歌、可変戦闘機、三角関係。
この3つを全て満たす作品と言えば? そう、皆さんご存知マクロスシリーズ。最新作の『マクロスΔ(デルタ)』も無事テレビ放送最終回を迎え、ノベライズやコミカライズも続々刊行中。
今回はマクロスΔについて語りたい女子2人(アラサー)が、マクロスモデラーズの畠中雄一さんという強力な先生を迎えて、初めてのバルキリープラモに挑戦!
マクロスモデラーズのプランナー。隔週放送中の『マクロスモデラーズ@SHOWROOM』ではMCを担当。
講談社コミックプラスで、「月刊少年シリウス」のプロモーションを担当。「コミックプラス特捜隊」隊員でもある。
講談社の窓際バイトライター。好きなマクロスは7とF。『さあや絶賛』は、コミックプラス内の今日のおすすめにて毎週土曜日更新中。
今回3人が作るのは「メカコレシリーズ」
さあや:とりあえずいっぱい用意してみました!
畠中:僕ひとりだと、時間内に全部作るのは難しいんですけどね。3人で力を合わせると大丈夫です!
アヤ:力を合わせると?
さあや:Δ(デルタ)!
畠中:僕はこれ作った方がいいと思いますね。『マクロスE(エクストラ)』の機体とほぼ同じなので。
アヤ:VF-171ですね!
畠中:タツヲさんの『マクロスΔ』コミカライズだとハヤテ機が一番いいのかしら。絵ヅラが同じような形になっちゃうんで、キース機が1個あってもいいかしら。
さあや:それじゃ、自分キース機いただきます! やったーイケメン機体!
──制作(作戦行動)開始。
畠中:メカコレは上蓋の上が説明書になっているんで、見づらければ開いちゃっていいです……。あれ、これプラモデル教室みたいになってますね(笑)
さあや:先生! パーツってそんなに多くないんですね!
畠中:そう、何気にキース機が一番作りやすいです。パーツが少ないので。シール貼るのが一番面倒くさいのはハヤテ機ですね。
アヤ:やばい、初めてなのに……。
畠中:ただ今回はデカールを貼るので、全部シール貼るとデカールを貼る場所がなくなっちゃうんです。まず組み立ててからデカールを貼る位置を決めた方がいいですね。
さあや:ウーラサー!
畠中:ウーラサー!
さあや:これがやりたかった(ドヤ顔)。
畠中:しかし素晴らしいことですよ、今日の光景は。プラモデルって男子のものっていう風潮があるじゃないですか。最近ねぇ……子供でも作らないみたいなのがあって。でもねぇ……作ると楽しいんですよ……。誰でも作れるものもあるんです。メカコレなんかワンコインちょっとで買えますから。
アヤ:子供でも作りやすいですしね!
畠中:そう……子供でも作れるってことでこういうのを出してますけど、僕らが子供の頃はこんな作りやすいものなかったですから……爪切りとかで切ってたし。最悪の場合はこれ「ぐりぐりぐり〜!」ってやるとねじ切れるんですよ。それで綺麗に切らないと、パチッとはめた時にこの出っ張りが邪魔になるんです。良い時代になったもんですよ……。
あや:なにか作るときは父の工具箱を借りてました。ニッパーとか。父もプラモ作ってたのかな(笑)。
畠中:モデラーズをねえ……増やしていきましょう! メカコレだったら日曜日とか土曜日とか、夜とか暇な時に1時間あれば完成させられるんで、とってもね、いい……これバンダイの回し者みたいになってますね(笑)。
さあや:畠中さんはバンダイの人ってわけじゃないですもんね?
畠中:マクロスモデラーズは日本メーカー6社共同でやっておりますので、回し者感はいけないですね。マクロスモデラーズってバンダイさん、ハセガワさん、それとトミーテックさん、青島文化教材社さん、マックスファクトリーさん、ウェーブさん。ただ、今日置いてあるのは全部バンダイさんのなんで。
さあや:モデラーズってそういう集まりだったんですね〜。なんで6社も合同で立ち上げたんですか? 大所帯ですよね。
畠中:メカコンテンツってメーカー1社が商品を作って……。たとえばバンダイだったらバンダイがメカを作って終わりって感じなんでなかなか太刀打ち出来ないんです。あまり色んな所にプラモデルを開発してもらうことって基本はしないんですけど、マクロスモデラーズはいろいろなメーカーさんにお願いして、みんなでやったらいろんなものが出るのでお客さん的にも面白いんじゃないかって言う理由ですね。
アヤ:それによって多様性が出てくるというわけですね。
──着々と作業を進める隊員たち。
畠中:おお、着々と進んでるじゃないですか。
さあや:まかせてて下さい。
畠中:本体行ってるじゃないですか。お、ひとつ忘れ物がありますよ。えーっと、A-1-4。
さあや:やばい。師匠流石です。やばいやばい。
さあや:ところでアニメがそろそろ最終回ですが進捗どうですか?。
畠中:あれ、その話の流れになりますか(笑)。終わらないんじゃないかって言われてますけど、ちゃんと終わりますよ。河森正治総監督の作品って、最後の1話でわーっと持っていっちゃうんですよ。思い返してみてください、マクロスF。「お前たちは俺の翼だ!」
さあや:えー(笑)!
