「防大 制服」でググると1時間溶ける
もしもあなたが防衛大学校の制服をまだ知らないならば『花と紺青 防大男子に恋しました。』を読んだあと、必ず検索してほしい。私は検索した。そしてのけぞった。本作のかっこよさが現実に展開されていたからだ。PCのモニタの前で素晴らしい1時間を過ごした。プラス「私って制服めっちゃ好きなんだ?」と、今まであまり注目してこなかった自分の一部を再発見した。ありがとう『花と紺青』。
詰め襟、金のバッヂ、丈の短い上着
ヒロインの“葉月”は16歳。お花屋さんでのアルバイト中、紺青の制服をまとった若者と出会う。
ビシッ! かっこいい。
詰め襟、2つ並んだバッヂ。そしてそして、丈の短い上着! なんだろう、今まで男性の制服の丈のことなんて気にしたこともなかったのに、短い上着めちゃくちゃかっこいいな!? ああ、誰かと「尊いねえ」と語り合いたい。この制服の人が目の前にいらっしゃったら、私はジロジロ見るのを我慢する自信がない。
それは葉月も同じで、彼の制服姿をじっと見つめて「お巡りさん……ではなさそう」と思う。そう、彼こそが……!
防衛大学校の1年生、“高宮凌(たかみやりょう)”。このお花屋さんの店長の弟だ。だから初登場で「ね……」と言いかけていたんだね。ここから葉月と凌のなんてことのない会話が始まるのだけど、そのなんてことのなさがリアル。初々しい2人の出会いをニヤニヤ堪能してほしい。
(防大の制服を着て)また来て!!!!
雨の日の防大生
そう、防大の美しい制服がずーっと拝める本作において葉月がどんな女の子であるかというと、制服がめちゃくちゃ好きな女子高生だ。葉月の興奮は私の興奮。ちなみに葉月のセーラー服もセーラームーンのようで可愛い。
ということで葉月と凌の恋は防大の制服とともに描かれる。
春に出会った紺青の彼は、盛夏に真っ白な制服で現れる。日差しがまぶしいのか制服がまぶしいのかもうよくわかんないよ。降参。最高だね。
そして私が本作で一番グッと来たのはこちら。
クラクラする。雨空を見上げる楽しみがひとつ増えた。きっとどこかにこの雨衣をまとった防大生がいる……! もっと雨よ降れ!
制服だけじゃない防大生のかっこよさ
と、さっきからずっと制服に大興奮しているが、「制服かっこいい!」にとどまらないのが本作。防大の豆知識もとても面白い。
先ほどの雨衣だってかっこいいからじゃない。たしかにパレードや被災地での救援活動や訓練の映像を思い出しても、傘を見たことはない。凌は学生でありつつ自衛隊員でもあるのだ。
おまけコーナーも充実している。防衛大学校のことは昔から名前だけは知っていたけれど、横須賀にあるのか。いつか見学に伺いたい。
背筋が伸びるなあ。
葉月は防大の制服もそりゃもちろん大好きだけど、真面目で優しい凌だから恋をしている。
厳しい訓練と勉強。そしてこの規律正しさがあるから、2人の淡い関係に「いいわ」とつぶやいてしまう。そして、本作を読んだあと防大の制服を拝むと、ますます「マジでいいわ」と思うので、ぜひ調べてほしい。
レビュアー
元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。