今日のおすすめ
マニア垂涎!ロマネ・コンティの生産者DRC銘柄のワイン、40年前なら買えた!?
■マニア垂涎のDRCの価格で見えてくる!? 40年前の国内ワイン市場
前回は、世界最高峰ワイン「ロマネ・コンティ」の価格を追跡しました。(40年間の価格を追跡! 世界最高級ワイン、ロマネ・コンティは、いつから高くなったのか?)
ロマネ・コンティの生産者DRC(ドメーヌ・ド・ラ・ロマネ・コンティ)は、かの名酒のほかにもいくつかのワインを造っています。ロマネ・コンティは無理でも、他のDRC銘柄なら……と、やはりマニア垂涎、最新ヴィンテージでもン十万円は当たり前。果たして、40年前の価格は?
DRCも驚きの価格! こんな値段で買えたなんて
「ラ・ターシュ」はロマネ・コンティに隣り合った畑で、DRCの単独所有。いまやネットショップでは最新ヴィンテージでもン十万円。40年前の創刊号では、71年ヴィンテージがなんと1万5000円でした。
「リシュブール」もロマネ・コンティに隣り合った畑で、DRCは最大にしてほぼ半分に相当する3.51haを所有。これも「ラ・ターシュ」同様、いまやネットショップでは最新ヴィンテージでもン十万円。40年前の創刊号では、71年ヴィンテージがこれも1万5000円。「リッシェブール」という酒名表記もご愛嬌ですね。
バブル景気に後押しされて、ブルゴーニュ人気が高まる
これは「1989年版」掲載のもの。DRCのリシュブールは創刊号の倍の3万円に。1988年12月の刊行で、日本経済はバブルの最盛期。日経平均株価は、4万円を目指して急上昇のカーブを描いていました。
右から2本目にメオ・カミュゼのリシュブールが見えますが、メオのリシュブールはこのときが『世界の名酒事典』初出です。これは84年ヴィンテージで、「ブルゴーニュの神様」アンリ・ジャイエが小作人として折半耕作していた最終期のもの。
バブル景気に後押しされて『世界の名酒事典』のブルゴーニュのページは、これからさらに充実していくことになります。
「エシェゾー」も判を押したように1万5000円。「ロマネ・サン・ヴィヴァン」は73年ヴィンテージで、ブロードベントの評価は、71年は5つ星で、73年は1つ星。今ならウ~ンと価格差ができるはずなのに、これも1万5000円と、すべて1万5000円。
創刊号では他のDRC同様、横並びで1万5000円だった「ロマネ・サン・ヴィヴァン」。その後次第に値を上げていきますが、「86-87年版」で8つのヴィンテージが登場します。
そのうち一番安いのが80年の1万円で、高いのが78年の3万円。ちなみに、この号に掲載された「ヴィンテージチャート」では、1万円の80年は3点で、3万円の78年は満点の5点でした。
ロマネ・サン・ヴィヴァンという酒名の下に、MAREY-MONGEの文字が見えるように、この当時のこの畑はマレイ・モンジュ家の所有。80年代後半にDRCの手に移り、現在にいたります。
今ではなかなか買えないDRCですが、創刊号ではどれも判を押したように1万5000円。それが妥当な評価だったのか、はたまた当時は市場が未成熟故に、なんとなくそんな価格に落ち着いたのか……興味深いところです。
ウイスキーからワインまでを網羅した国内唯一の酒の事典。圧倒的な情報量と、クオリティの高い撮り下ろしボトル写真、国内随一の名酒カタログとして、プロフェッショナルから愛酒家まで、多くの読者に愛されてきました。2019年度版は創刊40周年記念号。
最強の酒のプロが厳選した2500本のカタログに、山本博、土屋守、葉山考太郎による「酒仙鼎談」や、創刊号再録で振り返る40年前の酒事情、日本酒&焼酎の最新事情など、記念特集も充実。
•『世界の名酒事典』Facebookページ
https://www.facebook.com/meishujiten/
関連記事
-
2018.11.15 特集
【11/15解禁】ボージョレ・ヌーボー、50年の歴史を知る『世界の名酒事典』
『世界の名酒事典 2019年版』著者 編:講談社
-
2018.11.16 特集
ロマネ・コンティはなぜ高い?『世界の名酒事典』で40年前の価格を追跡
『世界の名酒事典 2019年版』著者 編:講談社
-
2018.06.15 レビュー
美食家で呑めない「ゲコガール」アラサーで覚醒。最高の美酒を探す旅!
『ゲコガール』著:魚田 南
-
2018.09.23 レビュー
伝説の飲み屋26店に、泣ける簡単つまみ教えてもらいました!【ダンツマ手帖】
『ダンツマ手帖 伝説の飲み屋のつまみが簡単に作れる!』編:日刊ゲンダイ
-
2018.10.14 レビュー
作り置きよりもカンタンでおいしい!伝説の家政婦、志麻さんの自宅レシピ公開
『志麻さんの自宅レシピ 「作り置き」よりもカンタンでおいしい!』著:タサン 志麻
人気記事
-
2024.09.05 レビュー
【緊急出版】石破茂、もうこの男しかいない。今こそ保守リベラルの原点に立ち返れ。
『保守政治家 わが政策、わが天命』著:石破 茂 編:倉重 篤郎
-
2024.08.21 レビュー
【自民党と裏金】安倍派幹部はなぜ逃げ延びたのか。その答えがここにある
『自民党と裏金 捜査秘話』著:村山 治
-
2024.08.23 レビュー
橋下徹の画期的提言! 自民党がどうであろうと野党が腹を括って決断すれば「政権変容」できる
『政権変容論』著:橋下 徹
-
2024.09.23 レビュー
【介護保険】申請しないと始まらない! しくみと使い方がわかる入門書
『最新 図解 介護保険のしくみと使い方がわかる本』監修:牛越 博文
-
2024.09.19 レビュー
大マジメなのに何かがズレている……! 本気なのに「ざんねん」な乗り物たち
『ざんねんなのりもの事典』編:講談社ビーシー