講談社ラノベ文庫7月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
「お兄ちゃん!」「兄さん!!」……うー、も1回言ってっ(恥)
≪お詫び──といいますか、むしろお詫びされたい!≫
えー、先月の当コーナーがなかなかアップされず、ついには新刊発売1ヵ月後近くたってから掲載される事態となりました。っていうか、これ書いてる段階でまだアップされてない。ウプしろや(怒)。校了直後に原稿、この場合は玉稿と申し上げておきます、自分で。その玉稿をきちんと上げたにもかかわらず、社内のどっかに眠ったままとなり、誰かがうっかり削除しちまいやがったかなんか知らんが「あっ、いけね。だまってよーなあ」なんつって、三球・照代かオマエは……適当にググっといて。
そーいった前提も踏まえつつ、『ベルセルク』の第3話をドッキドキで校了いたしました。バトル、来ましたね、来ましたね!!
「あんた、もう隠す気ないだろ? かすかに殺気が漏れてるぞ。しかも──」
しかも? そんで、ついに。
「わたしたちは、∞¥$%#*☆ではありません」
あ゛ー、言っちゃったぁ。
作者あとがきの“キャラクターの裏トーク”も充実してるので、ぜひお楽しみに。先に読んじゃダメよ。
しかし、あれだね、「お兄ちゃん、大好き!」「兄さん、わたしを弟子にして」なんて、生涯言われない大ちゃんです。誰か言ってくんねえかなあ。言ってくれたら生ビールおごっちゃいます。いくらでもお詫びしちゃいます。
ジョナサンにはお世話になってます!
弊社のすぐそばに「ジョナサン」があります。晩ご飯を食べることも結構ありますし(ビールをたまにつけたりするのは内緒です)、作家さんとか、漫画編集部なら漫画家さんとよく打ち合わせをしている様子が目につきます。ラノベ文庫作品『彼女がフラグをおられたら』(通称『がをられ』)のタイトルが生まれた場所が、この会社そばのジョナサンでした──まあそれはさておき、当作はほんとに有名ファミレスチェーン「ジョナサン」の公認のもとに描かれている作品です。
もし異世界との境界線のダンジョンにファミレスがあったならきっとこんないろいろなお客さんがやってくる、賑やかな状態なんだろうな……と思えてきます。 実は主人公・渉とヒロイン?の美咲さん(バイトの先輩)も、異世界との境界線で働くにふさわしい特性(異能)をもっているので、そのあたりもぜひ実際に手にとってお確かめいただければ! もちろん真のヒロインともいうべき魔法使いの少女・レイスはじめお店のスタッフのみなさん、そしてランさんや他の常連客のみなさんもいい味出してるまさに美味しいお店の、日々の奮闘努力物語なんですよ!
いつかはわかりあえるといいな
中学生のころ、同じクラスの女の子に、つい流れで彼女からしたらとてもいやなことを言ってしまったことがあった。言った自分はその瞬間からずっと後悔していたけれど、謝る機会もなくだんだん年を重ねた。長い時を経て謝る機会があって、彼女は「そんなことがあったんだっけ、気にしてないよ」と言ってくれたけど、若い頃の大きな過ちとして今でもどこかに引っかかっているのです。みなさんにもきっと同じような経験があるのでは?
当作は、主人公・健人が高校で再会したクラスメート・待夢が、かつて自分が傷つけてしまった娘だと気づいて、その過去がばれたらすべておしまいになると恐れつつも、過去を乗り越え待夢との関係を深化させていくお話です。また、今でいう『君の名は。』自分の世代だと『時をかける少女』が代表的な作品となる『タイムリープもの』という側面もあります。 ヒロインの待夢はある意味タイムリーパーなのですが、その時間跳躍のあり方が特別で、また健人がかつて彼女を傷つけた理由にもつながるのですが……。そしてクライマックスでは──!?
過去を乗り越えて、その過去故にお互いがより接近できる……そんなふたりの関係がとても泣けてくる作品でした。この作品も、6月刊より登場した≪白背≫カバーの作品となります。もういちど時をまき直したふたりをぜひ祝福してあげてください。
ここちよいチートっぷりはやっぱり心地いい!
6月刊の、「Kラノベブックス」ローンチタイトルである『ポーション頼みで生き延びます』に続いての、FUNA先生によるWeb小説の書籍化となる作品です。『ポーション』同様に当作でも主人公のミツハの、心地よいチート振る舞いが印象的です。雑貨店を開き“異世界に大きな変化を与えないくらいの小さいもの”を売ってお金を貯めつつ、現地の貴族とお知り合いになって次第に影響力を及ぼしていくという、ミツハの賢い姿勢に納得であります。あんまり目立つと、危ないよ、といった点は『ポーション』に通じるところでもあります。
著者FUNA先生の、多岐にわたる知識の幅広さも作品の厚みをさらに増し増ししていて“ためになる”部分もとてもたくさんあるのです。ミツハは今後、さらにとんでもないことに巻き込まれそうな、そんな感じなのですが、彼女だけが持つチート能力(どんな能力かはぜひ手にとってお確かめください)があればなんとかなるはず。未知?の領域での彼女の今後の勇戦に期待して、続刊を待ちたいと思うのです。