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「趣味はダイエット、特技はリバウンド」という方へ! モチベーションアップのコツ

2024.07.01
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もう繰り返さないダイエット

ダイエット、得意ですか? 私は「その気になれば3キロくらいならすぐ痩せられる」、つまり自分はダイエットが得意なのだと思っていました。食事を制限し、甘いものもお酒も我慢、毎日運動していれば比較的短期間で痩せられるけれど、気がつけばいつも元通り。そもそも、痩せた状態をキープできず、何度も「3キロ痩せる」必要があるほうがおかしいのでは……?

そんな疑問に答えてくれたのは、ダイエット・モチベーション・クラブによる本『にゃんこダイエット モチベーションブック 一念発起×初志貫徹 痩せにゃいわけない辞典』です。

 当たり前のことですが、毎日の生活は連続しているのです。それが今のあなたの身体を作っています。突然、別人にはなれないように、急にすべてを変えてうまくいくはずがありません。

ですよね……。

「アレは食べちゃダメ」「毎日運動しなきゃダメ」と、厳しい制限を自分に課せば、痩せることは可能です。しかし我慢ばかりの生活のストレスは相当なもの。そんな生活を続けること自体に無理があったのです。

3キロ痩せては元通りを「繰り返すダイエット」を卒業するには、食事によって身体に入るエネルギーと、活動によって出るエネルギーをバランスよく維持していくしかないようです。

 この本は、見失いがちなダイエットのモチベーションを明確にし、正しい知識によって「ダイエットの失敗」「挫折」を防いでくれます。

 

思わず笑顔になってしまうかわいいネコの写真に、ダイエットのキーワードとなる4字熟語やことわざ、その説明と健康的に痩せるコツを組み合わせています。日々眺めることでダイエットを成功させる「ダイエットモチベーションブック」なのです。

 心もケアする

 

ネコの写真はかわいいけれど、ダイエットに関係あるのでしょうか?

実は、ダイエットを成功させたり、理想の身体をキープするのに必要なのが心のケア、つまりストレスを溜めないことなのです。

我慢ばかりのダイエットでストレスがたまると、自律神経のバランスが乱れてしまいます。すると、痩せにくい体になったり、なにかにつけて食欲が爆発したりと、ダイエットの成功は遠のくばかり。

そこで心を癒してくれるのが、本書に登場するかわいいネコたちなのです。

集中力をアップし、ポジティブな気持ちになれることから「幸せホルモン」と呼ばれる”オキシトシン”。オキシトシンは、好きなものに触れたり、何かを「かわいい」と感じることでも分泌されます。ネコの写真の愛らしさが、ダイエット中のイライラや焦りを和らげます。

 ダイエットのモチベーションアップとして、好きな芸能人や、理想の体型のモデルの写真を目につくところにおいたことがあります。「こんな姿になれたら」と思うものの、「まず顔が違う」「手足の長さが違う」と、自分の嫌な部分に目が向いてしまう一面もありました。その状態でダイエットの知識を目にしても、なんとなくネガティブな気持ちになったものです。

目標とスタート地点を確認するという意味では良かったのですが、それは「今の自分はダメ」と自分を否定することにも繋がりました。

 しかし、これがネコとなると話が変わってきます。

自分と比べる必要がないので、心から癒やされます。「かわいいなあ」と思うだけで、本当に心がほっこりするものです。モチベーションアップに必要なのは、自分を追い詰めることではなく、ストレス解消なのだと感じました。

「痩せない」ことにも理由があった

本書は心を癒してくれるだけでなく、ダイエットで挫折してしまう理由も教えてくれます。

たとえば、なかなかダイエットが成功しないとき、「どうせ痩せないし、少しくらいお菓子を食べても変わらない」と考えてしまうことがあります。

  

その現象には名前があり、目の前のものを(ピーナッツのように)小さな効果として軽く見てしまうことから「ピーナッツエフェクト」と呼ぶそう。

健康習慣は「チリも積もれば山となる」ものですが、その効果が実感できないとき、また、結果が出るまでに時間がかかるときにやる気を保つのは難しい。結果、「これくらいならいいや」と開き直る心理が働き、生活習慣も身体も変わらないということに。

自分の抱く心理に名前があると知ると、小さな誘惑に負けそうになるたびに「これがピーナッツエフェクト……」と、自分の行動を認識でき、誘惑に歯止めがかかるようになります。自分の心の動きを知ることが、ダイエット成功のカギになるのです。

他にも、「糖質オフダイエットの是非」「効果的な筋トレとは?」といったダイエットの疑問を解説したり、盲点となりがちな「エンプティカロリー」の話など、ダイエット情報が満載です。なぜダイエットの結果が出ないのか? その答えを見つけることができるかも知れません。

この本を眺めていると、ダイエットは日々の生活そのものなんだ……と理解できます。無理なく目標を達成して、ずっとキープするためのコツを教えてくれる一冊です。

 

『にゃんこダイエット モチベーション ブック 一念発起×初志貫徹 痩せにゃいわけない辞典』書影
編:ダイエット・モチベーション・クラブ

一念発起 「明日から」そう言うデブに明日はない 
ポイント 目標設定とその理由を明確化する
 
明鏡止水 今の自分を認めるから痩せるんだ
ポイント 自己否定はかえってマイナス

一暴十寒 ドカ食いはドカ悔い
ポイント 満腹中枢を早めに作動させる

日進月歩 急激な減食は逆効果
ポイント 代謝が下がってかえって痩せにくくなる


ダイエットは、つまるところ、食事(入る)と活動(出る)のバランスを取って持続すること。
日々の生活でいかに効果的な工夫をし、小さな挫折を防ぐか、モチベーションを明確にし、維持することがポイントになる。

また、「してはいけない」という我慢のダイエットによるストレスは自律神経のバランスを乱し、満腹中枢を狂わせるので、ストレス対処も大切。
4字熟語を見て気分を新たにし、かわいらしい猫の写真を見て、心を癒すことでストレスを軽減、オキシトシンというホルモンを出すことでメンタルを安定させ、食に走ることを防ぐ効果があると言われています。

動物の写真と、4字熟語or諺とダイエットのキーワードとその説明を組み合わせて、日々眺めるとダイエットがうまくいくダイエットモチベーションブック。どこを開いても、モチベーションがアップ、日々の生活を楽しく、豊かに過ごしつつ、痩せるためのパートナーです。

掲載されているダイエット情報・用語(順不同)

基礎代謝、認知的不協和、視覚化、自律神経の乱れ、有酸素運動、脂肪燃焼
スクワット、長寿遺伝子、8時間ダイエット
NEAT(非運動性活動熱産生)、ピーナッツエフェクト、オールアウト、筋肉量の減少
血糖値スパイク、座るリスク、満腹中枢、メラトニン
バンドワゴン効果、チート、糖質オフダイエット、ウォーキング
健康食品のエビデンス、確証バイアス、隠れ肥満、部分痩せのわな
スロージョギング、リバウンド、機能性表示食品、健康情報リテラシー
サイギャップ、白湯、腸脳相関、ミルキングアクションン
エイジズム、マインドフルネス、ピラティス、エキセントリックトレーニング
リーキーガット、エンプティカロリー

レビュアー

中野亜希

ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
X(旧twitter):@752019 

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