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痩せたい――。若い頃には1ミリもなかった願望が、40歳を超えたあたりから当たり前のように頭に浮かんできてしまう、そんな毎日を過ごしています。でも、なかなか行動に移せない、なまぐさな私。筋トレも続かないし、美味しくて高カロリーなご飯も我慢できない。「痩せ」に対する諦めに近い感情にも慣れっこになってきたとき、本書が目に飛び込んできました。

「甘やかし」のフレーズに心惹かれます。「アラフォーで29kg減」という文言も、年齢が近い私にピッタリ。さっそく中をチェックすると、「ダイエットはタダでできる整形だ!!」の文言、そして著者の1年半のビジュアル変化がドン！　インパクト大です。本書には、こんなダイエット成功の元となった、数々のレシピが記載されています。

ポイントとなるのは、「食材の置き換え」「調理方法の変更」です。本書で紹介しているレシピは、著者が1年半で29kg痩せた、その秘訣が詰まった美味しいのに低カロリーなご飯の数々。

特に「食材の置き換え」がすごい。たとえばカレーなら、白米で作れば493kcalですが、オートミールに置き換えると364kcal、さらにカリフラワーライスなら301kcalまでカロリーを抑えられます。

本書では、PART1を「神ワザ！　64レシピ」と題して様々な食材置き換えレシピを紹介。PART2では「罪悪感ゼロ！　ダイエットレシピ」というタイトルで、置き換えワザだけでなく、高タンパク低脂質な食材や美肌に欠かせない食材などを使ったレシピを掲載しています。

また、たんぱく質＝P（Protein）、脂質＝F（Fat）、炭水化物＝C（Carbohydrate）という記号で各レシピにおけるグラム数を明示しているので、カロリー表示と併せて参考にするとよいでしょう。

レビューするにあたり、気になるレシピを紹介するなら、せっかくだし実際に作ってみようかと思いまして、普段あまり料理をしない私ですが、2品チャレンジしてみました。

まずは手軽そうな、白米をオートミールに置き換えたおにぎり。鮭・枝豆やさばポン酢など様々な種類があるなかで、シンプルなチーズおかかおにぎりをチョイス。

オートミール、そして水や醤油などもレシピ通りの分量でクッキング。スライスチーズはなかったので、代わりに冷蔵庫にあったとろけるチーズを使用しました。レシピには、レンチンしたオートミールに鰹節と醤油、さらにチーズを加えて熱々のうちに混ぜ合わせる、といった記載があるのですが、この「熱々のうちに」がポイント。チーズがいい塩梅にとろけてくれます。もたもたしているとチーズはとけてくれません。

下記は試作1号。

レシピとは使っているオートミールが異なるのでビジュアルも少し違いますが、肝心なのは味です。
初めて食べたオートミールおにぎりですが、これが意外と美味しい！　ちょっとびっくりしました。食感は白米より玄米に近いかも。噛めば噛むほどに、チーズやおかかの風味が口の中に広がるし、食べごたえもあります。カロリーの問題をふまえながら、チーズや鰹節の量を調節して、より自分好みの味にアレンジするのも楽しそう。ちなみに、見た目を気にせず適当に混ぜた試作1号に対して、チーズやおかかが具になるよう包む形で混ぜた試作2号がこちら。

試作1号より美味しそうに仕上がりました。

続いての料理チャレンジは、しらたきカルボナーラ。

レシピ上では「糖質0麺」とあるのですが、この章では「麺を糖質0麺・しらたきに置き換える」ことがテーマとなっており、より個人的好物なしらたきで作ってみます。しらたきはスーパーで購入し、ウインナーの代わりに冷蔵庫にあったソーセージを使用。あとはレシピ通りの材料で調理しました。

ちなみに、しらたき（糖質0麺）の下準備については以下ような手順で行うよう写真付きで解説しており、料理慣れしていない私でもバッチリ。

ということで保存袋にしらたきを入れて冷凍。

数時間置いて、凍ったしらたきを解凍します。ちょっと時間がかかってしまったので、もう少し平たい状態で冷凍すべきだったかも。そんな反省もしつつ、引き続きレシピに沿って調理してみました。出来上がりがこちら。

見た目は違和感なし。味のほうも卵とチーズ、そして胡椒が生み出す圧倒的カルボナーラ感に、噛みごたえのあるしらたきが思いのほかマッチしていて、これはこれでちゃんとカルボナーラ。よく噛んで食べるので、しっかり満腹に。

本書に掲載されているレシピの中から実際に食材を置き換えた料理を2品作ってみて、本来その料理が持つ魅力と、置き換えた食材が持つ味わいの両方を楽しめるという体験をしました。

簡単にできるものから少し凝ったものまでレシピの種類も幅広く、麺類や肉、野菜料理、そしてスイーツに至るまで多種多様。ダイエットには天敵ともいえるような高カロリーメニューも、食材置き換えによって気軽に食べられます。

もちろん、食材を置き換えているということは、オリジナルとまったく同じ味というわけではありません。それでも、好きな食べ物を我慢せずに痩せる、という夢のようなダイエット生活の実現には欠かせない、そんな一冊だと思います！

ちなみに、本書にあるレシピの中から、おやつにピッタリなサツマイモをスライスしてレンチンするだけ、というサツマイモチップスも作ってみました。手軽！