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リーダーシップに悩む人、必読! AIの時代に求められる「真のリーダーシップ」
(著:山元 賢治)
「成果を出す人」の考え方
ここ数年、これまでにない変化の波が押し寄せている。新型コロナウイルスによる社会の変化やAIの発展などにより人々の価値観も変わり、「必要なもの」「不要なもの」が明確になった。理想の働き方や住みたい場所、ひいては「幸せのかたち」まで、今までの常識とされていたものが続々と塗り替えられている。
こうした激動の時代において求められるリーダーとは、どのような人物だろうか。
『世界の先人たちに学ぶ 次世代リーダー脳』は、未来の日本に必要とされる“理想のリーダー”像へのヒントをくれる1冊だ。
著者は、元アップル・ジャパン社長、山元賢治氏。
IBMやオラクルといった外資系企業で働いたのち、2004年にスティーブ・ジョブズに指名され、アップル・ジャパンの代表取締役社長に就任した。それぞれの企業で、ラリー・エリソン、ティム・クックなど、多くのグローバルリーダーたちと肩を並べ、渡り合ってきた。
若い皆さんはご存じないかもしれませんが、2004年と言えば、アップルがどん底だった頃です。そこから、iPodの立ち上げやiPhoneの発売にかかわり、日本国内の最高責任者として、アップルの復活を間近で目撃しました。
ビジネスの最前線で山元氏が見いだした「リーダーシップの本質」には、変化の激しい時代においても変わらない「共通する考え方」があるという。
リーダーの行動は上司からも部下からも、常に見られている。仕事の逃げ道もない。「大変なこと」「できれば後回しにしたいこと」「気の重いこと」が少なくないことも、また不変の事実だ。そんな中、チームの力を最大限に発揮し、最高の結果をたたき出すリーダーになるために必要なものはなんだろう? 本書は、その心構えをまとめたものだ。
山元氏自身の経験や、スティーブ・ジョブズのエピソードも織り交ぜながら、これからのリーダーに向けたメッセージを「仕事への情熱」「コミュニケーション」「マネジメント」「思考・直感」の4つの章に分けて伝える。
過去から未来まで「ずっと変わらない本質」
本書の大きな特徴は、ひとつひとつの項目が読み切り型であることだ。それぞれの項には、著名な経営者や、世界の偉大な先人たちの言葉が添えられている。
見出しで各項のテーマを把握し、先人のメッセージを踏まえて本文のリーダーシップ論を読み進めることで、より理解が深まる。
いわゆる「精神論」だけでなく、具体的に「何を意識すべきか」も盛り込まれている。たとえば
自分はどんな世界の、どんな技術の、どんなスキルのプロなのか。少なくとも3つ以上は、自分が会社に貢献している点を挙げられるようになってください。
ときにハードルの高いことがさらりと書かれていたりもするが、目標はシンプルに絞り込まれたものであるほうが、達成できる確率もきっと高い。
リーダーの立場にある人、またそれを志す人は忙しい。忙しい人もスキマ時間で読めるのが「読み切り型」の魅力だが、「その時々の自分が求めることを、ピンポイントで読める」というのもこの本の大きなポイントだ。
学ぼうとする者と教え導く者の息があい、相通じることを指す「啐啄同時」という言葉がある。この本はその時の自分が求めるトピックに最短でたどり着ける作りになっている。今までの自分の殻を破りたいと思うとき、その導きとなる言葉にすぐに出会えるのはとても嬉しい。
驚くのは、今活躍している経営者だけでなく、古の軍師や武将、詩人といった昔の人たちの言葉も多く引用されているところだ。
山元氏は言う。
私はこれまでビジネスの最前線で、目の前のお客さまや商品に向き合う中で、自分なりの成功哲学を見いだしてきました。ですが後になって振り返ると、自分が見いだした傾向や法則、理想のリーダーのあり方などは、時代や言葉は違えど、既に先人によって語られ、実現されているものだということに気づいたのです。
さまざまな時代の、さまざまな立場のリーダーたちの名言を自身のビジネス経験と突き合わせることで、「成功する人」の本質というものは、過去から未来までずっと変わらないものであると、この本を通じて知ることができるだろう。
誰でも世界は変えられる
第4章「生き方が、人生を作る──『思考・直感』」では、スティーブ・ジョブズがiPod、iPhoneを通じて世の中を変えていった様子を通じて「グローバルに考えるとはどういうことか」が語られる。
熱心な音楽ファンのニーズにこたえる形で現れたiPodやiPhoneが世界を変えていった過程を通じて、改めて「リーダーとしてもっと経験を積もう」「世界を変えるリーダーになる」と、明るい気持ちになれる人も多いだろう。
世界を変えるチャンスは、特別な人だけに与えられたものではありません。好奇心や探求心、情熱があれば、誰でも世界を変えられるのです。
ビジネスで輝くことは一部の特別な人にしかできないことではない。人類の歩みの中で求められてきた「リーダーとしての心構え」の本質と、現代の情勢との共通点を見出しながらまとめられている本書は「ビジネスの中心に身を置く方法」を、深く理解できる1冊となっている。
IBMをはじめ、オラクル、アップルなど外資系企業を渡り歩き、スティーブ・ジョブズ、ティム・クック、ラリー・エリソンら、多くのグローバルリーダーたちと仕事をしてきた、元アップル・ジャパン社長、山元賢治。
2004年、スティーブ・ジョブズに指名され、アップル・ジャパンの代表取締役社長に就任、iPodビジネスの立ち上げからiPhoneを市場に送り出すまで、国内の最高責任者としてアップルの復活に大きく貢献した。
本書は、著者が以前上梓した『成功する人の考え方』(kindle版)をアップデートする形で1冊にまとめています。これからのリーダーに向けたメッセージを「仕事への情熱」「コミュニケーション」「マネジメント」「思考・直感」の4つの章に分けて語っています。さらに、それぞれの項には、著名なリーダーたちの名言を付しました。
著者が、これまでビジネスの最前線で、自分なりに見いだした傾向や法則、理想のリーダーのあり方などは、時代や言葉は違うものの、既に先人によって語られ、実現されているものだということに気づいたエッセンスを示しています。
現在のような非常に変化の激しい時代に求められるリーダー像とはどんなものだろうか。未来を切り開き、業績を向上させ、そこで一緒に働く仲間、部下が本当のやりがいを感じられるような環境を創造できるリーダー。 自分の成功だけでなく、企業や部下の成功をも同時に慮れるリーダー。
リーダーの仕事は毎日が「大変なこと」「できれば後回しにしたいこと」「気の重いこと」の連続です。立ち止まる瞬間も許されないような状況でチームの力を最大限に発揮して、最高の結果をたたき出すためにはどうしたらよいか?その心構え・考え方・コミュニケーションなど基本中の基本についてまとめています。
レビュアー
ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
twitter:@752019
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