俺はロラーナ姫の騎士、レガ!
王国はカタストロフィー(破滅)を迎えた。
そこに現れたのは、悪夢のなかで姫に魔法を与えた《彼》。
かくして世界は、姫の見た悪夢の具現「眠れる森」に沈み、あまたの物語が歪められていく。
赤ずきんは獣の血を啜る怪物となり、
シンデレラは永遠の舞踏会で踊り続ける亡霊と化し、
人間になることを諦めたピノキオは、人々を操り人形へと変え、
海に還ることを許されない人魚姫は、轟く歌声で嵐を巻き起こし、
七人の小鬼を従えた白雪姫は、滅ぼした国々で赤い果実を頬張った……。
しかし、諦めない男がひとり。それはロラーナ姫の騎士レガ。
彼は気がついていた。姫のある仕草に。
夢の彼方まで君を迎えに行く!
猛烈なスピードで展開する童話アッセンブル
第2話では、さらに貪欲に童話やファンタジー世界を取り込んでいく。
ロラーナ姫を討伐し、眠れる森を打ち払うため、聖剣王アーサーは「幻想騎士団」を結成。その狼煙がわりに、ロラーナ姫を目覚めさせた咎で、レガは断頭台へと送られる。怒号が飛び交う人々の前、アーサー王が剣を振り上げたとき……。
そして物語は続く。
眠れる森に足を踏み入れたレガとパンチャ。すると早々に、森に巣食う《狂いの帽子職人》サリヴァン・ザ・マッドハッターと、彼が“縫い上げた”ジャバウォックに襲われる。姫の呪いよって歪んでしまった物語の登場人物たちの力は強大で、生身の騎士など太刀打ちできるものではない。まったく刃が立たず、窮地に立たされたとき、レガの胸の刻印が輝き始め、体から湧き上がる力を感じる。
マッドハッターは語る。
呪いとは存在を歪ませ食らう──“死の牙”
ですが稀(まれ)に存在するのです
その身に受けた呪いを力に変えて武装する手合いが
いや違う。
レガが受けた呪いとは、それよりももっと前、姫が眠りにつく前にかけられたもの!
その呪いは、きっと「愛」なのだ。
愛と怨嗟、愛と嫉妬、愛と苦痛。それは一枚のコインの裏表。レガもまた、ロラーナ姫の目覚めによって投げられたコインの一枚なのだが、表を上にして眠りの森に落ちたのだ。そして光属性を帯びて立ち上がったレガは、姫がかけた呪いによって歪んだ存在となった物語の登場人物、その誰よりも強いことを証明しなければならない。「愛」こそ最強の呪いでなくてはならない。つまり、この冒険物語は、愛の証明の物語なのだ。
なんて、素敵なフェアリーテイル(おとぎ話)。
第1巻の4話分で、3巻分くらいの展開、読み応えがあるのだが、物語はとば口に立ったばかり。
これは眠れる森の姫が
覚醒めた後の物語──








