本作の主人公・桜坂天人(さくらざかあまひと)は、妹とふたり暮らしの18歳。両親はすでになく、なんとか生き抜かねばならないなかで、50社連続で就活に失敗する危機的状況です。そんな彼が住む日本は、30年前、突如出現した【ダンジョン】の存在によって一変しました。
一般人である天人は、本来なら負け組一直線。しかし、とある変化から人生一発大逆転ルートの扉が開く、というのが本作のオープニングです。
前世は大魔導師! 秘密を抱えて生きる“お兄ちゃん”
そう、天人の生きる目的は、妹の幸せのため。自分が裕福になる、あるいはヒーローとして脚光を浴びようなどとは、まったく考えていないのです。
妹にも世間にも隠し事を抱えて、それでも妹の幸せのために生きる。兄は強いのです。
「ビジネス」としてもしっかり描かれるモンスター討伐
ダンジョンおよびそれに付随するモンスターが、脅威であると同時に経済を回す存在にもなっている。お金が生まれるということは、そこに企業(カンパニー)が集まり、企業は討伐者を雇用。雇用契約を結んだ討伐者は、モンスターを討伐することで給与と報酬を得る。
この仕組みが成り立っているからこそ、天人は前世の記憶を活かして、名より実、つまりは正義の味方ではなくプロの討伐者としてお金を稼ぐ道を選ぶことができるわけです。
カンパニーにも大手から零細まで様々あり、討伐経験もなく、本来15歳までに発現するはずの【イデア】を18歳になってから獲得した(という嘘のプロフで魔法をごまかす)天人を大手カンパニーは敬遠。そんななか、口コミ評価は★1つ、危険な香りプンプンな「詩条カンパニー」へ足を運んだ天人は、【イデア】測定テストを受け、合格を勝ち取って無事に討伐者として契約することになります。
ここから即モンスター討伐するのではなく、お金まわりの話を丁寧に説明されるあたりが、本作におけるダンジョンビジネスの重要度を物語っています。働く前に雇用契約を結ぶ者同士、お金の話をするのはとても大事なことです!
妹、謎の先輩、好敵手? ……主人公をとりまく魅力的なキャラクターたち
そしてもちろん、各カンパニーに所属する様々な討伐者たち。それぞれにどんな【イデア】を持ち、どのようなスタイルでモンスターを狩るのか、その描写も楽しみです。
討伐者としてデビューした天人が、これから先どんなモンスターと対峙するのか。その強大な魔力に対抗し得る存在は現れるのか。モンスターを倒し、お金を稼ぎ、妹を守って、「前世は大魔導師」という秘密は隠す。何種類もの課題を背負って生きる桜坂天人の人生に幸あれ!








