嫉妬が暴走するサスペンス
「ホクロの位置まで一緒だった…」
「確定」
「あれはリカちゃんだ…」
動画を公開している間男のアカウント名は「ももんがカップル♂」。
嫉妬に燃え、噛み締めた唇から血を垂らしながら、ソウスケは間男の正体を突き止めようと決意。怪しいと睨(にら)んだPTAの会合へ乗り込む!
人妻、不倫、学校にPTA。昭和の時代から変わらない舞台設定だが、昨今の妻に浮気される「サレ男」や「NTR(=ネトラレ)」といった言葉の登場とともに復古したようだ。「これはただの腹いせだ…!!」と自覚しつつも、間男の不倫を会社や家族にバラし、社会的に抹殺するため、ソウスケはさまざまな「間男あぶり出し作戦」を実行する。
●ソウスケ 第一の作戦
人気のドーナツを手土産に、PTAの会合に参加するソウスケ。そこで磯部、森、松尾、諸里、神井崎という怪しいパパ5人と出会う。彼らに疑いの目を向けつつも会合をやり過ごしたのち、「ももんがカップル♂」のアカウントには……、ドーナツの写真! そのドーナツは、ソウスケがトッピングを減らしてオーダーした特別なものだった。ソウスケは確信する「犯人はPTA参加者の中にいる……!!」
休みの土曜に出張だと嘘をついたソウスケ。あえてリカと間男にスキを与え、不倫現場を一気に押さえようという作戦だ。学校に潜入すると、怪しい人影が……。スマホで撮影しようとしたとき、思わぬ人物が現れる。娘の担任、秋葉メグミ! 「シホちゃんのお父さんも覗きにきたんですね」と、うっとりした目で語りかけてくるこの先生、あきらかにおかしい。そして怪しい人影の主は、残念ながらPTA副会長の磯部と別のママだった……。
メグミ先生を問い詰めると、この小学校は知る人ぞ知る密会スポットなのだという。日々の業務のストレスで覗き趣味が止まらなくなったメグミ先生は、ソウスケから事情を聞き、間男探しに目を輝かせて協力を申し出る。
ももんがカップル♂が使用しているカメラを特定し、そのレンズキャップの落とし物があったとPTAの会合で伝える。そうすればももんがカップル♂は「証拠を現場に残してしまった」と、きっと動揺するだろう。
作戦は実行されたが、誰も動揺しない。しかし、ソウスケはレンズキャップに反応するであろう人物を予想していた。それは妻のリカ。彼女がそっと目線を送った男は、ウェブデザイナーの松尾ジン。「お前が間男か!」と考えるソウスケに、松尾は意外な提案をする。
アンハッピーエンドは蜜の味?
ソウスケに言ってあげたい。
「そっちは蛇の道。そこに愛はないから、リカと向き合って話し合え」なんて声には耳を貸さず、行けるところまで闇に堕ちてくれ!