今日のおすすめ

茶殻を酢醤油でお浸しに?  淹れ方ひとつで高級茶に?『お茶の科学』最新情報が使える!

2017.07.01
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緑茶、紅茶、中国茶、抹茶。あなたが一番好きな「茶」はどれでしょう。世界中で、「茶」は団らんをイメージさせ、リラックスさせるものとして長く愛されてきました。人間の文化のそばには、いつも「茶」が存在しているのです。

今日のおすすめは、『お茶の科学』。著者は食物科学者で、大妻女子大学名誉教授、お茶大学校長の大森正司氏。“いつもの安い煎茶を、高級な玉露のように変化させる淹(い)れ方”、選び方・飲み方・茶葉の食べ方(!!)までを指南してくれます。

もちろん、ネットでは探すことのできない、専門的かつ深い知識も満載。科学と銘打たれていますが、本人を目の前にお話を聞くような軽快な語り口で、サラッと読めるのも魅力的です。お茶博士の、愛と知識がたっぷり詰まった「今日から使える1冊」です。


お茶の違いはなぜ生まれるの?

本書に登場する膨大な茶の知識から、ひとつ3択問題を出題してみましょう。

【問題】ウーロン茶、紅茶、緑茶は、何の茶葉からできているでしょうか?

A. ウーロン茶の木、紅茶の木、緑茶の木からできている。
B. ウーロン茶と、紅茶の木は同じ木から。緑茶の木は日本にしかない。
C. すべての茶が、同じ木の種類から採られる茶の葉からできている。

正解は[C]。
すべての「お茶」は、同じ木の種類から採られる茶葉からできています。お茶はツバキの仲間で、学名は「カメリア・シネンシス」。ウーロン茶も、紅茶も、緑茶も、この木から作られています。違うのは製法のみ。製法によって、まったく風味の異なる茶に変化するのです。

なお、今から20年ほど前、雲南省の双江県(そうこうけん)で見つかった、樹齢3200年の「香竹菁(しゃんつーちん)大茶樹」が世界最古の木と考えられているとか。中国種のルーツ、マザーツリーと言ったところでしょうか。私達が口にしているお茶に“3200歳の母親”が存在しているとは、なんとも壮大な話です。


飲むだけではない、お茶の活用法

続いては健康面。注目したいのは、美味しいお茶を煎れたあとの「茶殻(ちゃがら)」活用です。二煎、三煎と抽出しても、茶殻に70~80%以上の栄養素が残るため、食べた方が良いのだとか。中にはβカロテン、ビタミンE、コエンザイムQ 、ミネラル類(マンガン、銅、亜鉛、セレン)と、男女問わず摂取したい栄養がたっぷり。

おすすめの食べ方はなんと、「酢醤油をかけた、茶殻のお浸し」。しかも、使えるのは、煎茶(一番茶)までだと言います。2番茶、3番茶は太陽を長く浴び、茶葉が硬くなっているため、お浸しには向かないそう。2番茶、3番茶は、「おかか、じゃこ、ごまと混ぜてふりかけに」するのが良いようです。ぜひ実践してみてくださいね。

他にも、
・製造方法や発酵について
・遺伝子研究にみるルーツ
・喫茶文化のはじまり
・静岡がお茶の名産地になった理由
・おいしいのは硬水or軟水?
・カテキン・カフェイン・テアニンとの関係は?
などなど、お茶に関する知識と情報が詰まっています。

筆者がおすすめしたいエピソードは、“お茶の香りや美味しさをソムリエのように言葉で伝えるために、どう表現すべきか?”。「水色・香気・滋味・茶殻」で善し悪しを見ていくのですが……ぜひ本書でご確認ください。

今は世界的な日本茶ブーム。このタイミングで知識を持っておけば、グローバルなコミュニケーションの場で、一目置かれる存在になるかもしれません。

お茶が100倍楽しく、美味しくなる『お茶の科学』。食知識のブラッシュアップに、トリビア吸収に、毎日の健康と美容に、オススメです。


◇『お茶の科学』刊行記念キャンペーン 編集部厳選「最高のお茶」セットで15名様にプレゼント!(3000~5000円相当)◇

【応募期間】2017年6月23日(金)~7月23日(日)

【賞品】編集部厳選「最高のお茶」セット
最高の静岡茶、宇治茶、狭山茶、鹿児島茶、大和茶
餅茶(10年物プアール茶):内臓脂肪に(3000円相当)
ギャバロン茶:血圧、二日酔いに(1800円)ほか

キャンペーン応募の詳細はこちらへhttp://news.kodansha.co.jp/20170623_b01

  • 電子あり
『お茶の科学 「色・香り・味」を生み出す茶葉のひみつ』書影
著:大森 正司

読めばお茶の味わい方が変わる、驚くほどおいしくなる!

緑茶、紅茶、ウーロン茶……さまざまあるお茶は、すべて同じ「チャ」の樹の葉からできたもの。
製造過程で、茶葉の中で多様な変化が起こり、そのお茶らしい色、香り、味が生まれます。
「お茶のおいしさ」とは何なのか? 
5000年以上にわたる茶のルーツをたどり、最新研究からその秘密に迫ります。

お茶を研究して50年の“お茶博士”が、誰にでもできる「いつもの煎茶を“玉露”にする淹れ方」も伝授!

これを知らずじてお茶を飲むのは、もったいない!

■おもな内容
第1章 お茶の「基本」をおさえる ~どんなお茶も、すべて同じ「チャ」だった
第2章 お茶はどこからきたのか? ~チャと茶のルーツを巡る旅
第3章 茶葉がお茶になるまで ~色や風味はいつどうやって作られるのか
第4章 お茶の色・香り・味の科学 ~おいしさは何で決まる?
第5章 お茶の「おいしい淹れ方」を科学する ~煎茶を“玉露” にする方法
第6章 お茶と健康 ~なぜお茶は身体にいいのか
第7章 進化するお茶 ~味も楽しみ方も変える技術

レビュアー

弓月ひろみ イメージ
弓月ひろみ

タレント、デジタル文筆家。20代でアイドルデビューした後、ラジオパーソナリティやリポーターの傍ら、テクノロジー、食、和菓子、旅に関するコラムやニュースを執筆。iPhoneケースを500所持するコレクターで「マツコの知らない世界」「中居正広のミになる図書館」「所さんのニッポンのミカタ」出演。大学時代、イベント制作に深く関わった経験から、総動員数35万人のアートイベント、iPhoneケース展ほか、PRイベント等のプロデュースと運営を行う。その他、写真や映像の作品モデルとしても活動。情報伝達、表現、プロデュースの三軸で多角的に活動している。

Twitter  @yuzukihiromi

公式サイト http://yuzukihiromi.net/

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