そんなゾクゾクする描写が楽しめるのが本作です。主人公は苔石花江(こけいしはなえ)。大神高校(おおかみこうこう)の新入生です。一方、双子の妹・咲月(さつき)は、推薦でバスケ強豪校に入学した全国レベルの有望選手。

コミュ障少女、コートに立つ!
入学早々、クラスで孤立しかけた花江に「友達になって」と話しかけてくれたひとりの少女・小緑(こみどり)つぼみ。彼女の「バスケ部に入りたいから部活見学についてきて欲しい」という言葉が、花江の運命の扉を開けることになります。
実は大神高校バスケ部は、全国大会を狙うほどの熱い部活。バスケ初心者の小緑と、中学時代生物部だった花江に対し、同じく1年生でバスケ部期待のルーキー栗原夏凛(くりはらかりん)は、初心者は足手まといだとふたりの入部拒否を宣告。
しかし花江は、趣味である生物観察の知見から、生物の「完全変態」、すなわち幼虫→蛹→成虫と段階を踏んで、より優れた形態へと大きく変化させる生態になぞらえて、小緑をこう評価します。

この時点ですでに胸熱ですが、待っていたのはさらなる興奮の展開……!
妹を陰で支えた努力と観察眼が花開く


花江は優秀なプレイヤーである咲月の自主練相手として9年間も1on1を続けており、大神高校の選手にもその名が知られる咲月をして、こう言わせるほどの実力を持っていたのです。

そしてもう一つ注目すべきは、夏凛との勝負を観ていた大神高校バスケ部の2年生エース、藤咲音(ふじえのん)のこの指摘。

これまで好きでやっていた「観察」で培われたスキルが、バスケにおいて有効な武器になることが示されたシーンでもあります。
可愛いキャラ&絵とのギャップ! ヒリヒリするバスケシーンに注目

自らの言葉を伏線回収! 新しい自分へ
周囲から他の部活に勧誘されても「バスケがやりたい」と意志を貫く小緑に、バスケをやるチャンスを(コミュ障ゆえの集団競技への怖さから)自ら手放してしまった幼い頃の後悔がフラッシュバック。今もまた、バスケ部加入に及び腰でいる自分を奮い立たせ、彼女はついに行動するのです。


無事にバスケ部入部を果たした花江たち。その一方で自分たちの入部を拒否した夏凛は、罰として入部NGを食らってしまいます。夏凛の入部を認めてもらうため、花江は夏凛とのペアで1on1最強と噂の先輩・藤&初心者・小緑コンビと2on2バトルに挑むのですが、果たして……?
妹との1on1で磨かれたバスケスキルと持ち前の観察力を武器に、花江はどんなプレイヤーへ成長していくのか。そしてコミュ障を理由にチームスポーツと距離を置いていた過去と決別し、ついにバスケ部デビューを果たした彼女が、友人や先輩たちとどんな部活ライフを送っていくのか。
幼虫から蛹(さなぎ)、やがては成虫へと姿を変えていくであろう花江の、ひとりのバスケット選手として、またひとりの女子高生としての成長から目が離せません!