この笑顔、守りたい……!
なにより、私にはすごく「今のマンガ」に思えて、そのモダンさが好きです。2025年の気分を優しくすくいあげてくれている気がしてならない。
みんなの前でクールに振る舞う“小裏さん”には、主人公の“和玖”にだけ見せる表情があります。
どうして小裏さんはクールなのでしょう。
街を歩けばどこもかしこも「みんな」だらけ。しかもみんなの片手には常にスマホが握られています。そんなみんなの期待に応えるために自分をむりやり作り込んでいく大変さは、私には今っぽく思えます。
そんな小裏さんと和玖は知り合ったばかり。和玖は、小裏さんについて知らないことの方が多いし、なんなら“お姉ちゃん”のことも知らないけれど、でもわかるんです。
あの子のために頑張りたいんだ
そんないたたまれない転校初日に出会った小裏さんは、「無」みたいな子でした。
やがてひょんなことから、和玖は小裏さんの意外な面を知るように。
和玖と小裏さんは、たくさんの自己紹介をしたわけでも、共通の趣味があったわけでもないけれど、通じるものがあったようです。和玖は小裏さんの友達一号となります。それはつまり、和玖の友達一号でもあって……。
そしたらクラスのみんなも好反応。そう、和玖の転校先は、絶望だらけの修羅学園とかじゃないんです。むしろ独特の優しさと慎重さがあります。
それはそれとして、和玖は、小裏さんが自分だけに向ける笑顔に射抜かれながら友達づきあいを重ねていきます。友達づきあいをするということは、噂やイメージなんか重要ではなく、心の奥にある秘密だって実は最重要ではなく、目の前にいるその人をただ大切にして、向き合って、一緒に笑うこと。小裏さんだって和玖の転校の理由を知りません。でもふたりは友達なんです。それがとてもいとしい。








