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食物繊維と発酵食品が決め手。何をどう食べる!?【病気を引き寄せない】②
腸内環境を整える「病気を引き寄せない」2大食品とは?
順天堂大学医学部の小林弘幸教授によると、病気が寄りつかず、いくつになっても元気な“病に嫌われる人”と、自ら病気を引き寄せてしまう“病に好かれる人”では、毎日の生活の中での行動に大きな違いがあるそう。
“どんなものを食べるか”もそのひとつで、“病に嫌われる人”が積極的にとっているものが「食物繊維が多い食品」と「発酵食品」だと小林教授は話します。このふたつの食品の効果的なとり方を、『病に好かれる人 病に嫌われる人 健康寿命は「習慣」でのばす』の著者である小林教授に伺いました。
食物繊維で腸内環境を整える
病に嫌われるために、毎日の食事で積極的にとっていただきたいのが、食物繊維です。食物繊維は、便の材料となり、腸を動かして排便をスムーズにしてくれるので、腸内環境を整え、病気に嫌われるために欠かせない成分です。
食物繊維には、水に溶けにくい不溶性食物繊維と、水に溶けやすい水溶性食物繊維の2種類があります。不溶性食物繊維は、お腹の中で水分を吸って大きく膨らみ、便のかさを増やして腸の蠕動運動を促す働きがあります。ごぼうやさつまいも、豆類、玄米などに多く含まれています。
一方、水溶性食物繊維は、水を含むとゲル状になり、便の水分を増やして軟らかくし、排出しやすい状態にする働きがあります。善玉菌のエサになって、腸内環境を整える働きもあります。これは、オクラや納豆、里いも、なめこなどのネバネバ食品や、押し麦、そば、にんじんなどに多く含まれます。
この2種類の食物繊維をバランスよくとるといいのですが、便秘をしている人が不溶性食物繊維を大量にとるとガスがたまっておなかが張り、苦しくなる場合があります。ですから、便秘の人はまずは、水溶性の食物繊維をとるようにするほうが、便が軟らかくなってスルッと出るようになるのでおすすめです。普段の食事で意識的に取り入れてください。
善玉菌優勢の腸内環境をつくる発酵食品
もうひとつ積極的にとりたい、病が嫌う食べ物が、発酵食品です。発酵食品には乳酸菌が多く含まれています。
ご存じのように、腸内には、200種類以上、500兆個以上もの腸内細菌が棲み着いており、これを「腸内フローラ」と言います。腸内細菌は、善玉菌と悪玉菌と、強いほうに加勢する日和見(ひよりみ) 菌に分けられ、健康のためには、このうちの善玉菌を優勢にすることが大切です。そのためにとりたいのが乳酸菌です。乳酸菌は、悪玉菌の繁殖を抑え、腸内フローラを整えてくれます。
乳酸菌を多く含む発酵食品には、ヨーグルトのほか、チーズ、納豆、キムチ、味噌 、漬物などがあります。乳酸菌は、生命力があまり強くなく、便となって体外に出てしまうので、毎日続けてこまめにとることがポイントです。
長寿の方々は、こういった発酵食品を自然と毎日の生活に取り入れています。善玉菌のエサとなるオリゴ糖などを一緒に取り入れるのもおすすめです。オリゴ糖は、はちみつや、きな粉、玉ねぎ、豆類、いんげん、ごぼうなどに多く含まれています。
私がよくおすすめしている“大根おろしヨーグルト”は、食物繊維も乳酸菌も、オリゴ糖もまとめてとることができます。作り方は、ヨーグルト200gに、大根おろしとはちみつをそれぞれ大さじ2ずつ加えるだけ。
大根おろしには水溶性食物繊維が、ヨーグルトには乳酸菌が、はちみつにはオリゴ糖が含まれ、高い整腸作用が期待できるのです。もちろん、混ぜずにそれぞれ別にとってもいいですし、好みでほかの食品を組み合わせてもOKです。腸にいい成分を意識してとることは、病に嫌われるうえで欠かせません。
病気になるのは遺伝など先天的なものが原因の場合もありますが、それは全体の25%程度に過ぎず、残りの75%は生活環境が要因という研究結果があります。つまり、病気になるかどうかは、普段何気なく繰り返している日々の生活習慣によるところが大きいのです。
本書ではお酒を飲むとき、睡眠や入浴などの生活習慣や思考パターンの中から「病気を引き寄せない習慣」を紹介しています。みなさんの暮らしの中にも取り入れてみてはいかがでしょう。
順天堂大学医学部教授。日本体育協会公認スポーツドクター。自律神経研究の第一人者として、プロスポーツ選手、アーティスト、文化人のコンディショニング、パフォーマンス向上指導に携わる。また日本で初めて便秘外来を開設した「腸のスペシャリスト」でもあり、現在、便秘外来の初診は9年待ち。著書に『なぜ、「これ」は健康にいいのか?』(サンマーク出版)、『死ぬまで歩くにはスクワットだけすればいい』(幻冬舎)、『聞くだけで自律神経が整うCDブック』(アスコム)など、多数の大ベストセラー書籍を上梓。
『病に好かれる人 病に嫌われる人 健康寿命は「習慣」でのばす』のほか、料理、美容・健康、ファッション情報など講談社くらしの本からの記事はこちらからも読むことができます。
- 電子あり
病気になる要因は「遺伝が25% 生活環境75%」。
「病気になる人」と「病になりにくい人」には、人生の様々な場面において決定的な行動の違いがいくつかあります。
医師である著者は「あの日、あの時、ああしておけば!」と、最期に後悔してきた患者をこれまで数多くみてきました。健康寿命の長い人たちがとっている行動とは?
一生単位、1年単位、1日単位でのさまざまな健康行動について語ります。自分のかけがえのない健康を「運」任せにしてはいけません。
大切なのは「行動」です。その行動があなたの「健康寿命」を伸ばすのです。
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