美しい壁に囲まれ、緑にあふれた楽園で暮らしているトキオと子どもたち。壁の外側では、マルとキルコがどこかにあるらしい〝天国〟を目指して、廃墟となった日本を旅している──。アフタヌーンで連載中の『天国大魔境』は、これまで1話完結のオムニバス的な作品や短編で数々のヒット作を生んできた石黒正数さんが、初めて手掛けた長編ストーリーマンガだ。単行本が1巻しか出ていないにもかかわらず、「このマンガがすごい!2019」オトコ編第1位に輝き、脚光を浴びている『天国大魔境』。この作品の誕生秘話を、石黒さんと担当編集の多田、高橋が語り合った。
「このマンガがすごい!」の受賞は早すぎた!?
高橋 あらためて、「このマンガがすごい!」オトコ編の第1位、おめでとうございます! 最初にこの一報が届いたとき、すぐに石黒さんにお電話したら、お返事は渋ーい感じで「そうですか……」でした。もっと喜ばれるかと想像していたんですが。
石黒 「いや、それは早いだろう!」と。単行本も1巻しか出ていないし、まだ何も“すごくない”のに、と思ったんですよ。それに、何か申し訳なくて……。
高橋 連載を始めるときに、「1巻目は状況説明だから」というお話をされていましたね。
石黒 「1巻はほとんどキャラ紹介と状況説明で使っちゃうけど、それでも大丈夫ですか?」って聞いたんです。返事は「アフタヌーンだから大丈夫です!」だった(笑)。
多田 週刊誌連載なら、そこまで自由はきかないですけどね。ワンサプライズくらいは欲しいけど、そこは192ページが前フリでもいいんじゃないかという判断をしました。
高橋 でも、その前フリで1位とっちゃった (笑)。
多田 石黒さんの作品は読むと絶対面白いから、まずは手に取ってもらおう、と連載当初から必死に考えていたんです。1巻が出たときには南方研究所にお願いして、アニメ化決定かというくらいのクオリティでPVも作りました。
高橋 PV作りはハードルがかなり高かったんです。決して安くない金額ですし、社内外の説得を含めて死ぬ気で頑張って、編集長が「やっていいよ」って背中を押してくれました。僕はもともと石黒さんのファンだったので、新作を担当するチャンスなんて一生に一度あるかないかだと思ったんです。それが巡ってきて、「ここで悔いを残しちゃいけない、全部やろう!」と。
多田 石黒さんの連載を担当できるってなったら、喜ぶ編集者はものすごく多いと思う。僕の個人的な感覚では、それが日本で一番多い作家さんだと思います。
石黒 そんな……。僕はそんな感覚が全然わからない(笑)。連載は、こちらが頭を下げて載せてもらうって感覚ですから。
原案は大学時代、ノートに鉛筆で描いたマンガ
高橋 『天国大魔境』は、廃墟を旅する感じなどが今の日本ぽくて、世相に合っている気がしているんです。
石黒 かつての景気のいい時代は、どんどん積み上がっていった時代ですからね。「廃墟」って、元がなければ廃墟にはならない。少子化だし、80年代に思い描いていたような「人口が増えて、どんどんビルが高くなる未来」は、もうないんです。今、この作品に描かれているものに近い心象風景のようなものが、みんなのなかにある気がします。
高橋 編集長が言っているのですが、石黒さんの作品はこんな廃墟の世界を描いていても、絶対に暗くならないんです。そこも支持される理由だなと。
多田 この作品は、石黒さんが大学生の頃にノートに描かれたマンガが基になっているんですよね。
石黒 大学ノート2冊にフリーハンドで鉛筆描きしたマンガが、200ページ分ぐらいあって。一晩に50ページとか、思いつくままに描いてた。めちゃくちゃですよ。
多田 いや、思いつくままにしては面白そうですけど。
石黒 自分でも使えるなと思っていたんですよ。
多田 いつか使ってやろうと、20年近いときを経て世に出たんですね。
