溺愛兄が「お兄ちゃん」と呼ばれるまで
全2巻のうち99.9%は爆モテ極上のイケメン兄が妹をズブズブに溺愛するエピソードです。純度が高い。しかも溺愛のバリエーションが豊かで、イメージとしてはアフタヌーンティーのお菓子タワーがいちばん近いと思います。ありとあらゆる溺愛が最高の状態で並んでいる。あるいはマトリョーシカにも似ていますね。開けても開けても兄の愛がある。
気持ち悪!
他に行くところもない与莉は、おそるおそる汐のアパートを訪ねます。ドアをあけたのは半裸の男。
どうして汐はそこまで「妹」に射抜かれてしまったのでしょうか。
与莉はデレデレな汐に「気持ち悪!」とひるみつつも一緒に暮らすことに。悪い人ではなさそうなのと、汐が自分に「女」を求めていないことは、パンチ強すぎな初対面でわかっていたからです。汐のアパートには複数人の女たちが出入りして、その全員は「彼女じゃなくて友達」とのことでしたが、その数名の友達と汐が何をしているかは与莉にも明らかでした。
俺がいっぱい愛すから
頭から消せというほうが無理な出来事がいっぱいあるんです。新宿三丁目のイタリアンで働く汐、大学で真面目に講義を受ける汐(メガネ!)。与莉は、いろんな汐の、いちばん近くていい場所にいます。
そんな2人の世界にたびたび現れるのが与莉の幼なじみ“翔真”。翔真のブレイクスルー力もこのマンガの魅力です。
溺愛ぶりをエスカレートさせ色気ダダ漏れの汐と、汐に翻弄される与莉にクラクラする作品ですが、汐というお調子者だが謎めいた男の内面が垣間見えるところも物語としてとても美しい。汐の心の底は彼にしかわからないけれど、少なくとも彼は自分が欲しかったものを与莉にあげようと一生懸命です。









