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2021.07.20

レビュー

整形アイドルと俺の芸能界逆襲物語。一度は諦めた芸能界のトップを目指す!!

「トップアイドルの年間経費は2千万円かかる」
歌手も俳優もアイドルも、才能があるから売れるのだと昔は思っていましたが、放送作家として彼らを間近で見るうち、それだけではないことがわかりました。彼らには優秀なスタッフがいて、そういう人たちを巻き込み、味方にする魅力があるから売れるのです。

元天才ピン芸人の青島星人(あおしまほしと)は、芸能界を辞めた今も芸能科に籍を置く高校生。
ダンスボーカルグループの一員としてデビューしたばかりの酒井朝日に、「中途半端な才能しかなかったお前は辞めて正解」と、いびられる日々を送っていました。

そんな芸能科に転校して来たのが、美少女グランプリで優勝したのに整形がバレて、受賞が取り消された四十万沙希(しじまさき)。
いきなり朝日が、「お前さぁ整形してんだって?」と、みんなの前で茶化すと、朝日に歩み寄った沙希は……、



この予想外の行動にビックリです!! でも、単なる美少女ではなく、根性もすわっている強気な沙希にシビれます!!

沙希が、屋上でシェイクスピアの「リア王」のセリフ練習をしている所に居合わせた星人。思わず、「あのっ」と声をかけると……、



確かに沙希は、女王様のようにワガママです。

星人が沙希のピンチを救った時も、お礼を言うでもなく「あんた──、わたしをスターにしなさいよ」ですから。

しかし、芸能界の“異端”である沙希にスター性を感じた星人は、沙希の“ザツキ”となることを決意します。
“ザツキ”とは、芸人のネタを考えたり、台本を書いたり、ライブの構成を考えるなど、特定の芸能人の魅力を引き出し、売れる方法を考える専属の放送作家みたいなもの。

星人の最初の仕事は何かというと……、売店でパンを買って来ること。
しかも沙希から、「パン、買って来なさいよ」と命令され、パシリ状態なのです(笑)。
かなりお人好しの星人ですが、実は彼には他の人とは違う特技がありました。
それが、一度見たものは絶対に忘れない「超記憶症候群」。
沙希のピンチを救ったのもコレでした。

沙希が所属するのは、清宮京子が社長兼マネージャーの弱小事務所。
“ワケあり物件”である沙希を引き取るということは、かなりリスクがありますが、清宮には海外のレッドカーペットを歩く沙希の姿が見えると言うのです。
実は星人も、同じような沙希の姿が見えたことがありました。

とは言っても、いきなり女優になれるわけもなく、最初のうちはどんな小さな仕事も引き受けて名前を売り、次に繋げて行かないといけないのです。特に弱小事務所の場合は。
実は昔、深夜のアイドル番組をやっていたことがあるのですが、水着を嫌がらずに着てくれたアイドルたちは、後に主役を張る女優さんになりました。これが現実です。

だからこそ星人も、有名プロデューサーのプロデュースで歌手デビューできるオーディションをお膳立てしたのですが、「出ない」とワガママを言う沙希。
「偉いやつにプロデュースされたら操り人形にされる」と。
その挙句、星人に酷い仕打ちまでするのです。

普通なら怒ってもいいのに、星人は必死に沙希を説得します。
なぜなら、星人にとって沙希は命の恩人であり、生きる希望だから。
1年前、駅のホームから落ちそうになった星人を助けたのは、沙希だったのです。



この時、沙希が何とささやいたのか、なぜ星人の目から涙が溢れたのか見当もつきませんが、“ザツキ”である星人が、この先どうやって沙希をスターにしていくのか続きが気になります!!

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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