石黒 いろいろな作品を作りながらも、ずっと頭の片隅にあって、ブラッシュアップし続けていました。内容は全然違うんだけど、主人公の設定はほぼ同じなんです。レース中に事故にあって体が無茶苦茶になった主人公が、頭を損傷したライバルとくっつけられて、体はライバルになってしまう。第2巻で明らかになりますが、今回の主人公キルコは、頭が男で体は女です。少年のマルはそれを知らずに好きになってしまうのですが、この恋もこれからどうなっていくのか。一言でいうと「トランスセクシュアルSF」なのかな。
暗号を読み解き、ラブコール
多田 石黒さんが大学生で講談社に初めて原稿を持ち込まれたとき、受けたのが僕だったんですよね。
石黒 生々しく覚えています(笑)。アフタヌーンともう一つ、2社に同じマンガを持ち込んだんです。これで箸にも棒にもかからなかったら就職活動しようと思っていて。最初で最後の持ち込みだったから、すごく緊張しました。もう19年も前ですね。
多田 その作品でアフタヌーン四季賞に輝いて、そのままデビューされましたが、担当は先輩編集者になったので僕は担当できなくて。ぜひまたアフタヌーンで描いていただきたいという話はずっとお伝えしていたんです。でも、人気のある作家さんですから、なかなか叶わなかった。そんななか、高橋が『それでも町は廻っている』がそろそろ終わるって情報をかぎつけてきたんですよ。
高橋 当時、『それ町』が載っていた「ヤングキングアワーズ」の表紙に暗号を見つけたんです。それを解いたら、「あと4回で終わる」って書いてあって。本当かなと思いながら石黒さんに伺ったら、本当だった! 新連載をお願いするなら「今しかない!」と。
多田 連載の承諾をいただいてから、次回作候補のアイデアはいくつかありましたよね。
石黒 不良マンガとか恋愛マンガ、あとはSFも二つくらい描きたいのがあって、そのうちの一つになったわけですけど。でもいざ描き始めたら不良マンガや恋愛マンガの要素も入っていますね。
高橋 石黒さんのマンガって、「〇〇マンガ」みたいなカテゴリーに分けるのが難しいんですよ。あえてカテゴライズするなら、“石黒マンガ”だと思います。
石黒 ジャンルでマンガを読む人は、結構多いですよね。しかも、読者の好みも無数のパターンがあります。一つだけ確かに言えることは、「俺が読みたいマンガしか描かない!」ということです。2巻は主人公の背景がバーッと見えてきます。
高橋 ようやく前フリは終わりました(笑)。きちんと回収される安心感が石黒さんにはあります。
石黒 あんまり信用しないで(笑)。今後も、キルコとマルの精神的な関係性をずっと描いていきたいと思っています。
デビュー前からすでにあった“石黒ワールド”
多田 さっきも話したように、僕は石黒さんに作品の持ち込みを受けたわけですが、最初に作品を拝見したときに、なんとも判断がつかなかったんです。普通は2~3ページぐらい読んだら、「ああこれは面白いな」とか、「これはすげぇな」とか、失礼ですけど「何と言って断ろうかな」とか考えるのに。19年前の石黒さんの作品は、なんて言うのか、わりとオールドスタイルだと思ったんですが、そこから読み進めていくと……面白いんですよ。すごくしっかり作り込んであるなぁとまず思いました。特撮ヒーローの日常を描いた作品でしたが、「リアリティを追求するとこうなっちゃうよね」みたいな、コミカルさと悲哀みたいなものが描かれたマンガだったんです。でも、1回読み終わってもうまく感想が持てなくて、「ちょっともう1回読んでいいですか?」って、言いました。結局2回、3回と読み返した記憶があります。
石黒 何度も読み返していましたね。こっちは初めての持ち込みだったので、そういうものだろうと思っていました。中綴じのマンガ雑誌を渡されて、「これ読んで待ってて」って言われたのでページをめくっていましたが、緊張していてそこに何が描いてあるのか頭に入ってこない(笑)。ただ、めくっているふりをしながら、多田さんが読み終わるのをずっと待っていました。もう一社持ち込んだところでも判断がつかないって言われたから、よほど判断がつかなかったんですね(笑)。