畠中:そう、ネット民がみんな「えーっ」て言ったあのラスト。
さあや:持っていきましたよね〜、あのラストは……。あ、じゃあ最終回に向けて風呂敷を広げまくってますけど、綺麗にたためるということですね?
畠中:綺麗に? 綺麗にたたむ必要があるのかと? お客さんがその後に想像する余地を残すのがあえてのマクロスなんですよね。初代からそう。
さあや:あ〜なるほど〜。マクロス、さすがマクロス。……えーん、もっと本編のネタバレをしたいよぉ。
畠中:聞いてきた話と違うな……。
アヤ:シリウスのコミックスがまだアニメでいう2話くらいなので。読者の方にはネタバレになってしまうんですね(笑)。
畠中:シリウスで連載中の『マクロスΔ』は、タツヲさんには丁寧に描いていただいています。
さあや:カットとかセリフもアニメを踏襲(とうしゅう)していますよね。
畠中:復習していただくにはもってこいですよ。メカも含めて作画が凄く細かく綺麗に描かれているので、我々もこう「上手いよね」って言いながら読んでますよ! 一方、マガジンSPECIALの『マクロスE』。コマ割りとか迫力のメリハリとか、ページをめくるごとに驚きがあって、河森さんに「マンガだよね! これマンガだよね!」と、言わしめたほどです!
さあや:絶賛じゃないですか!
畠中:このあいだ見本誌頂いてメンバーにそれぞれ見てもらったんですが、マキナ役の西田望さん。没頭していまし──
一文字:Yeaaaahahaha!
一文字:今日はマクロスΔのプラモデルを作っているということでッ! 初めましてッッ! 一文字と申しますッッ!!
畠中:一文字蛍先生じゃないですか!!
一文字:そうなります。
さあや:わたし、可愛い女の人を想像してたんですよ!
アヤ:そうですよ。私も女性だと思ってた……!
一文字:マスクはいだら女性かもしれませんよ?
畠中:今日はメカコレを作ってますよ。
さあや:そうだ! よかったら先生も一緒に作りませんか?
一文字:いいですか!? じゃあミラージュ機をいただいても──。
畠中:すみません僕がVF-171取っちゃったんで。
一文字:VF-171が良かった……(笑)。
畠中:でしょうねえ(笑)!
アヤ:三角関係じゃなくなっちゃたんですけど(笑)。
一文字:そこはエクストラということで! SDガンダム以来ですから上手く作れるかどうか……。デカールは何を選べばいいですか?
畠中:やっぱり、Eのヒロインのピリカじゃないですか?
一文字:やったぁ! じゃあピリカ使わせてもらお!
さあや:じゃあ私は小説の表紙を貼らせてもらおうかな。
さあや:みなさんはノベライズ版は読んでいただきましたか?
畠中:読みましたよ! 監修してますから。
一文字:新設定が明かされてるんですよね。
畠中:そうですね。『マクロス30』からのキャラクターが出てきたりとか。
一文字:小太刀先生が前に言ってました! おっぱい支店長とか出て来るんですよね!(『マクロス30』に登場するアイシャ・ブランシェット)
畠中:おっぱい支店長でてきますね〜。
アヤ:そういえば、さっき河森さんが『マクロスE』を絶賛されていたという話をしていましたよ。
一文字:河森先生が!? スーパー嬉しいですね。超時空嬉しいですよ!
畠中:河森先生の監修が「いいんじゃない? いいんじゃない?」に変わったんですよ。「凄いですよね。めくる度にね」って。
一文字:好きにやらせて下さってるんですよ。ちょっとマクロスの話からそれますけど、僕はキカイオーとかそこら辺からもう大好きなんですよ! 河森さんは可変で世界一の偉人です。可変超人オリンピックがあったらそりゃもう……! ごった煮アニメオタクの僕からしたら。
さあや:『マクロスE』も主人公がオタクじゃないですか。
一文字:うちのアシスタントにとんがってる奴がいて、「お金使わないでアイドルと接触するなんて反則!」みたいな。取材に行かなきゃ行かなきゃと思ってたんだけど、アシの子がドルオタだと分かってからなんにも取材しなくて済んだ(笑)。
畠中:近くにいるわけですもんね。
一文字:観測してればいいっていう(笑)。Δ(デルタ)でワルキューレのステージを見た時「AKB風ですね」って。流派が分かってた。
さあや:流派があるんだ……。
一文字:あるらしいですよ。ほんと素晴らしい。助かってます。
──“水転写デカール”の悲劇
一文字:誰か水転写シールのやり方教えて下さいよ。
さあや:はいは〜い! まず機体に合うように切ってもらって、フィルムをはがして……。シールは反転してあるんでひっくり返して機体に貼ってください。後ろに水をつけて紙をずらしながら取ったら完成です! 繊細な作業ですよ!
