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ティラノサウルスの前あしがかわいい!? 恐竜模型造成作家による本物のような恐竜100点!
(監修:小林 快次 模型製作:荒木 一成 文・構成:グループ・コロンブス)
恐竜の写真がほしい
先日SNSで「子どもに恐竜の絵じゃなくて写真の図鑑がほしいとせがまれ、あいわかったと返事をしたものの恐竜の写真とは……」といった旨のつぶやきを見かけた。そりゃ、ほしいよなあと思う。絵も楽しいんですけどね、シロクマやカブトムシには写真があって、恐竜たちは撮ってもらってないの、たしかに不思議だろうな。
そんなことを思い出しながら『新恐竜100』を手に取った。こちらは恐竜の精巧な模型と風景写真を組み合わせた図鑑だ。2014年に出た『恐竜100』の改訂版である。その名の通り恐竜の姿が100点ずらっと並ぶ。軽くて頑丈で、小さな子どもでも持ちやすい。安心してプレゼントできる。
今回の改訂にあたって、写真のリニューアルに加え、新入りの恐竜も収録された。たとえば「カムイサウルス」は北海道のむかわ町で発見され、2019年に正式に新種として発表された恐竜。わずか3年前にデビューした新人さんだ。
恐竜の化石は大昔からそこにあるのだから、現代ではすでに調べ尽くされているんじゃないかという気がしていたけれど、そんなことはない。今も研究が続いている。ちなみにこのカムイサウルスの発見については、むかわ町の公式サイトでも詳しく紹介されている。恐竜って大切なスターなんですよね。
恐竜、何体くらい知ってます?
この図鑑の1ページ目はみんな大好きティラノサウルスだ。やっぱりこの恐竜がいないと始まらない。
皮膚にあたった光の感じがとてもいい。模型ならではの魅力だ。この写真のように下から見上げると、べらぼうに大きな頭と前足のチョロッとささやかな対比がよくわかる。おもしろいなあ、頭と後ろ足と尻尾でだいたいの用事は済んでいたのだろうか。
ということで、ふと気になってこの図鑑に収められている他の肉食の恐竜の前足に注目してみると、やはりチョロッと申し訳程度であることが多い。エントリーナンバー13の「カルノタウルス」に至っては「ほとんど役に立たなかったと考えられています」という解説つきだ。姿はこちら。
うん、小さい。目の上のツノがかっこいいね。下に続く「マジュンガサウルス」もチマッとした前足の持ち主で、頭突きが得意だったようだ。ただ、これで「肉食の恐竜はみんな前足が小さい」なんて乱暴なことを考えてはいけないことも、この図鑑は教えてくれる。
福井県勝山市の恐竜「フクイラプトル」の立派な前足を見よ! 便利そう。こんな爪がはえた前足でビュンっと引っかかれたらたまらないな。それぞれの恐竜が生きていた時代で見比べるのも楽しい。
……と、ふむふむ眺めながら、大事なことがわかった。いや、実はうすうす気づいていたことではあるが、私は恐竜を100体も知らないのだ。顔と名前が一致している恐竜はおそらく両手で数える程度。だから子どもにプレゼントで「どうぞ!」って渡しておしまいなんてもったいない。一緒に読んでびっくりしたい。恐竜の多彩さがよくわかる。
この恐竜なんて最高だ。
予備の歯が500本以上も控えていたそうだ。念入りすぎる。口の中はどんな感じだったんだろう。赤ちゃんの時からそうなの? そもそも80本も小さな歯が並んでいるなんて! イーッてして見せてほしいよ。化石が展示されることがあればぜひ見に行きたい。こうやって一つ気になるとどんどん「なんで?」「おもしろいね」「会いたいね」が膨らむのが恐竜のいいところだ。ずらっと100体並ぶ恐竜たちを眺めて楽しんでほしい。
恐竜模型造成作家・荒木一成による、まるで本物のような恐竜模型を写真で紹介。時代背景、大きさなどの特徴がわかる、わかりやすくて詳しい説明つき。シンプルな構成で、迫力たっぷりに恐竜たちの姿がよみがえります。
2014年に刊行した『どうぶつアルバム 恐竜100』の新訂版。11体の恐竜が新たに加わり、71点の恐竜模型写真が新しくなって『どうぶつアルバム 新恐竜100』として登場します。
レビュアー
元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。
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