多田 何と言えばいいのか、類型的じゃないんですよ。マンガは類型的なんだけど、描き方が類型的じゃないのかな。うまく言語化できないのですが、石黒さんのマンガにはやっぱり、当時からそういう雰囲気がありました。
石黒 あと、「コマごとに女の子の顔が違うのが気になる」とも言われました。俺はそれまで、ほとんど女の子を描いたことがなくて。そのマンガでは必然的に描く必要があったから描いたんです。だから、自分の描く女の子がどんな顔しているのかわからなかったんですよ。ジョジョみたいな顔してるコマもあれば(笑)、萌えマンガみたいな顔のコマもあって。多田さんは「そこが気になる」って言いながら読んでたんですけど、「何回も読んでるうちに気にならなくなってきた!」と。
多田 そうだった。読み返すうちに、なんだかその女の子がだんだん愛おしくなってきたんです(笑)。
石黒 講談社に持ち込みに行ったのが就職活動期間中の初夏で、偶然にも秋のアフタヌーン四季賞の応募締切日だったんですよね。それで、「審査員も気にならなくなるまで読んでくれれば、いい線いくかもしれない。置いていってくれ」って言われたんですよ。
高橋 それが四季賞を受賞作になったんですね(※受賞作『ヒーロー』は『Present for me 石黒正数短編集』〈少年画報社刊〉に収録)。
石黒 そこだけ聞くとものすごい劇的な話なんです。就職したくないから初めて持ち込んで、そのままデビューできた、っていう。そこがスムーズすぎたせいで、そのあと苦労したんですけどね。その苦労話はこれまでいろんな場で話してきたから今回はいいかな……。
高橋 苦労されていたけど、女の子を描いたのが一つの転機になったんですよね?
石黒 ああ、そうですね。それまで主人公が男のマンガばかり描いていた。月刊コミックフラッパーで担当してくれた編集者さんとの出会いが転機でした。その方、元アフタヌーンの編集者だったんですけど、『美味しんぼ』に出てくる山岡士郎みたいな感じの人で……。
多田 麻雀をこよなく愛する先輩です(笑)。
石黒 麻雀、めちゃくちゃ強いらしいですね(笑)。常に半分目が閉じてて、何を考えているのかわからない(笑)。昼行灯のように見えて、でもえらく鋭いんですよ。まさに山岡士郎。その人に、「女の子が可愛いからいっぱい描くといいよ」って言われて、「そうなんだ、じゃあ自信持っちゃおうかな」と女の子を積極的に描くようになったんです。あと、覚えているのが「マンガに説教されたくないんだよ!」って言葉です。
高橋 いい言葉ですね。
石黒 それを言われてから、説明くさいこととか、言いたいことをマンガに言わせるみたいなことは、極力避けようと思ったんです。エピソードを読んでいるうちに言いたいことが自然に伝わる描き方になるように頑張りました。そこに大きな転機があった気がします。アフタヌーンの話じゃなくてすみません。
高橋 いや、僕らにとっても大先輩の編集者ですから。僕自身は、いつも石黒さんからお話を聞くのがすごく刺激になります。以前、『天国大魔境』に関するインタビューを受けた際、「崩壊したあとの世界で人間には何が一番大事だと思いますか?」という質問に、「人間性です」と答えられていましたよね。それは本当にそうだなぁと、しみじみ思って。読者もそういうところに惹かれるのかもしれない。
マンガを描くためには「記憶」と「観察」が必要
多田 石黒さん、いろいろと昔のことをよく鮮明に覚えていらっしゃいますよね。
石黒 いやいや、覚えてないとマンガ描けないです。俺、12歳の頃とか、なんなら3歳の頃のこととかも鮮明に覚えていますよ。
多田・高橋 えーっ!? そうなんですか!?
