3月5日(土)に行われた、『ナヴァグラハ -DefenD 9 Triggers-』第1巻発売記念サイン会&トークショー。原作者の声優・小野大輔さん、近藤孝行さんのお二人に、コミックプラスが独占インタビュー! 大盛況のうちに終了した、イベント当日の模様と併せてお届けします。(インタビュー&文/松澤夏織)
《声優》×《仏像》×《バディアクション》!!
人気声優の小野大輔、近藤孝行が原作の王道バディアクションコミック。「月刊少年シリウス」で2015年10月号から連載を開始するや、各方面から大きな反響を得た注目作。
世界の平和を脅かす組織《ヴィシュダ》の陰謀を阻止するため、仏の力を身に宿し闘う武僧《九曜》。9人の中でも最強の名をほしいままにした向日明(むかい・あきら)と紫垣屋朔夜(しがきや・さくや)は、ある事件をきっかけに仏を招来することが出来なくなった。“清浄”の名を冠する敵の目的とは? そして力を持たない二人はいかにして闘うのか──!? ドラマCD化も発表され、ますます『ナヴァグラハ』から目が離せない!
祝・単行本発売! 記念イベントレポート
単行本1巻の発売を記念してアニメイト池袋本店で行われた「サイン会&トークショー」。原作者である小野大輔さんと近藤孝行さんのディープなお話を聞こうと、抽選で選ばれた100名のファンが集結しました。 開始すぐに話題になったのは、藤子・F・不二雄先生と石ノ森章太郎先生をイメージした自前の衣装。打ち合わせをしなかったにも関わらず、お揃いになってしまった白タートルについて「メイク終わって小野君を見たらさ〜。『うわぁ被ってる!』ってなったよね」と近藤さん。一方の小野さんは「謎のシンクロ見せちゃった」と、楽屋でのほのぼのエピソードを披露してくれました。
まさかのペアルック、白タートルをまとい、気分はすっかり漫画家。
(左)近藤孝行さん、(右)小野大輔さん
トークコーナーでは「シリウス」本誌のキャッチコピーが話題に。小野さんは、“涅槃(ニルヴァーナ)まで仏智義理(ブッチギリ)だぜ” “荒くれBOUZ(武僧) 伽藍に帰還”などを挙げ、「どうかしてる! 綿密に会議をしているのに、これに関しては何も相談がない!(笑)」と、コピーを考えた担当編集に少々ご立腹の様子でした。
問題の(!?)シリウス本誌キャッチコピー。
次に、「原作者として苦労したこと」については、お二人とも「ない」とキッパリ。
脚本の小林先生を大絶賛でした。
小野「アキラは剣や拳主体の闘い方で、サクヤはどういう闘い方をするだろうって話になった時、小林先生に守備と脚はどうですかってお話したんです。そしたら、きれいに盛り込んでくださって!」
近藤「釈迦如来の必殺技カッコ良い!」
朗読コーナーで、参加者を『ナヴァグラハ』の世界に引き込んだ後は、塩沢先生の美麗な作画に触れ、
小野「あらためて思ったけど絵がキレイ!」
近藤「戦闘シーンの迫力もすごいよね!」
と興奮をあらわにする場面も。小野さんは「アニメになったらどう表現されるんだろうね〜」と期待をふくらませていました。
小野さんが「骨に響く」と絶賛したアキラの必殺技シーン。
近藤さんの熱のこもった叫びで会場全体の空気がビリビリと震えました。
小野「僕らは普段声優として、漫画が原作になったアニメをたくさんやらせてもらっていますけれど、漫画家の先生の感想を聞くと僕らが命を吹き込んだことに感動してくださる。僕らは今、その両方やれたんです」
近藤「贅沢だね」
と、稀有な経験に対しての率直な気持ちを語ってくれました。さらに近藤さんは「ドラマCDで他のキャストさんと演じるのも楽しみ!」と口にし、会場のファンも発売まで待ちきれない様子。
トーク終了後はお二人のサイン入り複製原画のプレゼント抽選、そしてサイン会へ。読者の方、ひとりひとりと熱いトークを交わし、名残りを惜しみつつ終了しました。
『ナヴァグラハ』の続報は今後「シリウス」本誌で順次発表されていく予定です!
