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一流の人のマジックフレーズを使うだけで印象アップ!「できる」大人の会話術
(著:櫻井 弘)
学校では教えてくれない「モノの言い方」
普通に話しているつもりなのに、なぜか相手を不機嫌にさせてしまう。さほど大きな要求をしているわけではないのに、こちらの希望通りに相手が動いてくれない……。社会人になると、学生時代は感じなかったこんな悩みを抱える人が出てきます。一方で、ごく普通に話しているように見えて、皆に評価されて味方も多く、自然と周囲の信頼を勝ち得ている人も。この違いはいったい何なのでしょうか?
本書『この一言で「できる人」になる 大人のモノの言い方 一流、二流、三流」』の著者・櫻井弘さんはこういいます。
日本の学校や家庭では、社会人としての「言い方」や、「伝え方」をきちんと教わる機会があまりありません。そのため、多くの人がモノの言い方を知らずに社会に放り出されているのです。
同じ内容でも、「モノの言い方」ひとつで相手の受け止め方が変わるといいます。これは「スピーチ」「ディベート」などを学ぶ機会を持てた人や、しっかりした研修システムのある会社に入った人にはなじみ深い考え方でしょう。しかし、社会に出て初めてそれを知った人も少なくないですよね。
そこで本書では、効果的な「大人のモノの言い方」教えてくれます。学ぶべきはもちろん「一流の言い方」。日常の会話はもちろん、近年増えた「web会議」や、対面ではない「メール」「手紙」の書き方まで、様々なシーンで使えて、誠実で堅実な印象の「言い方」を学べます。それは相手の心を動かし、願いや目的を叶える「コミュニケーション能力」でもあります。櫻井さんは、その能力がもたらすメリットをこう説明します。
人間関係がうまくいくようになり、協力者や味方が増え、願いや目的が達成できるようになるので、人生が変わります。
つまり、一流のモノの言い方=「豊かな人生へのパスポート」なのです!
人を動かすコミュニケーション
本書では「モノの言い方」を、以下のように位置付けています。
三流……学生のままで、「自分目線」。家族や友達との以心伝心の伝え方から進歩がない。
二流……ある程度社会常識を身につけているが、「相手目線」の気配りができない。相手の記憶に残らない。
一流……「相手目線」を意識した言い方ができる。チャンスに恵まれ、仕事も人間関係もうまくいく。
この格付けはあくまでも「言い方」の話であって、「内容」や「発言者の人格」のことではありません。しかし、言い方はその人の印象を大きく左右します。例として「相手の話がよくわからなかったとき」を見てみましょう。
三流は「自分が理解できないのは相手のせい」と言いたげです。二流は「配慮は感じるものの、普通」です。対して一流は「わからないのは相手のせいではない」「相手に恥をかかせない」配慮を感じます。
「三流」の言い方でも、家族や友達が相手なら「つまりね……」と説明してくれるでしょう。ただ、ビジネスシーンでは、互いの「理解と納得」が重要です。さらに発した言葉はそのまま「人柄」として受け取られ、多少の失礼に関してはあえて指摘してくれることもないのです。
そんな「モノの言い方」において「一流」の言い方を身につけるのは、難しいことではありません。本書の「すぐに使える! 一流の人のマジックフレーズ」を使うだけでも、早速変化が現れるはずです。
例えば、デスクワーク中。一見忙しそうではなくても、頭の中はフル回転している人もいます。にもかかわらず、急に現れて自分の用件を話し始める人は少なくありません。そんな時、「あいさつ」のマジックフレーズ・「今よろしいでしょうか?」を添えて話すことができたら……。相手は気遣いを感じ、話を聞くモードになれるでしょう。仮に忙しくとも「〇時なら大丈夫」と、話せるタイミングを知らせてくれるはずです。たった一言が、お互いの余裕を生むと思いませんか?
本書には、リアルなシーンに沿った、使えるマジックフレーズが多数収録されています。「一流の言い方を身につける、4つのポイント」「どんな相手ともうまく話せるようになる、7つのテクニック」と合わせて読めば、「人を動かすコミュニケーション」術が自然と身につく構成です。
すぐ使える! 「シーン別・一流のモノの言い方」
本書は、ビジネスや日常での「モノの言い方」を、シーン別にたっぷりの実例で紹介しています。このページのテーマは「あいづち」、相手は「上司、先輩」。様々な目的に応じて、一流の視点を交えた解説がなされています。
少し大人げなく感じる「三流」、一般的な言い方の「二流」、相手の心に届く「一流」の言い方が並びます。普段の自分の言い方と比較し、楽しみながら改善ポイントを学べます。「MF!」は、先ほどの「マジックフレーズ」。自然に会話に取り込む実例がわかります。
そして「一流の言い方」が真価を発揮するのが「お願い」「謝罪」「反論」といったシーンではないでしょうか。相手の気分を損ねず、自分の意見も通すには高いコミュニケーション能力が求められます。
例として、「対外的な立場、または目上の人」に対して「反論する」シーンを見てみましょう。
言いにくいことも、「一流」の言い方なら、気分を損ねる人はいないのではないでしょうか? ただ反対の意思を伝えている「三流」との差は歴然です。
もし、今までのモノの言い方が「三流」だったとしても、それは人格とは関係ありません。自分の思いを、ビジネスシーンに応じた言い方で伝えるのが苦手なだけ……そんな人のほうが多いはず。この本は「こんな時、どう言えばいい?」「もっといい言い方があるはずなのに……」というモヤモヤを解消し、相手の心を動かす言い方を教えてくれます。いつも手元において、味方にしたい1冊です。
- 電子あり
□一流のモノの言い方を身につけよう!
仕事を円滑に行うには人間関係をスムーズにすることが大切で、ちょっとしたモノの言い方、伝え方で、結果が異なります。なにげない「その一言」によって、相手の印象が大きく異なるからです。さりげなく大人の言い方ができれば、相手の心証がよくなり、自然と望む方向に道が開けます。逆に、悪気がなくてもNGワードを言ってしまえば、相手に不快感を与え、協力が得られなくなります。
□「モノの言い方」を、学校では教えてくれない
欧米の学校では、授業で「モノの言い方」を教えていますが、日本の学校では教えてくれません。そのため、会社に入ってはじめて知ることになることも多々あります。研修がしっかりした会社などではよいでしょうが、何も知らないままでいると、成長できません。
□三流のモノの言い方と、一流のモノの言い方をイラスト化して比較
多くの人が、いざというときに的確な言葉が出せず、友達や家族に対するような言葉遣いになりがちです。そこで、「文章を読まなくてもわかる」ように、モノの言い方を、三流(ダメな例)、二流(普通の例)、一流(よい例)に分け、イラストを交え紹介します。
例えば、相手先から仕事をもらった時でも、単に、
三流=「あざーす」などと若者言葉だと、常識が疑われます。
二流=「ありがとうございます」では、当たり前すぎて、感謝の気持ちが伝わりません。
そこで、
一流=「この度はお骨折りいただきまして、感謝申し上げます」とすれば、印象が大幅にUPします。
□できる人のモノの言い方で、目的を達成しよう
モノの言い方は、ポイントをおさえるだけで、だれでも一流になれます。「すぐに使える! 一流の人のマジックフレーズ」からはじめ、「一流の言い方を身につける、4つのポイント」をおさえて、「できる人」になりましょう。
レビュアー
ガジェットと犬と編み物が好きなライター。読書は旅だと思ってます。
twitter:@752019
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