読むと“お腹が空いちゃう”漫画です
その課題を大胆にクリアしたのが、本作です。
主人公は、出版社で校閲の仕事をする南雲(なぐも)アリサ。校閲については、かつてテレビドラマにもなりましたし、その仕事内容についても、世の中にだいぶ浸透しているかと思います。漫画や書籍などにおける誤字脱字といった基本的なミスから、記載内容が事実かどうか、あるいは言葉の意味の確認、登場人物の設定や状況に関する矛盾の有無など、チェックする範囲は多岐にわたります。
そんな、とてつもない集中力を要する仕事に携わるアリサにとって、食事は気分転換に最高のツール。彼女の食事シーンを読んでいるうちに、なんだか自分もご飯を食べたくなる……本作にはそんなマジックが宿っているのです。
「美味しい」の音が聞こえるグルメコメディ
料理の味や香りを事細かく、あるいはドラマチックに伝えたり、キッチンで手際よく調理するシェフたちの様を描いたりと、「美味しい料理」の表現方法はいくつかありますが、本作は、「ただひたすら夢中になって食べ続ける様」を描写することで料理の美味しさを届けてくれます。
先日観た朝のバラエティ番組で、大食いタレントとして活躍する方がラーメンを食べていたのですが、その食べっぷりが凄まじく、めちゃくちゃ美味しそうに見えたんです。豪快に麺をすするその画が、美しいとすら思えてくるほど、ラーメン自体も輝いて映っている。
本作が描く食事シーンも、これと同じように「食に心奪われ、夢中で食べる」ことの美しさと、この表現がいかに見る者・読む者の食欲を刺激するのかということが詰まっているように感じます。説明なんていらない。料理も、食べる人も、どちらも魅力的に見えてくる、まさにマジック。
別のシーンで、アリサはカレーを食べています。
お仕事漫画としての切り口にもぬかりなし!
また、ある書籍のチェック中には、こんな描写も登場。
仕事面での転機も訪れるアリサが、この先一体どんなメニューと相対するのか。仕事や人生と切っても切り離せない、まさに生きる糧ともいえるアリサの全力めしを、お腹いっぱい味わいたいと思います。








