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2025.02.28

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好き…でもダメ…でも我慢できない!! 波乱万丈!女教師の背徳ラブコメ

“いろんな意味でドキドキ”する!? 年の差ラブコメディ

高校で臨時教員を務める上野奈々子(26)は、ある男性に恋をしていた。
自身が住むアパートの工事に来ている、見た目30代くらいの作業員。
素朴だが凛々しい顔つきで高身長の低音ボイス。なによりガタイが超マッチョ。
「あんな筋肉にメチャクチャに抱かれたい」と妄想するほど、好みのど真ん中だった。

毎朝の挨拶で思いを募らせ、夜に偶然見かけたときに思い切って話しかけたら「転んで抱き留められる」というスペシャルイベント(?)も発生。想いが募り「思い切って連絡先を渡そう!」と決心したが、そのタイミングで工事が終了してしまう。

「彼にもう会えない」と知り、この世の終わりのように愕然としていた奈々子。
居酒屋で、高校時代のイツメン相手に、終わった恋(実は始まってもいなかったが)の愚痴を大声で話していたところ、これまた驚きの(ある意味、ベタな)展開が。
なんと同じ居酒屋でちょっと離れた席に、その男性が座っていたのだ。

男性の名が「心太郎」であることを、その場で知る奈々子。
思わぬ「運命の再会」に舞い上がりながらも、思い切って告白。その日のうちに結ばれ、事後に心太郎からも「実はずっと気になっていた」と交際を申し込まれる。
「まさかの両想い!?」とさらに舞い上がる奈々子だったが、その直後に会話の中で、過去イチの絶望的な事実を突きつけられる。
「僕 17です」

「えっ… 私 高校生と 未成年とヤったってこと?」

高校教師が(自身の生徒ではないとはいえ)高校生とヤッちゃったとか、それだけでマスコミ大騒ぎのスキャンダルだ。奈々子はものすごく後ろ髪を引かれる思いを隠しながら、毅然とした態度で「私のことは忘れて」と伝える。

少し時間が経過し、4月。採用試験に合格し、工科高校にて念願の正規教員になった奈々子。
「死に物狂いで正規教員になったんだから、どんな問題が起きても絶対にやめられない――!!」
そんな思いを胸に、講堂で赴任の挨拶をする奈々子の目に飛び込んできたのは、新任教師の顔を見て喜びと驚き、そして興奮が入り混じった赤い顔を見せる、心太郎の姿だった。
二度目の「運命の再会」……なのか!?
絶対に恋に堕ちてはいけない「新任女性教師と男子高校生」の“いろんな意味でドキドキ”の年の差ラブコメディがスタートする。

もうこれ、心太郎の卒業まで続く“新たなプレイ”じゃなかろうか

古くはドラマ『高校教師』が思い浮かぶように、教師と生徒の恋愛を主軸に描かれた作品は決して珍しくない。しかし、本作はなんというか、最初に「知らずに致しちゃってる」ところが大きく違う。しかもご丁寧なことに、両想いなのも確認済み。いわば「最大の心理的ブレーキ」が、すでに壊れているような状態なんだよなぁ。

「裏表のないハキハキした性格で、生徒や教師にも忖度しないフェアな方」
「臨時教員なのに正規…いや、それ以上に働いてくれる」
「真面目でいい先生ですよ」「このままうちで雇えればいいんだけど」
奈々子の臨時教員時代の同僚(先輩教師)からの評価である。

奈々子には、高校時代の不真面目な自分に真摯に向き合い、将来の可能性を共に模索してくれた恩師がいた。そんな恩師に強く影響され、教師の道を志した奈々子の「教師という仕事」への思い入れは相当に強い。

そんな奈々子だけに「教師と生徒」として再会した心太郎に対する態度は立派なものだ。
補習で二人きりになり、純粋な恋心を真っすぐぶつけてくる心太郎に対しても、笑顔とともに毅然とした態度で「君がなんど来ようが 何を言おうが 私は君を好きにはならないよ 心太郎君」と言い放つ。
でも帰宅するとベッドの上で「あー 好き 心太郎」と悶えながら一人で致しちゃっていたり。じつは補習中にアクシデントで心太郎に「押し倒された」ような体勢になったときや、ケガをした奈々子をお姫さま抱っこで運んだ心太郎から保健室で迫られたときは「別によくない? お互い好きだし 一回寝てるし」と、心の中では受け入れる寸前までいってたりもする(なんなら前戯も始まっちゃってたりする)。そのギャップが可愛いし、面白い。

なんせこの二人、一回、致しちゃってるんだよなぁ……。
しかもそのHの相性もバツグンだったみたいだし、そもそも「お互いに好き」なのを確認済みだし……。
これで生徒と副担任として毎日顔を合わせていて、しかも相手は恋心を抑えきれずに、ことあるたびにグイグイ来ちゃう。これで「我慢しろ」とか、まぁまぁハイレベルな拷問(もしくはプレイ)なんじゃなかろうか。

そうか、もうコレ、心太郎の卒業までの「長期我慢プレイ」だと妄想して、「日常すべてがプレイの一部だ!」くらいの気持ちで乗り切るしかないんじゃないかね(笑)。まぁ卒業したらOKなのか、という問題は、別で生じてしまうだろうが。

1巻のラストでは、心太郎が奈々子をお姫さま抱っこしたことが生徒の間で噂になり、奈々子がいないところで「お前、奈々子先生と付き合ってるんだってな!!」と生徒たちが心太郎を問い詰めているシーンで終了。こういう噂で一気に盛り上がるのも「いいなぁ、高校生だなぁ」という気持ちにもなるが、それよりなにより心太郎、勢いで交際宣言しかねないんじゃね?

……奈々子先生の心が休まることは、いろんな意味でなさそうだ。

レビュアー

奥津圭介

編集者/ライター。1975年生まれ。一橋大学法学部卒。某損害保険会社勤務を経て、フリーランス・ライターとして独立。ビジネス書、実用書から野球関連の単行本、マンガ・映画の公式ガイドなどを中心に編集・執筆。著書に『中間管理録トネガワの悪魔的人生相談』『マンガでわかるビジネス統計超入門』(講談社刊)。

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