2012年から連載が始まり、テレビアニメ、映画、ゲーム、舞台、小説にもなり、数々のスピンオフも生まれた超大作『七つの大罪』。
その正統続編は、時代背景など前作の流れを汲みつつも、前作とは違う新しい世界が繰り広げられています。
“神の指”と呼ばれる辺境地で、 “じいじ”ことバルギスと幸せに暮らしていたパーシバルは、訪ねてきた赤い鎧の男に突然襲われます。
これが誰かというと……、
なぜ、イロンシッドが父親と息子を殺しに来たのかというと、アーサー王を破滅へと導く「黙示録の四騎士」が出現したという予言のもと、少しでもその可能性がある者はすべて殺してしまえ!! ということなのです。
冒頭のほんわかとした生活から一変、いきなり過酷な運命を背負うことになったパーシバルですが、兎にも角にも冒険ファンタジーの幕開けです!!
こうしてイロンシッドを探し出すため、“じいじ”の大きなカブトとマントを身に着け、ブリタニアへと旅立つパーシバル。
ところが、旅の途中、村を襲う巨大なオオカミを目にします。
悪(あ)しきを挫(くじ)き、弱きを助けよ
…大切なものを己(おの)が命をかけ守る者となれ
“じいじ”の教えどおり、村人を守るため巨大オオカミに立ち向かうパーシバルですが……、
ピンチを助けてくれたのは、旅の途中で出会った大道芸一座のドニー。
最初の出会いは、パーシバルの荷物を盗もうとしたちょいワル野郎でしたが、実は“聖騎士”に憧れ、夢破れて一座に入ったという憎めない奴なのです。
オオカミを倒し、村人の歓待を受けるパーシバル達。
パーシバルは、底抜けに明るくて純粋で正義感が強く、世間知らずで怖いもの知らずなところも可愛い!! だけど16歳なんです。
これに驚くドニーですが、ドニーも同い歳だと知り、私の方がビックリ(笑)。
この16歳コンビは決定だな!と思っていると、今度は空から黒い騎士ペルガルドが舞い降りてきます。
実は巨大オオカミは、ペルガルドの “使い魔” だったのです。
こうしてパーシバルとペルガルドの決闘が始まるのですが、はっきり言ってペルガルドの方が実力は上。ところが……、
突如として、魔力に目醒めるパーシバル。しかも、覚醒したばかりなのに魔力を操作(コントロール)したり、抑制したりすることができているのです。
この第1巻では、「人形(ゴーレム)」「焔(ほむら)」という魔力が登場し、魔力の型には「破壊型」「付呪(ふじゅ)型」「変性型」「回復型」「英雄型」があるということがわかりました。
この先、色々な魔力や魔力の型が出てきそうなので期待したいところです。
そして、この決闘の最中にひょっこり現れたのは……、
このキツネ、ペルガルドと対立する勢力の使いなのですが、どうやらこの話を導いてくれそうです。
そしてついに「黙示録の四騎士」が、どんな“聖騎士”なのかも明かされます。
この先パーシバルはどんな役割を果たし、どんなふうに成長していくのか。
そしていつの日か、父親であるイロンシッドとも、因縁の対決をすることになるでしょう。
『黙示録の四騎士』は、『七つの大罪』からのファンにとっては、違う話でありながらも、前作を思い出させてくれるシーンを見つける楽しみがあると思います。
そして前作を全く知らないファンにとっても、すんなりと溶け込むことができる、間違いなく楽しめる冒険ファンタジーです。
レビュアー
「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。
公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp