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終末後の世界。軍の最後の命令「ラストオーダー」に従い戦争を続けていた兵士の運命は!?

ラストオーダー(1)
(漫画:松葉 サトル 原作:浜松 春日 キャラクター原案:カズナリ)
2021.02.21
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誰にも会わない、誰とも喋らない自粛生活に心が疲れると、こんなふうに思っていました。この世に1人取り残されたわけじゃないし、マンホールチルドレンよりずっと恵まれている、と。
ところが『ラストオーダー』に出てくる主人公はまさにこれ、戦争で誰も居なくなった地上で1人暮らすヒューマロイドと、ヒューマロイドのせいで地下に追いやられた少年の話です。

大昔、政府が推進する自律人間機械(ヒューマロイド)の産業導入に対し、失業率悪化を懸念した人間はデモを繰り返していました。その鎮静のため駆り出されたのは、民間仕様から軍事転用されたヒューマロイド・リア。
危うく暴徒に捕まるところを助けてくれたのが、人間の高校生ケンジでした。

リアには、大尉から命令(オーダー)が出されていました。「守りたいものを見つけてきなさい」と。

リアにとっては、このメイド喫茶で出会ったケンジを始めとする友達が、守りたいものだと確信します。

その後、大量破壊兵器によって壊滅状態になった人工島に他の3名の兵士と共に派遣されることになったリア。

しかし仲間は死に、軍の最後の命令・ラストオーダーから100年以上経った今も、たった1人で任務を遂行し続けるリア。

敵の半生物兵器は倒しても倒してもキリがなく、永遠に同じことが繰り返される日々。
私だったら全てを投げ出したくなるに違いありません。そして、長生きした自分をこんなふうに思うのではないかと思います。

一方、地下世界に追いやられた人間たちは、土砂に埋もれた地下街を掘り起こしてモウル村を作り、太陽とは無縁の生活を送っていました。
地上では“人間狩り”と呼ばれる機械たちがはびこっているだけでなく、“赤い目の殺人人形”がいて、地上に出て物資の調達をすることが許されているのは上陸衆(かみおかしゅう)と呼ばれる精鋭達だけ。

彼らに憧れる孤児院育ちのノーリィは、いつの日か上陸衆になることを夢見ていました。
一生、光のないこんなところに閉じ込められた貧しい暮らしより、たとえ危険があったとしても違う世界を見てみたいというノーリィの気持ちは痛いほどわかります。
しかし村には、子供だけで村外に出てはいけないという掟があるのです。

その掟を破り、食料を調達して来たノーリィ。もうすぐ7歳の誕生日を迎える妹ミクリのためでした。
ところがそれが原因で、ミクリが伝染病である“黒死病”になってしまいます。

妹を村外に置き去りにして村に残るか、妹と共に村を出ていくかと村長に問われるノーリィ。


死にゆく人間と共に、これからどうやって生きていくつもりなの?ノーリィ、と思わず言いたくなりますが、唯一の肉親であるミクリのいない世界で生き延びても、生きているとは言えないのかもしれません。

だからいくらヒューマロイドであっても、誰もいない世界で孤独に生き続けなければならないリアもやはり、生きている喜びはないだろうと思います。

“追放の刑”を受け入れたノーリィは、瀕死のミクリと共に村を出ていきます。
たまたま村に来ていた行商人の男を道連れに進む先には、もちろんたくさんの危険と試練が待ち受けていました。

極限の世界で、1人で生きていかなければならないノーリィ。
極限の世界で、1人で生き延びてきた"赤い目の殺人人形"リア。
地上と地下の別々にいた2人が、この先どう結びついていくのか、世界はどうなってしまうのか。新しい「オーダー」が届く日が来ることを願わずにはいられませんでした。

  • 電子あり
『ラストオーダー(1)』書影
漫画:松葉 サトル 原作:浜松 春日 キャラクター原案:カズナリ

終末後の世界。機械兵士・リアは、最後の命令――ラストオーダーに従い、終わることのない戦争を100年以上も続けていた。
護るべき人間も姿を消し、戦友たちを失った後も、リアはたったひとりで闘いの日々を過ごしていたのであった。
そんなリアの前に、再び人間が姿を現したのだが……!?

既刊・関連作品

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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