同級生に、超イケメンでモテモテなのに、恋に奥手でちょっと残念な男の子がいたとします。
その子が、ボーイッシュで見た目も性格もいい女の子のことが好きなのに打ち明けられずにいたら、きっと応援したくなるでしょう。
『イケメン彼女とヒロインな俺』は、もう~2人とも何やってんだかぁ~と、同級生気分で思わずツッコミたくなる可愛い学園ラブコメです。
一之瀬春馬(17)は、「天は俺の上にモテを作らず……」というほど小さい頃からモテまくりのイケメン男子。
しかし、人生で初めて負けたと思った相手は、女子からも絶大な人気を誇り、何でも完璧にこなす最上由希(もがみゆき)。
彼女は、春馬がコケそうになる度に、さっと抱きしめてくれる男顔負けのイケメンぶり。
そんな由希のことを春馬は密かに好きなのですが、そこには大きな壁が……。
もう春馬、可愛すぎるぞ!!
女の子は男の子ほど背の高さを気にしてないよ、と私が同級生だったら言ってあげたい。
でも、背が高いってだけでイケメン度3割増しというのは私自身よくあるので、彼氏は自分より背が高いにこしたことはない、というのが本音です。
だから春馬には、由希より大きな男は滅多にいないんだからドンマイ! と訳のわからない慰め方をしてしまいそう(笑)。
春馬は男としてのプライドがあるせいか、由希の前ではかっこつけるクセに、妄想だけは一人歩きしてしまいます。
微笑ましいという言葉がピッタリの2人なのですが、これを側で見ていたら、じれったい!!と思うことでしょう。
だって、春馬が由希のことを好きなのは周りにもバレバレなのに、肝心の由希には伝わっていないのだから。
では由希は春馬のことをどう思っているのかというと、男として接していないようにも見えるし、本当は分かっているけれど春馬が告白しやすいよう仕向けているようにも見えるし。でもやっぱり全然、分かっていないかも。
この“好きと言えない男”と “かなりニブい女” の平行線でズレまくった会話が笑えるのです。
こういうとき、2人のカンフル剤的な役割をしてくれるのが、ライバルの登場です。ここにも出て来ましたよ、イケメンが。
産休の先生に代わり担任になった、由希の兄の同級生で幼馴染みの二階堂先生。
彼は教師という枠を超え、というかむしろ「教師と生徒である以前に男と女だからね」と言っちゃうタイプ。
同級生から、「敵が増えたな」と言われたときの春馬の返し、「ちょっと背が高いだけのモブだろ」はウケました!
モブ扱いもさる事ながら、背の話をするって、やっぱりアンタ気にしてたんだね(笑)。
だったら正々堂々と告白しちゃいなよ~、と同級生だったら言いたいところですが、春馬の取った行動は……、
ええーっ、そっち!?
このわちゃわちゃした感じが、やっぱり可愛い!!
『イケメン彼女とヒロインな俺』は、驚くような大事件は起きません。
だけど誰もが知っている学校生活のちょっとした出来事の中で、ヒロイン春馬がとっても健気で可愛いので、是非、同級生のような温かい目で見守ってあげて下さい!!
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp