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【編集部に鬼が出た?】メインキャラの名が変えられた怪現象

単行本1巻が絶賛発売中の『ARAMITAMA』。その単行本の作業中に起きた怪現象を、編集担当のY田が語ります。いったい、Y田の身に何が起きたのか……。まさか……これも鬼の仕業!?

2016.04.27
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どうも、担当のY田です。今回は『ARAMITAMA』の単行本1巻作業中に起きた、世にも珍しい現象をご紹介します。

漫画編集をして十数年経つのですが、もし誰も気づかず作業が進んでいたらと想像すると……。本当に怖い経験でした……。

あれは……2016年の2月末日、『ARAMITAMA』の単行本作業と、「少年マガジンエッジ」4月号に掲載される『ARAMITAMA』第7話のゲラをチェックしていた夜のことでした……。セリフに誤字脱字はないか、絵に汚れがついていたりしないか、そういうミスをチェックする大事な作業です。担当は赤ペンを片手に真剣に読み込んでいきます。ふと気になるコマが……。見て背筋が冷たくなります。なぜなら、そこにはお墓の絵が描かれているのですから……。ユーリ・グランパとその兄が祖母の墓参りをする過去回想の大事な場面です。7話はまだ単行本に収録されていない回なのでネタバレは避けますが……、編集者の本能として何かがひっかかります。この場面はおかしい……。

もちろんセリフの文字は正しく載っています。ここではない、では……背景の中に? コマにはユーリの祖母が眠る墓碑が描かれています。そして彫られている「grand bas keno haka」の文字。

訳すと「グランバ家の墓」です。

ん? ユーリの名前はユーリ・グランパ……。

「パ」と「バ」!

やばい! これは間違いかもしれない! すぐにゴツボ×リュウジ先生の携帯に電話をかけ確認せねば!

ワンコール……出ない、ツーコール……出ない、スリーコール……出ない。コール音の数だけ焦りが倍増します。4コール目だったでしょうか、ゴツボ×リュウジ先生が電話に出ました。最初の挨拶もそこそこに、書き文字が間違っている可能性があるとお伝えします。リュウジ先生は遠方にお住まいで、原稿はアナログ、修正するには時間がない……。しかし、大事なキャラクターの名前を間違うわけにはいきません。しばし無言の通話時間が過ぎました。

「実は……。」
リュウジ先生が衝撃の事実を語り始めました……。

「ユーリの名前、あと調べたら間違えてたんで、グランバが正しいんです……。」

「えーーーーーー!?」

というわけで、『ARAMITAMA』の単行本1巻では、何もなかったかのように名前が「ユーリ・グランバ」と正しく表記されております! 雑誌連載も7話目からしれっと変更しております。いやーー、こんなこと、あるんですね! こんな怪現象を乗り越えた『ARAMITAMA』1巻、絶賛発売中ですよっ!

『ARAMITAMA(1)』書影
著:ゴツボ×リュウジ

長きに渡り争い続けてきた人と鬼の間に休戦協定が結ばれ千年、世界は歪み続けていた──。人間界に潜む鬼を鬼界へ返す任務に就く、守護異形管理局のダル気なおっさんタカヤマとJK1年生のユーリ。目的のためには手段を選ばず、ともして手段のために目的を忘れる二人が出会ったのは謎の鬼の姫ヨミ。この3人が出会い、活躍したり、無茶したり、ひたすら食べたりする陰陽アクション、ここに開幕!

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