それは、おいしいものを頬張った瞬間、思わず漏れてしまう最高のひと言。
そんなときの表情は、まさに幸せそのものです。
そんな笑顔を見ると、料理を作った側の顔までほころぶもの。
私たちは、それがどれほど愛おしい瞬間か、よく知っています。
だからこそ──
とある2匹の猫たちの暮らしを眺めていると、心がじんわり温かくなるのです。

漫画家・イラストレーターとして活躍するしりもと氏のXアカウントから生まれました。瞬く間にフォロワーの心をつかんだ2匹は、2025年4月に『ンめねこ』としてTVアニメ化、そして5月には単行本も発売。今、注目度急上昇中のキャラクターです。
食べることが大好きな「ンめねこ」は、天真爛漫で表情も豊か。
一方、冷静でクールな「うすくろ」は、そんなンめねこにさりげなく尽くしていて、その姿がまた、たまらなく愛おしい。

そんな優しい世界を描く『ンめねこ』の魅力は、なんといってもそのシンプルさです。
登場するセリフは「ンめ…」くらいで、言葉はほとんど使われません。
それでもしっかり伝わる物語。しりもと氏の描く短いコマは、情報あふれるSNSの中でふと立ち止まる時間を与えてくれます。
静かなはずなのに、読んでいると賑やか。
セリフも効果音もないのに、読んでいる私たちの脳内では、ンめねこが生き生きと動き回っています。そんな不思議な“音のある無音”が、この作品の大きな魅力です。
言葉は無粋とも言えるシンプルさ。
むしろ、その潔さが、読む人の想像力を心地よく刺激してくれます。
そして、2匹が暮らすやさしい世界には、心がほっとゆるむ瞬間がたくさん。
たとえば──
本当はすぐ食べたいのに、うすくろと一緒に食べようと、カップラーメンを食べずに待つンめねこ。


けれど、その分すっと心に染み込み、老若男女どんな人にも届く優しさがあります。
ちなみに、絵本好きな我が家の2歳児もすっかり夢中に。
「ニャンニャンがアムってしてるね」「はいどーぞってしてるね」と、状況をちゃんと理解して楽しんでいました。一緒に食べるまねをする姿も可愛くて、思わずほっこり。そんな可愛い姿が拝めますので、小さなお子さんのいるご家庭にも、ぜひおすすめしたい作品です。
本作には、SNSで公開された話に加え、「BE・LOVE」2025年5・6月号や「なかよし」6月号の掲載作、そして描き下ろしも収録されています。ファンにとっては見逃せない1冊です。
アニメ化にグッズ展開と、“ンめねこワールド”は今まさに広がりの真っ只中!
波に乗るなら、いま!
まずはオールフルカラーのかわいい単行本で、この世界のやさしさをじっくり味わってみてください。