中年サラリーマンは何を食べて生きているか
『四十路福田の俺ご飯』は、題名のとおり41歳男性“福田”の日々の食事が描かれる。福田が作ったり食べたりするのは、自分一人のための日常的な食事だ。本作はこのデイリーさが細かくて楽しい。
例えば第1話は、福田が帰宅後にひとっ風呂浴びるところから始まる。彼は仕事を自宅に持ち帰っていた。つまり、まだ全然「おつかれさまでした!」ではないのだ。
でも空腹は放っておけない。日中は会議や研修やセミナーでカレンダーがびっしり埋まり、中途半端に電子化された書類と全然電子化されない紙の書類とが混在する事務作業も山積みで、時すでにクタクタだから何か栄養を入れないと残りの仕事なんて無理!
ということでご飯タイムだ。時間はかけられない。まずは冷やご飯を温め、鯖缶も温める。
頑張るところと手を抜くところのさじ加減が絶妙だが、仕事は詰め込みがち。
それでも福田の日常は崩壊していない。連日連夜コンビニのごはんでしのぐ時期もあるが、そうでなければ自炊で楽しく暮らす。なぜ彼の暮らしが崩壊していないかといえば、おそらく自分の生きる目的や、充足感を得る方法をちゃんと心得ているからなのだろう。
機内で飲むビールは一杯まで!
福田はものすごい食いしん坊なので、中年の胃袋をいたわりつつ、おいしいものをベストなコンディションで食べる方法を探し続ける。茨城の海沿いに暮らす福田が、“めんたいランド”という名称の、なんだか大洗にありそうな明太子テーマパークを訪れると……?
そして食への好奇心が強い。国際線に乗れば、機内食はディナーも朝ごはんもパスせずにきっちり味わう。
中年のおっさんの無理のなさと、その無理のなさで回していく日常が感じられるマンガだ。そして、なぜ彼らが「無理のない日常」を毎日頑張って積み上げているのかも本作は少しずつ描く。じんわりとした幸福感も味わえて楽しい。朝の満員電車でPCが入るビジネスリュックをお腹側に抱えて静かに立つおじさんたちの人生を想像したくなる。福田のように豊かな世界が広がっているんじゃないかなあ。








