ムーコが帰ってきましたよ
おはなツヤツヤ! 柴犬のムーコが帰ってきました!
『だいすき! いとしのムーコ』は、吹きガラス職人“こまつさん”と、その愛犬・ムーコの日々を描いた大ヒットマンガ『いとしのムーコ』の、4年ぶりの新シリーズ。
ムーコからこまつさんへの愛はもちろん不滅! 今作では、秋田犬とギャルがムーコとこまつさんのもとに弟子入りし、再び、にぎやかで楽しい日々が始まります。
秋田の大自然の中にあるガラス工房「GLASS STUDIO amato」。
広い敷地を駆け回るムーコ。ここはムーコの飼い主・こまつさんの工房です。吹きガラス職人のこまつさんは、アルバイト(弟子)を募集しているようです。
ムーコはタオルで「わーっ」とか、「ぴーっ」として遊ぶのが大好き。この最高な遊びには、やっぱり大好きなこまつさんの名前がふさわしい!
ムーコのことをとても可愛がってくれる“うしこうさん”一家とも、相変わらず仲良しです。
大好きなタオルをたくさん持ってきてくれたうしこうさんにお礼を言っていると、突然、でっかい秋田犬が工房に現れます。
大迫力の秋田犬は、声量もパワフル。ムーコも圧倒されるばかり……と思いきや、
ことばも秋田弁っぽいこの子は、どうやらムーコのことを一方的に知っているよう。それどころかムーコの大ファンなのだといいます。
困惑するムーコたちの前に、一人のギャルっぽい女子高校生が。
彼女はこの秋田犬“おすし”ちゃんの飼い主、アメリちゃん。
弟子入りする気満々、こまつさんを「ししょー」と呼ぶアメリちゃんにムーコはパニック!
「ししょー」って何? こまつさんはこまつさんですよ……?
どうやら2匹はすっかり意気投合。
こまつさんにはギャルの弟子、ムーコにはでっかい弟子ができ、GLASS STUDIO amatoは一層、にぎやかな場所になったのです。
犬の気持ち、人の気持ち
時にはムーコの考えていることと、こまつさんの思いは少しズレていることも。
みんなでボール遊びをしている最中、「ししょ-」のムーコを放って芸達者で顔もりりしいおすしを褒めちぎるみんなに、ムーコはへそを曲げてしまいます。
だけど、すねたムーコを抱きあげたこまつさんのこんな一言で……。
ムーコはごきげんになれるのです。
考えていることは微妙にかみ合っていないけど、結局はおたがいのことが大好きなムーコとこまつさんのやりとりがたまりません。こまつさんの目には柴犬らしく自由気ままに見えるムーコの頭の中が、実はこまつさんでいっぱいなのが愛おしい。
ムーコの夢は、いつの日かこまつさんが犬になること。
こまつさんが自分と同じ犬になれば、一緒に遊んで同じものを感じ、もっと心が通じ合う日々を過ごせると信じるムーコがなんともいじらしく、可愛い。
「ムーコが人間になって、こまつさんと同じことをしたい」ではないのは、きっとムーコの犬生がすごく幸せだからなんだろうな……と考えると、何気ない1コマにもグッときます。
おすしという弟子ができ、少しお姉さんになった(?)ムーコの毎日には、大事件も大波乱も起きません。なのに、不思議とずっと眺めていたくなる。
コミックスのカバーのツヤツヤおはなにも「おかえり!」と話しかけたくなる一冊です。
レビュアー
ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
X(旧twitter):@752019