天才理系女子に国語力を付けさせろ!
なぜに同居が必要なのか?
「国語を解くとき、人は無意識のうちに人生で経験したことを糧にしている」というのが、従姉妹の彩葉の考えである。
研究以外の人生を…
だ~か~らといって、今となって佐ノ介と同居させるのはいかがなものか? 同居して人と触れ合えば、文系脳は発達するのか? などと四角四面のことを言うつもりはない。この漫画は同居系ラブコメなのだ。それに小鉢古春は、なんというか……、その……、豊満なのである。
これで条件は揃った!
ダメ男とポンコツ女子を家に押し込めてガラガラポン。
これで面白くならないわけがない。
天才理系女性のライバルは、ツンデレ文系女子
さらに欲深な作者は、ここに定番にして強力な布石を打つのだ。それはライバルの登場! しかも、佐ノ介のライバルとなる男性ではない。まだ小鉢古春は佐ノ介にLOVEのLも抱いていないにもかかわらず、女性のライバルを登場させるのだ。彼女の名は、東雲雪那(しののめせつな)。
東雲先輩の展開も気になるのだが、今はなにより小鉢古春の国語力アップが重要である。佐ノ介の見立てでは、彼女に足りないのは心理描写の理解と情景描写。しかし小鉢古春は言う。
「私が国語を解けないのは、私が普通の感覚を持っていないから…だと思うんです」
「なので佐良木君に普通の高校生の放課後を体験させてほしいのです」
と訴える小鉢古春の求めに応じ、町をうろつくふたり。そして行き着いたのは橋の下。そこで夕日を見た彼女がこう言うのだ。
ここで佐ノ介は語る。
文学の世界では…夕焼けっていうのは
6000度の太陽のことでも
大気中に散乱する可視光線のことでなくてもいいんだ
檸檬が爆弾になったように
この世界を滅ぼす光であったっていいのさ
そして文学への興味は、心を動かされた瞬間に芽生えるのだ!
ダメ男のくせにカッコいい佐ノ介。これをきっかけに、小鉢古春の文系脳は目覚めるのか?
佐ノ介にはあんまりカッコよくなってほしくないなと思いながら2巻を待つ。








