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2017.09.25

特集

『フェアリーテイル』完結直後の朗報──素敵設定のラノベ版が出た!

講談社ラノベ文庫9月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!

イノヤス

講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん

講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

いいもダメもないよ、過ぎた青春は全部いとおしい

『こんな僕が荒川さんに告白ろうなんて、おこがましくてできません。』書影
著:清水 苺 イラスト:シソ
大ちゃんコメント

中高生のみなさん。ごきげんいかがですか? もう高校を卒業してしまったお兄ちゃんおねいちゃんたちも、その後どうよ? 人生の中で高校の3年間ってね、でかいです。じじいやばばあになるとわかるよ。かくいう大ちゃん、これまでの人生で高校の3年間がいちばん面白かったなあ。受験対策なんかいっさいやんない県立高校で、大ちゃんも進学塾とか予備校とか模試とか寿司とかてんぷらとかはないけど、受験産業的なものはいっさい経験がありません。同じクラスにプロ野球のドラフトを待ってるエース・ピッチャーと普通に東大1本で現役合格しちゃうやつが机並べてたくらいで、気がくるった学校でした。人間国宝とか東大医学部在学中にミス日本グランプリになった先輩もいます。話し出すと止まらんな。みんなそうですじゃ。ああっ高校時代さまっ。

清水苺最新シリーズの本作、オビの惹句(じゃっく)にこうあります。
『ヒネた視線で青春を≪再定義≫する覚醒系クズキャラ青春コメディ!』
なんと“青春を再定義”! “再定義”ですよ、青春を!! えーっ!? こういうことを考えるのは当編集部の圧倒的ひとりモテ(ざわざわ系)かつモノマネ芸でおなじみ江戸屋熊猫です。そのモテっぷりは作者あとがきからもむんむんムチムチうかがえますが、腹立たしいので、ふん、紹介なんかせんよ。ムチムチといえば本作イラストのムチムチっぷりも強烈に魅力的。手にとって見なきゃだめ。「ってか高校んときさあ」とか「高校の同級のやつでさあ」なんて話題があるすべての人と、これからそーゆー話題ができるんだろなあと思ってるすべての諸君に本書を捧げちゃったりします。

異世界でも通常営業

『アラフォー営業マン、異世界に起つ! ~女神パワーで人生二度目の成り上がり~』書影
著:澄守 彩 イラスト:いちぢるし
イノヤスコメント

その昔まだ学生のころ、どんな職業に就いたらいいかなーと思う前に、「自分は人とうまく話すのが苦手なので、軽妙トークで切り盛りするような、営業みたいなことはきっと出来ないだろうなあ……」と考えていました。後に就いた職業というか職種は、編集というものだったですが、今振り返ると編集というお仕事は「作家や漫画家といったクリエーターのみなさんとコミュニケーションをとって、こちらの要望と得意先の要望を満たすものを提案する」というもの、つまりは「軽妙トーク」が必要というより、お仕事相手の胸元に飛び込んで信用していただき、最高の「ソリューション」(うわこの手のカタカナ語大嫌いです)をもたらす仕事なんだな、つまりは営業の亜種でもあるんだなあ……と思うことしきりです(あくまで私見ですので当然異論ございましょう)。結局どんな形でも「信用」してもらうことが一番大切で、そのためのコミュニケーションの手段はいろいろある、なにも軽妙トークは必須でない(といいつつ話のうまい編集はたくさんいます)というのも感じるところであります。

今作の主人公の鬼瓦正蔵、ほんとにアラフォー営業マンなのですが、異世界に来てしまったのにもかかわらず常に平常運転で、自らのもっとも得意とする「営業」のお仕事で異世界で生き抜こうとしていく、スーパーな漢であります。なるほど、営業っていうのはどんなお仕事でも必要な何かが含まれた偉大な職種なんだなと思うことしきりでした。正蔵の言葉にはどれも社会で痛い目にあってきた人だからこそ放つ重みみたいなものがあります。作中に登場する異世界のお嬢さんたちが結局惚れちゃうのもあたりまえだなあと。しかも無敵の肉体でもって異世界生物も吹っ飛ばすという無双っぷりが生む痛快な物語をぜひお楽しみ下さればと。正蔵の奥さんや娘たちも問答無用にかわいらしく、こんな家族がいたらなあ……とふっとさみしくなってしまうかもしれません。いやいや大丈夫。家に帰れば女神がきっと待っていますよ、みなさん。

おつかれさま、またどこかで!

『小説 不思議の国のフェアリーテイル』書影
著:華南 恋 原作・イラスト:真島 ヒロ
イノヤスコメント

週刊少年マガジンの大ヒット作品、というより日本の漫画を代表する大ヒット作品である『FAIRY TAIL』──週マガでの連載は無事終了して、このたびコミックス最終巻と同時にこちらの『不思議の国のフェアリーテイル』も発売となりました。

今回この『不思議の国~』では、おなじみの仲間が本の世界に連れて行かれてしまい、さてどうなるのか……というお話なのです。作品中に登場するお話は、我々ならだれでも知っているお話、だけれど『FAIRY TAIL』のみんなは知らないお話なんです。これが思ったよりずっと馴染んでいる感じで、いつものようにナツたちの大暴れがとても痛快ですよ! 個人的には、カバーイラストにもなっている「桃太郎」姿のナツが思った以上にはまっててとても好きでした。連載はおわってしまったけれど、もう少し『FAIRY TAIL』世界にはまっていたい、そんなみなさんはぜひコミックス最終巻とともにお求めくださればと思います! 

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