣り大好きですよー!」っていう特徴的なオーラや共通する風貌がない。不思議!

だから歌舞伎町の超売れっ子キャバ嬢が釣り好きだとしても、なんら不思議はないし、周りは気が付かないかも。



ということで『釣りキャバ日誌』をオススメしたい。名前の通り、釣り好きキャバクラ嬢が釣って釣ってお魚を食べまくるマンガだ。



いい笑顔! あーかわいい。

家に帰って寝る時間がもったいない

“三波夏帆”は歌舞伎町の超有名店「ヴァニラ」の人気キャバ嬢。お客様だけじゃなくお店の黒服のこともチェックできる大変優秀な人物。

ある日、ヴァニラの新人黒服“ヨコザワくん”は、夏帆のスマートフォンをチラ見して奇妙なメッセージを読んでしまう。



夏帆さんの表情が険しい。なんなんだろ?



怪しげなメッセージに妄想を膨らませまくるヨコザワくん。ちょっとわかるよ。

この謎メッセージを読んだ夏帆は、ヨコザワくんに「今夜家まで送ってくれない?」と頼み、車に乗り込むなり……、



「家に帰ってる時間が勿体(もったい)ないわね。それならば」とヨコザワくんに追加でお願い事をする。さすが上手に人を動かすプロフェッショナル。夏帆のことが好きなヨコザワくんは夏帆とカーナビに導かれるがまま運転し、夏帆は爆睡。で、目的地はどこかと言うと…‥、



三浦半島。爆睡から目覚めた夏帆は普段のドレス姿とはぜんぜん違うあったかそうなジャケットに衣装替え。つまり仕事の後に三浦半島で釣りをするのだ。

手取り足取りの釣り指南

いい感じに夏帆を三浦半島まで運ばされたヨコザワくんは、そのまま帰ることなく夏帆と一緒に釣り船へ乗り込むことに。



黒服の格好のまま釣りにチャレンジ。釣りの仕掛けってこんなにギミック満点なんですね。ここから夏帆による手取り足取りの釣りレクチャーが始まる。



魚との駆け引きがアツい。



いい。アドレナリンがドッと出る。釣り好きがめちゃくちゃ早起きできる理由、わかったわ!

釣ったお魚を銀座で食べる

釣りのゲームとしての面白さを存分に味わったあとも釣りの楽しみは続く。



釣って釣って釣りまくった夏帆はそのまま次の目的地へ。(運転するのはヨコザワくん)



銀座の鮨屋にカワハギとともに入店。1日の間に新宿の歌舞伎町から神奈川の三浦半島、そして中央区の銀座。これは電車移動じゃ無理だ。ヨコザワくん運転おつかれさま。

釣り仲間の大将は夏帆のことが大好き。かわいくて愛嬌があって、よく食べてよく飲んで、釣りは上手(うま)いしお魚の取り扱いも丁寧だから、そりゃ好きになるに決まっているのだ。まずはお刺身から。



ツヤツヤ……。


いい飲みっぷり。自分で釣ったお魚をすぐに銀座の一流店で捌いてもらって、熱燗と一緒にいただく。なんて優雅なんだろう。



全コマがうらやましい。夏帆のリアクションもかわいい。歌舞伎町の一流店で働く人気キャバクラ嬢が釣りをしたら、たしかにこうなっちゃうだろうな。ゴージャスで最高。

ということで、夏帆とヨコザワくんによる釣りとグルメをめぐる日々が始まる。釣りのおもしろさと美食っぷりが存分に盛り込まれたマンガだ。

ちなみに、このカワハギ釣りのあと夏帆はきちんと出勤している。車の中で仮眠できたとはいえ、クタクタだろうに。磯臭いし寝不足だしコンディションはよくないけれど、それでも休まず働くあたり、人気キャバ嬢らしくていいなあと思う。

レビュアー

花森リド イメージ
花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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