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2016.04.22

インタビュー

【史上最も失敗し挽回した男】仙石権兵衛秀久とは何者か?

『センゴク』シリーズ作者・宮下英樹さんのサイン会&トークイベントが「ニコニコ生放送」で生配信! 当日はスペシャルゲストも登場します。今回はpart1に続いて、新章『センゴク権兵衛』の見どころや、イベントへの意気込みを伺いました。

宮下英樹(みやした・ひでき)
宮下英樹(みやした・ひでき)

1976年生まれ、石川県出身。2001年5月に第44回ちばてつや賞大賞を受賞。同年、「週刊ヤングマガジン」でデビュー。2004年、担当編集者と戦国時代について意気投合したことがきっかけで『センゴク』の連載を開始。『センゴク』シリーズとして『センゴク天正記』『センゴク一統記』『センゴク権兵衛』番外編『センゴク外伝 桶狭間戦記』がある。

公に知られていない仙石権兵衛秀久を描く新章に期待!

──歴史を掘って行く作業が楽しいという中で始まったのが、現在連載中の『センゴク権兵衛』。前作『一統記』のあとがきで「次作は“人間・仙石権兵衛”を描きたい」と書かれていました。その狙いは?

宮下:『一統記』を描いているうちに「歴史を動かしているものはなんだろう」というところに自分が行ってしまったんです。トルストイは『戦争と平和』の中で、ナポレオンが負けたのは歴史の大きな歯車に巻き込まれたからだと言っています。じゃあその歴史の大きな歯車は何なのかということを突きつめていったんです。結局、答えは出ませんでしたが、『一統記』は自分の好きなように描かせてもらったので、満足いく形で終われました。それで新しい作品を描こうという気持ちになれたというのもあります。

──今後の『センゴク権兵衛』の見どころを教えてください。

宮下:『一統記』は秀吉を中心とした群像劇だったので、「やっと権兵衛の人間性にフォーカスした物語が描ける!」と、わくわくしています。自分の中では、権兵衛が戸次川の戦いで失敗して、小田原征伐で復活するまでの間をしっかり描こうと思っています。ちょっとずつ取材していく中で、権兵衛の大敗〜改易(※)〜小田原での復活までの導線に関係する史料も集まってきました。まだ公に知られていない権兵衛の実像も見えてきたので、楽しみにしていてください。

※「改易」……大名が領地を没収され、身分を奪われる処罰。

──仙石権兵衛秀久は、“史上最も失敗し挽回した男”ですが、最近、政治家や芸能人、文化人など、挽回する術を学びたいと思ってる人がたくさんいると思います。

宮下:確かに……(笑)。実は権兵衛って、ちょっとやそっと失敗したからといって、いきなり生活苦になるわけではないくらいの家柄ではあったんです。現代に当てはめると、ちょうど政治家や芸能人のそれに近いかもしれませんね。ただ、失敗することで、自身のアイデンティティについて、いたたまれなくなっていたんだと思います。仙石家も没落貴族のように生きていくことはできたんですが、そこは自分の中の何かが許せなかった。改易されてから、お坊さんに「君は武士の顔をしているよ」と言われて武士に戻るんですけど、「もう一回、武士に戻りたい」という強い気持ちが働いたんじゃないでしょうか。

──今作は若い天真爛漫なキャラが登場してますね。田宮保富、通称・某(それがし)。

宮下:権兵衛の地位が上がることで、若い時代とは違って計算高いところも出てきましたから、純粋な若い人を入れて、シリアスすぎる展開を緩和できたらなと思いました。それと、どこかで成長させようという思いもあって、かなり未熟な設定にしてドタバタさせてます。

『センゴク一統記』
『センゴク一統記』

表情豊かな某(それがし)。若い彼の言動は笑わせてくれる。今後、武士としての成長も楽しみ。

──『一統記』からの流れで、母や養父の仇である秀吉を憎んでいる茶々(淀殿)の心がどう動くのかも気になるところです。

宮下:女性の心が激しい憎悪から愛情に転じるとき、何がきっかけで変われるのか知りたいところです。女性心理について勉強中なので(笑)、連載を楽しみにしてください。

──では、最後にトークイベントに向けての抱負をお願いします。

宮下:今回のテーマは秀吉なので、僕なりの歴史観や、秀吉の知られざる部分を語るので楽しみにしてください。ご一緒する東京大学の本郷先生がサービス精神旺盛な方なので、堅苦しい内容にはならないと思います。また、会場に来れない方はニコニコ生放送でご覧になってください。コメントもたくさん書き込んでもらえるとうれしいです!

<インタビュー&撮影/長迫弘>

4月24日(日)15時、「ニコニコ生放送」で生配信!

4月24日(日)に開催される、宮下英樹さんのトークイベントが、「ニコニコ生放送」にて生配信!  ゲストとして、TV番組「世界一受けたい授業」でもおなじみの歴史学者・本郷和人氏も登場。天下人豊臣秀吉の実像に迫ります。
生放送の詳細ついては、下記ヤンマガHPで告知中です!

複製原画プレゼント!

インタビューpart1でも触れられた、豊臣秀吉の複製原画。なんと宮下英樹さんの直筆サイン入りで、限定1名様にプレゼント! 下記応募ページで詳細をご確認の上、ご応募ください。
応募期間:2016年4月22日(金)〜5月22日(日)

プレゼントの応募はこちらから

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