石黒 マンガ家にとってめちゃくちゃ大事なのは、「記憶」と「観察」だっていうのが俺の持論です。
高橋 3歳の頃の記憶ってどんなものですか?
石黒 でっかいぬいぐるみを買って帰ったときのこととか鮮明に覚えてますね。ぬいぐるみが大きすぎて、それに合う紙袋がお店になくて。紙を組み合わせて、紐をかけて取っ手をつけてもらったんです。でも、無理やり紙を組み合わせたものだから、紙と紙の隙間からぬいぐるみの毛が飛び出ちゃっていて。それを見て、母親と笑いながら家まで帰ったのを鮮明に覚えています。それでその日、夜中に目が覚めたら、ぬいぐるみの顔が変わってるって夢を見て「怖い!」と思ったんですよ。ぬいぐるみの顔が変わってたから、そこは夢なんでしょうけど……。そんな感じで3歳の頃の記憶はちゃんと残っています。
多田 すごいですね。うちの息子はもう5歳だけど、もう3歳の頃の記憶は薄れているかもしれない……。
高橋 僕らが忘れちゃうようなことが感性として残ってないと、表現ってできないのかもしれないですね。
石黒 当然、みんなも覚えてると思ってたんですよね。でも、「よくそんなこと覚えてるな」っ言われるようになって、「みんな覚えてないのかよ!?」と最近思うんです(笑)。
多田 そういえば、西尾維新さんとカラスヤサトシさんが対談をされたときも、「優れた作家には、やたらと記憶力のいい人が多い」って話をされていました。
石黒 たとえば『それ町』に小学生が出てきますけど、読んでくれた方からはリアルだって言われます。それは大人が考えた子どもじゃなくて、俺が子どもの頃の記憶をもとに描いているからそう見えるのだと思います。
高橋 リアルといえば、『天国大魔境』では人食いの「ヒルコ」が出てきますが、石黒さんは架空の生き物や背景を描くときも、本当にリアルですよね。今回の連載開始を記念して、以前、講談社のウェブ媒体で描いていただいていたフルカラー作品『ドリスとマメ』を特別公開していますが、あれもすごい。カラーだから普通はモノクロほど細かく描かないと思うんですけど、めちゃくちゃ細かく描いていて、大変だっただろうなあと思いました。
石黒 植物とか、虫までデザインして描いていましたからね。
高橋 『天国大魔境』でも、架空の風景が細かいところまでちゃんと描きこまれていて、作風が変わってないんだなと思いました。
石黒 神は細部に宿るんですよ……知らんけど(笑)。
石黒作品のファンとその楽しみ方
高橋 アフタヌーンって新連載作品はアンケートで上位に入りづらいんですけど、『天国大魔境』が始まったときに、自然に受け入れられたんですよね。ある一定のアフタヌーン読者の価値観があるとして、そこにスーッとはまった。そのまま、スーッと上にあがって。なんか、「普通に上位にいる!」って(笑)。
石黒 一応、四季賞出身ですから(笑)。もともと、俺もかなりのアフタヌーン読みでしたから。
高橋 アフタヌーンは9割が男性読者ですが、作品によってはコミックで男女の比率が変わります。でも、それで言うと『天国大魔境』はやっぱり、アフタヌーンにジャストミートな感じがしますね。
石黒 自分の感覚でも、ファンは圧倒的に男性が多いです。サイン会は、ほぼ男性で埋まる。ただ、お手紙をくれるのは女性がすごく多いんですよね。メールを送って来るのは男性が多い。なんだろう、性別による行動の違いなのかな。男は直接会いに来て、女性は書にしたためて、みたいな。不思議とそんな感じですね。
多田 昔からの石黒さんファンだけでなく、「このマンガがすごい!」をとってからは、かなりファン層が広がっているのを実感しています。でも、1巻の発売前は高橋と二人ですごく考えましたね。どうやったら世の中の人がこの作品を手に取ってくれるだろうと。