一文字:こういうのは思い切りが大事なんだ。
さあや:先生はやっぱピリカちゃんみたいなの好きなんですか。
一文字:なんだかんだ言ってそうなのかなーって思いましたね。無愛想で強いってね。……これで行けるな。
一文字:よし、決まりました。
畠中:流石ですね。かなりの広面積いきますね。
一文字:いけますよ。多少のディテールはシールの方が砕けてくれるんで、パーツライン……あ、間違えたビニールはがしてない。あっ、終わった!
一同:せんせーっっ!!
一文字:駄目だ、終わった!
一文字:……ちょっとこれはシンナーがないとダメな奴ですね……。どうしよう、描いちゃった方が早いかな……。
──スピンオフと河森監督
アヤ:スピンオフ作品がいろいろありますが、コミック版の監修ってどういう感じでやられてるんですか。
畠中:マクロスΔ本編制作中だったので、まず河森さんスケジュールを抑えるところから始めます。
アヤ:……大変そうですね。
畠中:いろいろな作業が立て込んでいますので、まともな場所ではなかなか出来ないですね〜。たとえばアフレコをやった後に近くのファミレスに連れ込むとか。後はダビングに入る前に河森さんを捕まえて韓国料理屋でとか……。本当にもうご飯を食べる時にでも捕まえないとだめですね! 河森さんもきちっと読んで咀嚼(そしゃく)してからきちんとお戻ししたいという方なので。
さあや:ごはん屋さんだけに!
畠中:タツヲ先生のコミカライズは、本編に沿った形で作画とか構図とかもやっていただいてるので、本編と比較するチェックとかが多いです。忠実に再現されてるかの確認って話ですよね。正確じゃなきゃいけないって話じゃないんですよ。
一文字:物凄い忠実にやってましたからね。
アヤ:アレをコミカライズできるのってすごいです。
一文字:タツヲ先生とかめちゃくちゃ上手いですもん。お会いすると凄く控えめな好青年なんですけどね。河森先生を囲む会とかがあったんですけど、その後講談社組で飲みに行ったんですよ。主に僕とシリウス側の担当の方だったんですけど、タツヲさんはちゃんと総括をするような立ち位置でいらっしゃって、しっかりされた方でした。このプロジェクトはなんだかんだして、タツヲさんが何とかしてくれるだろうと(笑)。
アヤ:(デカール貼りに苦戦する)無理無理無理!
さあや:無理じゃない。
アヤ:飛べば飛べる。
さあや:あ、マクロスで好きなセリフとかありますか?
一文字:「俺の歌を聴け」一択ですね。
さあや:Δ縛りで。歌でもいいんですよ!
一文字:Δ縛りだったら『破滅の純情』の「いえーい」ですね! 美雲さんの! 特に2番のいえーいがね、いえーいって感じでね。
さあや:マニアックなこといいますね(笑)。美雲さんカッコいいですよね。声ももちろんだけど。
アヤ:でも歌ってらっしゃる方すっごい若いんですよ。
畠中:15歳ですよ。女子高生だって感じですよ。凄い真面目ないい子で、15歳って感じなんです。『いけないボーダーライン』収録されたときは14歳ですからね。
全員:へ〜〜〜〜(驚愕)!!
──そして、完成へ。
畠中:おお、出来上がってますね。ハヤテ機ですね。キース機ですね。
さあや:ウィンダミア機ですよ〜。んんん、ウィンダミアの風を感じる。
アヤ:ウィンダミア人は大体30歳ぐらいまでしか生きられないし。私ウィンダミア人だったらもう死んでるんです……。
一文字:アラサーでいらっしゃるんですか?
アヤ:残念ながら、マスターヘルマンと同じくらいです。ヘルマンって人気ありますよね?
畠中:シブいですよね〜。でも、みのりちゃんはボーグが好きですね(笑)。彼は美味しいんですよ、本編での扱いが。
アヤ:ラノベのインタビューのときにも好きって言ってましたね。
アヤ:初めてのバルキリー。
さあや:愛着が湧いてしまう。わたしも出来ましたよ。完成です。
一文字:みなさんあの、畠中さんはおいときまして。プラモ初めてと仰ってましたが本当ですか?
畠中:上手いねやっぱ。
一文字:ではサイン入れておきましたので、プレゼントにどうぞ!
さあや:凄い! プレミアじゃないですか!?
一文字:偶然なんですけど紫色の機体……ジーナス機が残っていたので良かったです。では、失礼します。あ、服着ないと……。
今回作ったプラモデルはバンダイから出ている「メカコレ」。アラサー女子が休日にマフィンを食べながら組むのに最適です! アニメ、コミックス、ライトノベル、それぞれ見どころたっぷりな『マクロスΔシリーズ』をよろしくお願いします!
畠中さん、一文字蛍先生。今回はありがとうございました!
プレゼント
たくさんのご応募ありがとうございました。