「人間やめますか? それとも極道やめてアイドルになりますか?」
仁義ほとばしる漢(おとこ)の世界から、ラブラブピョンピョンなアイドルへ華麗に転身!? 新感覚"漢の娘"コメディ『バックストリートガールズ』の著者ジャスミン・ギュ先生にお話をききました。
──昨年8月に1巻発売後、すぐ話題となり3ヵ月連続で重版がかかったとうかがいました。特にネットを中心にとても注目を集めています。実感としてはいかがですか?
何人かの友人からツイッターなどで話題になっていると聞きました。でも自分では恥ずかしくてあまり見てないです。
──"極道のオッサンが性転換をしてアイドルになる"という設定はどのようにして生まれたのでしょう?
極道モノのギャグ漫画の企画を練っていた時、前の担当さんに「オッサンばっかじゃなくてかわいい女の子描いて」って言われて。でもせっかく考えた極道モノの企画がもったいなかったので、「これだ」と(笑)。
──先生はアイドルがお好きなんですか?
人並み程度には好きですが、"アイドル好き"っていうほどではありません。ただ、もともと女の子を描くのが苦手で、練習のためによくアイドルを描いていましたね。「もっとかわいく描いてよ」って編集さんによく言われました(笑)。
──「ゴクドルズ」の3人が着ている衣装が某国民的アイドルのものによく似ていますが、3人にモデルはいるのですか?
いません。でも組長が『監獄学園』の理事長に似ているとよく言われます。たまたまです。
──執筆にあたって編集者とどのような打ち合わせをされているのですか?
基本的には好きに描きます。ギャグは打ち合わせで相談しながら考えてもあんまり面白くならないので、独りでネタを絞り出すようにして描いています。ストックがなくなった時は担当さんに助けてもらいます。
──ネタ探しのために見たりするものはありますか?
アイドルのドキュメンタリーは1回見ましたが、基本的にはあまりそういう資料は見ません。あえて言うなら、極道系のドキュメンタリーや北野武監督の作品ですね。「あ、この言い方カッコ良いからマリにやらせてみようかな」とかつい考えちゃいます(笑)。
──「ゴクドルズ」が歌っている歌の歌詞も先生がご自分で考えているのですか?
そうですね。最初普通のアイドルっぽい歌をつくって、替え歌をつくる感覚で極道系の単語を入れていきます。意外と何でもあてはまって、ちょっとしたストーリーになっちゃうのが面白いです。実は表に出ていないノーカット版の歌詞もあるんですが、オトナの事情でボツになってしまいました。これはいつか披露したいですね。めちゃくちゃ面白いですから!
──「ゴクドルズ」の女の子たちを描く上でのこだわりポイントはありますか?
よくわかりませんが、勝手に自分がアイドルオタクなら、こういう子が好きになるだろうという意識を持って描いてます。実際に好きなタイプの女の子ではありません(笑)。 彼女たちは巨乳ですが、自分は別に巨乳好きじゃありませんし。まあ、どっちにしても中身はオッサンですけど。昔より胸がデカくなっちゃった元カノに向かってチカが叫んだセリフが本音かも知れないです。
──特に読者の人気が高かった回はありますか?
アイドルオタクがメインの話は人気があったと担当さんに聞きました。その話は「ゴクドルズ」がまったく出ていなかったので「マジかよ」と思いました。
──「アイドルオタクあるある」がところどころに散りばめられています。これは実際に調べたのですか?
ネットで調べたりもしますが、基本は想像です。でも想像を超えることも結構あって。作中で握手会のためにファンがCDを50枚買ったと描いたんですが、後でもっと買うと知って直しました。本当に買う人は何百枚と買うんですよね。
──ジャスミン先生ご自身が好きな回を教えてください。
これです。マリの顔も好きだけど、特に上のコマがお気に入り。
あとこれも好き。会心の無表情。
──最後に読者の方へのメッセージ的なものをお願いします。
『バックストリートガールズ』は彼女たちの……彼ら、いや彼女たちの成長物語です! これから彼女たちが歩む道はどんどんスケールが大きくなっていきます。アイドルとして、人間として成長していく彼女たちの活躍にご期待ください。