石黒 俺がいいと思う宣伝施策案は、キムタクが読んでるところがテレビでちらっと映るとか……。
高橋 じつはすでに、漫画好きとしても知られる佐藤健さんの事務所には送ったんですよ。あと綾野剛さんがインスタ始めたっていうから、部屋の写真に映りこまないかな、とか考えて送ったりもしてます。
石黒 ホントに送ったの? そんな草の根運動をしてたんですか(笑)。
高橋 「SNSなどで取り上げていただければ」と一筆添えたりしまして。送った後は「綾野剛」「天国大魔境」でググったりしてました(笑)。「出ないかなぁ」って。
石黒 ウチにもときどき小説などが届くんですよ。「よろしければSNSなどで」って書いてあって(笑)。でも、そうやって送られてくると、しないかも。
高橋 ああ、不思議とそんな感じなのかな。
石黒 不思議と、じゃなくて、しないです(笑)。自分で買った本でないとしないですね。
高橋 そうか……。間違えてましたね、僕(笑)。
多田 第2巻はオーソドックスな方法で頑張ってみます。
担当編集も知らなかった第2巻登場キャラの秘密
石黒 今の構想だと、2巻、さらにその次の3巻あたりまで読んでもらえると、1巻でばらまいた伏線がわかってもらえるかなと思うんです。
多田 じつは、短編集のあの世界とこの世界がつながっている!みたいなこともありましたよね。
高橋 そういう読み方をする作品があまりないから、それが楽しいと思ったお客さんはどうしても考察しちゃいますよね。ここはこうなんじゃないか、ああなんじゃないかって。
石黒 そこの責任は最近すごく感じますね。この間、新年会で他の作家さんと会って、「もう、何の落ちもひねりもないマンガが描いてみたい!」という話をしたばかりです(笑)。
多田 今回の『天国大魔境』第2巻でも、廃墟で見つける古いCDのアーティストとして、石黒さんの『ネムルバカ』で出てくるバンド、ピートモスが登場していましたね。
石黒 ああ、あれは滅んだ世界で値踏みされている過去のCDという設定だけに、実在のミュージシャンだと失礼かなと思ったので、自分の作品に登場する名前にしたんです。本当は、友川カズキのレアなCDとか、あがた森魚とか、実名出したかったんですけどね。俺も音楽ファンとして、「それはできん!」と思って。でも、わかんないですよ。ここから3巻目で街を作って、“商店街”ものになるかもしれない……。
多田 じつは『天国大魔境』は『それ町』の未来の話だった!?
石黒 それはない(笑)。でも、実は『それ町』に出てくるキャラクターの関係者が『天国大魔境』ですでに出ているんですよ。
高橋 え? そうなんですか? 担当編集がここで知るっていうね(笑)。
多田 他にもまだまだあるかもしれないなから、また細かく読み込まなくては。『それ町』のファンの方も、そうでない方も、それから綾野剛さんも(笑)、2巻を手に取っていただけると嬉しいですね。
いしぐろ・まさかず╱1977年生まれ、福井県出身。2000年、『ヒーロー』でアフタヌーン四季賞秋の四季賞を受賞しデビュー。2005年『それでも町は廻っている』の連載開始、2010年にテレビアニメ化、2013年に第17回文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞、2018年に第49回星雲賞受賞。『木曜日のフルット』『外天楼』『ネムルバカ』など、幅広いジャンルを手掛ける。『天国大魔境』にて、18年ぶりにアフタヌーンに帰還。「このマンガがすごい!2019」オトコ編で1位に輝く。