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金融と財政に精通したエコノミストが、データをもとに分析する日本の金融政策と財政の危機とは!

日本銀行 我が国に迫る危機
(著:河村 小百合)
2023.03.30
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黒田東彦・日銀総裁が2013年に始めた「異次元緩和」は今年で10年の節目を迎えます。前例のない金融緩和により、日本経済はデフレから脱却しつつありますが、その副作用は無視できないレベルに達しています。日銀が国債を「爆買い」し続けた結果、バランスシートは肥大化し、わずか1%の金利引き上げが2年続くだけで債務超過に陥る脆弱な財務になってしまいました。

著者の河村小百合氏は「日銀は今や、我が国の先行きを大きく揺るがしかねない“リスクの塊”、“火の車”状態となりつつあります」と警告します。

日銀が金利を制御できなくなると、円の信認が揺らぎ、もはや新規に国債を発行できなくなり、財政は破綻します。そうなれば終戦後に起きた預金封鎖や財産税の再来すら絵空事ではなくなります。金融と財政に精通したエコノミストが詳細なデータをもとに緻密に分析しているだけに、読んでいてジワジワと恐怖感が湧いてきます。

──現代新書編集チーム J・T

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『日本銀行 我が国に迫る危機』書影
著:河村 小百合

2013年日銀が「量的・質的金融緩和」(異次元緩和)を始めてからもうすぐ10年が経つ。世界経済の急激な局面の転換によって、わが国は、この“超低金利状態”を維持できるかどうかの瀬戸際、まさに崖っぷちに立っている。これまでの放漫財政路線を安易に継続し、異次元緩和を強引に押し通し続けようとすれば、遠からず、どういう事態に陥るのか。そして、それを回避するためには、私たちは何をなすべきなのか。世界の中央銀行の金融政策と財政に精通したエコノミストが警鐘を鳴らす。

レビュアー

担当編集者

現代新書編集チーム

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