そして正直に打ち明けますが、私は本作で初めて同シリーズを知りました。つまり『魔法少女リリカルなのは』超初心者です。長きにわたって描かれてきたキャラクターや物語、世界観の蓄積がない私が本作を読んで感じたことを、まとめてみました。
人と共存するロボットが暴走!? その謎を調査する少女・高町なのは
機械を信奉するダルナザという国で、15年前の内戦に従軍歴があるロボットたちが暴走する事件が多発。終戦しているにもかかわらず戦時であると認識するエラーを起こし、殲滅目標(せんめつもくひょう)を探して、時には破壊行動も起こすような状況が発生している様子。その原因を調査するため、高町なのはが現地に派遣されるところから物語はスタートします。
ちなみに、こちらの少女がフィリー、渋みがあって凛々しい男性がゼオ。
変身! アクション! 超科学! わくわくが詰まったSFバトルファンタジー
なのはが暴走ロボットを撃退するシーンも、実に鮮やか。
臨場感あるバトルシーンや戦闘装備への華麗な変身シーンに加え、興味をそそられるのが、近未来SF要素。なのはが使う、レイジングハートと呼ばれる「インテリジェントデバイス」なるアイテム。ビームを放ったかと思えば、会話もできるし、国連機関の調査員というなのはのため、翻訳サポートまで担う万能アイテム。いわゆる魔法の杖的な存在ながら、作中でなのはが「相棒」と呼んでいるように、その枠を軽々と超越しています。
シリーズ初心者でも作品世界へあっという間にダイブできる!
また、その「暴走」を組織の仲間に咎められるコマで、なのは以外にも様々なキャラクターがいることを明示。シリーズのファンであれば馴染みのあの子たちの登場にワクワクする、そんなシーンかもしれません。初見の私にとっても、主人公なのはを取り巻く人物であり、その肩書や会話のトーンからも、強く認識しておくべきキャラとして印象に残りました。
過去シリーズからのファンでしか味わえない喜びと、まっさらな状態だからこそのワクワクは、きっと両立します。それぞれの立場でじゅうぶん楽しめる本作。シリーズ初心者にとっては、ここが入り口になったとしても、2026年スタートのアニメ放送を含むメディアミックスという横展開と併せて、過去シリーズを遡って楽しむという縦展開の楽しみも待っている、そんな贅沢な作品です。







