ねぇ、ラップってどうやるの?
だが令和は違う。スマホやPCがあれば過去から現在までの結構な量の音楽を聴けてしまうし、音だけじゃなくムービーや画像もわんさか手に入る。
だからこんな少女も当然現れるのだ。
さて、エモネムのラップを自室でドゥクドゥク聴き、彼のウィキペディアやゴシップ記事をありったけ検索したであろうミモザは何を志すか。
ここで残念なのは、ミモザはお金が大好きだがお金の側は別にミモザを好きでもなさそうで、ミモザはとてもビンボーであるという点だ。高校1年生のミモザは小学6年生の妹“テレサ”に借金をし、お母さんにおこづかいの前借りをせがみ(断られる)、しまいにはこんなことまでする。
そんなお金大好き人間のミモザがお金欲しさにラッパーを志す。彼女はある意味において、わりと的確にラッパーの姿をつかんでいる気がする。
ラッパーは、貧しさも社会構造もマイクひとつで乗り越えて世界に殴り込みをかけてギラギラ成り上がるイメージがあるからだ。あと金のゴツいネックレスをつけると「今日の私、なんかチェケラッチョみたいだな」と思ってしまう。エアジョーダンと金銀財宝を平気で着こなすミュージシャンなんて、ラッパーくらいじゃなかろうか。
やがてラッパー(億万長者)になりたいミモザにチャンスが到来する。
受けて立つぜこのビーフ!
すったもんだの4コマを繰り広げ、やっとラップグループに参加することになったミモザ。ちなみにメンバーはミモザを入れて4名で、ラップに関しては全員がニワカ! つまり完全なる未経験者! エモネムは聴いているし、「ビーフ」なんて俗語も知っているけれど、それとラップで歌えるかは別の話。ちなみに「ビーフ(beef)」はラッパー同士の抗争というかラップ合戦で、「ディス」は相手を歌詞でチョロッとけなすこと。
そんなニワカな彼女たちが放課後のファミレスでダラダラ考えるラップがかわいい。
さらに強力な助っ人も現れる。
さてミモザたちはどんなJKラッパーになっていくのだろう。私が一番クスッとなったのはここ。
ところでラップは陰キャも陽キャも等しく扱う音楽ジャンルだと思う。そしてラップの名曲の多くは歌詞が絶望的に暗い。ひょっとして名リリックは陰キャにしか書けないのかも。