ファンからのリクエストに応える場面も! サイン会は終始笑いの絶えない和やかな空気に満ちていました。
小野大輔×近藤孝行 独占インタビュー
フリーランス。主な出演作は『ジョジョの奇妙な冒険 スターダストクルセイダース』(空条承太郎)、『おそ松さん』(十四松)ほか
パッションがほとばしる制作現場
──『ナヴァグラハ』は、お二人が長年やられてきたラジオ「小野大輔・近藤孝行の夢冒険〜Dragon&Tiger〜」発の企画です。アキラの好物に近藤さんの好きなナメコのみそ汁が採用されるなど、2.5次元的な面白さもありますね。
小野大輔(以下:小野):近藤君は本当にアキラっぽいんですよ。普段は控えめで強く自分を出す人ではないけれど、『ナヴァグラハ』の時は全然違います。ギミックのデザインやキャラのことなど、しっかり自分の考えをまとめてくる。好きなものを覆い隠さず、「こうしたい」という思いをストレートに貫く強さがあります。
近藤孝行(以下:近藤):小野君もサクヤに似たところがあるよ。会議で僕の話を冷静に聞いて、最後に「僕もそれはいいと思いますね」とか「ここはこうあるべきですね」みたいな最後の一押しをしてくれるじゃない。「ウェ〜イ」って場を明るくしてくれる普段とはちょっと違うよね。あ、でもイメージを大事にするところはちょっと意外だったかも。皆の話を聞いて自分の中で具体的に思い浮かばなかったらずっと考えて、イメージが浮かんだら「あっ! いい! いこ!」って言うじゃない。
小野:あー! 確かにそうかも! 頭の中のビジョンがシンクロするんだよ。そういう瞬間は皆とディスカッションしてブレインストーミングしないと僕は生まれないと思っているのね。何もない0の状態から1つアイディアを生み出せる近藤君と、その1を10とか100にすることにやりがいを感じる僕の関係はすごく自然です。
──リアルでもバディ感があるんですね。
小野:この漫画に興味を持ってくださった方にも、そう感じてもらえたならうれしいです。一見すると僕らは性格も表現の方法も全然違うけれど、パッションが強いところは似ている。そういうところはアキラとサクヤの性格づけに影響しているなと思います。
食うか!食われるか!
──1巻の最後でアキラとサクヤは一度離れた九曜への復帰を願い出ました。現在「シリウス」本誌では、復帰に反対した九曜たちを説得しています。『ナヴァグラハ』の今後の見所を教えてください。
近藤:“眼帯”の活躍かな?
小野:秦宮京(はたみや・きょう)ね。
近藤:そう、京様(笑)。すごく人気があるもんね。アキラとサクヤが食われちゃうんじゃないかという危機感を覚えつつ、「うわ、カッコ良い♥」って思う自分もいて複雑です。
小野:僕は九曜内のコンビが面白いなと思った。ミスズとアカシヤの掛け合いがすごく好き。コンビはアキラとサクヤだけだと思っていたのだけれど、こういう形もあるんだ〜って。それぞれの関係性は注目して欲しいですね。
近藤:ハマーと礼安もだよね。
小野:そうそう。この人とこの人は一緒に出てくるとか、カッチリ決めていたわけじゃない。でも対になっているのはすごく好みです。小林先生の脚本と塩沢先生の素晴らしい画力によってものすごく魅力的に描かれているので、あっちからもこっちからも食われそうで正直不安ですが(笑)。
──それぞれの過去なども明らかになってきて、アキラ・サクヤと九曜の関係は今後気になるところですよね。九曜は出番増加とともに人気もさらに上がりそうです。
小野:危ういっすね。ヤバイっす。……消すか。原作者の力を持ってすればあいつらを消すことだって!!
近藤:いやいや諸刃の剣だから!!(笑)
小野:そっかー(笑)。でも彼らを好きになってもらえて、人気が出ればうれしいよね、キャラがドンドン育ってくれたらいいなと思います。
近藤:主役の二人のことも言っておかなきゃ! アキラの激しさだけではない優しいところやサクヤの本質を見抜く力もこれからドンドン見えてきます。ぜひぜひ楽しみにしていてください!
大役を終えたお二人。穏やかな表情を見せつつ、『ナヴァグラハ』への思いを熱く語ってくださいました。
『ナヴァグラハ』制作裏話や仏像への思い、イベント終了後の感想など、さらに二人の素顔に迫ったレポ&インタビューは「月刊少年シリウス5月号」(3月26日発売)にて。担当編集による珍キャッチも要チェック!