30代を超えてから少女マンガを読むと、ヒロインだけじゃなくヒーローの気持ちにも共感できちゃうんですよね。もう、どっちの心情も痛いほどわかるのよ……!(涙) そして読むたび思うのは「男って本当に愛すべきバカ!」ってこと。
2025年8月12日に第1巻が発売された『頼くんとヨリを戻すわけには!』(旗谷澄生)は、そんな“不器用なのに愛おしい男子”が全力で駆け抜ける、復縁ラブコメの大本命です。思わず応援せずにはいられない、恋に不器用な大学生カップルの物語が幕を開けます!
主人公・初帆(はつほ)は、大学進学を機に上京してキラキラの一人暮らしをスタート。バイトも決めて、家具も揃えて、あとは素敵な彼氏ができれば完璧! ……そんな夢のキャンパスライフを想像していたら、まさかの隣人が元カレ・頼(より)くんだったんです!
この頼くん、中学時代に付き合っていたものの、高校に落ちてしまったショックから音信不通になったという苦い思い出の張本人。しかも彼、昔から少し……いや、かなりマウント取りたがり男子だったんですよね。そんな彼に拒絶された経験がある初帆としては、「絶対ヨリなんて戻さない!」と心に決めていたはずなのに――。
ところが頼くん、空気読まずに俺様全開で復縁を迫ってくる! そして初帆からは即・瞬殺。
いやもう、このシーンが本当に笑えるんです。「そりゃそうだ! まず謝れ!」とツッコミながら大爆笑しました(笑)。
でも、高校入試に失敗した16歳の彼がどんな気持ちだったかを想像すると、頼くんの心情も痛いほど理解できちゃうんです。2人で目指していた高校入試で、まさかの自分だけが不合格。彼女に合わせる顔がなくて避けてしまう――そんな不器用さ。しかも初帆からブロックされて連絡も取れなくなり、引っ込みがつかずに拗らせ続けた結果が「初恋こじらせ男子」爆誕!(笑)
拗らせに拗らせたからこそ、彼の愛情は尋常じゃない濃さ。偶然巡ってきた“2度目のチャンス”を逃すまいと全力で猛アピールする姿は、不器用なのに必死さが滲み出ていて、もう愛おしいんですよ。気づけば「いや迷惑だろうけど、もっといけ!」って背中を押したくなる――そう、これが“頼くん沼”!
しかも初帆曰(いわ)く「全方位にマウントをとるのが生きがい」な頼くんは、実は誰より周囲を見ていて、困っている人を自然に助けてしまうタイプ。俺様っぽく見せかけて実は優しい、というギャップまで兼ね備えているんです。もうここまで来たら、抗えない魅力の沼にハマるしかないでしょう!
そんな彼の本質をちゃんと理解している初帆もまた、とても優しい子。彼に振り回されながらも、中学時代には見られなかった“溺愛モード”にドキドキが止まらない様子が本当に可愛い。読者も一緒に頼くんの深みにずぶずぶ沈んでいくこと間違いなしです。
テンポ抜群のストーリーに加え、キャラクターたちの表情の豊かさや、現役大学生らしいおしゃれな服装も見どころのひとつ。隣同士のドタバタ同居ライフ&キャンパスラブは、まだ始まったばかり。今後ますます話題になること間違いなしの令和的ラブコメを、今のうちにぜひチェックしてみてください!
レビュアー
Micha
ライター。フリーランスで働く一児の母。特にマンガに関する記事を多く執筆。Instagramでは見やすさにこだわった画像でマンガを紹介。普段マンガを読まない人にも「コレ気になる!」を届けていきます!
X(旧Twitter):@Micha_manga
Instagram:@manga_sommelier