彼の秘密を聞きだせるのは私だけ!? 聞き屋が舞台の『青葉くんに聞きたいこと』、1巻発売!
累計200万部の大ヒット『わたしに××しなさい!』で知られる遠山えま先生の最新作『青葉くんに聞きたいこと』1巻が5月13日(金)に発売される。本作は、「聞き屋」のアルバイトを始めた口下手の女子高生と、そこに客としてやってきた「ある秘密」を持つ男子高校生のラブストーリーだ。今回は1巻発売記念インタビュー企画の第1弾をお届け! 第2弾は5月20日公開予定です。(取材・文/なかよし編集部)
5月23日生まれ。ふたご座。B型。デビュー作は『天使のタマゴ』(第36回なかよし新人まんが賞特選受賞、「なかよし」2003年9月号掲載)、代表作に『ココにいるよ!』『わたしに××しなさい!』(第36回講談社漫画賞児童部門受賞)『かみかみかえし』『四月一日さんには僕がたりない』など。
今回のテーマは依頼人の悩みを聞く仕事「聞き屋」
──今回のテーマは「聞き屋」ですが、なぜこの職業を選ばれたのですか?
遠山:テレビを見ていた時に「聞き屋」という職業があるって知って。人の悩みを聞ける仕事っておもしろいな、と思ったんです。その時来ていた相談者の方が悩みを話せたことで元気になっていて。「聞く」ことってすごいことなのかも……と。
──でも、聞きだすってむずかしそうですよね。今回主人公の麻陽(まよ)は、口下手で人と話すのが苦手なコミュ障女子。大丈夫なんですか!?
遠山:今のところあまり大丈夫じゃないですよね(笑)。聞き屋は依頼人の話を「聞く」だけ。それって逆になかなか難しいですよね。口を出してしまいたくなるというか。麻陽もそれで失敗しています。でも、あえて「聞き屋」として最初から天才的な子じゃなくて、普通の子にしたかったんです。人間関係が得意じゃない子が頑張って成長するのを描きたかったというか……。
主人公の麻陽。口下手で人と話すのが苦手なコミュ障女子。
──聞き上手ってどんな人なんですかね?
遠山:私もまだ手探り状態なんですけど……。多分、相手の立場に立って共感して話を聞けることは、その一つなんじゃないかな、と思っています。あと、それこそ相手の話に口をはさまずに聞けるってことですかね? うちの母に昔、「父のどこが好きなの?」と聞いたら、「話を聞いてくれるところ」と言っていました(笑)。
学校一のモテ男子の秘密を自分だけが知ってしまったら……
──それはそうと、今回のヒーロー・青葉くん。もう……最高にカッコいいですよね!! 登場シーンからイケメンぶりを発揮してます。バスケ部のエース、クールで女子にモテモテ……これでもか!というリア充男子!! いいな〜、生きてて悩みなさそうですね。
遠山:いえ、それがあるんです(笑)、 ないと話が終わってしまうので……。 麻陽のやっている聞き屋に青葉くんがくるところからお話が始まります。
はじめて聞き屋を訪れた青葉くん
──ええ! こんなモテ男子でも悩みがあるんですか!? いったい、何が……。
遠山:それは、読んでのお楽しみということで。青葉くんの大きな秘密を聞き出していくために、麻陽が奮闘していきます。1話からすごい嫌がられてますけど……(笑)。
──イケメンに冷たくされるのは嫌いじゃないです! でも、彼は結構な難攻不落男子ですね。全然聞きだせる気がしないです。
遠山:私自身も青葉くんがなかなか心を開いてくれなくて困っています(笑)。秘密があるからセリフにも気を使いますし……。でもだからこそ、少しずつ心を開いてくれる瞬間に何かが生まれるじゃないかと……、生まれるといいな〜……と思ってます。麻陽が頑張ってくれるはずです。
スキンシップなしでドキドキさせるラブシーンにこだわってます
──学校NO.1のモテ男子の悩みを自分だけが知っている……って、オイシイ展開! でも、秘密を聞きだせたら、麻陽は報われるんですよね? これだけ頑張っているので、青葉くんに麻陽を好きになってもらいたい!
遠山:そう簡単にはいかないかもしれません(笑)。 そっちでも青葉くんは難攻不落なので……。でもリアルな片思いってそうなんじゃないかなって。自分で動かなきゃ、名前も覚えてもらえないですよね……。この作品ではなるべくリアルに近い恋愛を描きたいと思っています。
──青葉くんはなんだかんだ優しいんですよね。こんな人がいたら絶対好きになっちゃいます。
遠山:今回のラブシーンは、スキンシップをしないでドキドキさせることにこだわっています。前作の『×しな!』とは違う描き方をしたくて。精神的にドキドキさせたいというか……。画面からもさわやか、青春な感じが伝わるといいなと思って描いてます。
「精神的にドキドキさせたい」こだわりのラブシーン
言えないことがあっても、誰か言える人を見つけられると人生が楽になる
──今回は青葉くんのほかにもイケメンが目白押しですね! 誰がお気に入りですか?
遠山:青葉くんの顔が難しくて気を抜けないので、ちゃんと描けると、良かった!……って達成感がわきます(笑)。描きやすいのは、尚と剛です。子供っぽくて何を考えてるのかわかりやすいので(笑)。
イケメンだらけのバスケ部メンバー!(左から、尚、剛、大貴、青葉くん、涼介)
──この作品を通して伝えたいことは何ですか?
遠山:青葉くんを通しては、言えないことがあっても、話を聞いてくれる人を見つけられると人生が楽になるよ〜ということです。あと麻陽を通しては、振り向いてもらうために頑張るのに無駄なことはないと、伝えられたらいいなと思います。
──1巻ではたくさん伏線がはりめぐらされているんですが……。このふたりがどうなっていくのか、全然想像つかないです。2巻以降の展開がすごく気になります!
遠山:ありがとうございます!
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