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“いろんな意味でドキドキ”する!? 年の差ラブコメディ
自身が住むアパートの工事に来ている、見た目30代くらいの作業員。
素朴だが凛々しい顔つきで高身長の低音ボイス。なによりガタイが超マッチョ。
「あんな筋肉にメチャクチャに抱かれたい」と妄想するほど、好みのど真ん中だった。
毎朝の挨拶で思いを募らせ、夜に偶然見かけたときに思い切って話しかけたら「転んで抱き留められる」というスペシャルイベント(?)も発生。想いが募り「思い切って連絡先を渡そう!」と決心したが、そのタイミングで工事が終了してしまう。
「彼にもう会えない」と知り、この世の終わりのように愕然としていた奈々子。
居酒屋で、高校時代のイツメン相手に、終わった恋(実は始まってもいなかったが)の愚痴を大声で話していたところ、これまた驚きの(ある意味、ベタな)展開が。
なんと同じ居酒屋でちょっと離れた席に、その男性が座っていたのだ。
男性の名が「心太郎」であることを、その場で知る奈々子。
思わぬ「運命の再会」に舞い上がりながらも、思い切って告白。その日のうちに結ばれ、事後に心太郎からも「実はずっと気になっていた」と交際を申し込まれる。
「まさかの両想い!?」とさらに舞い上がる奈々子だったが、その直後に会話の中で、過去イチの絶望的な事実を突きつけられる。
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「えっ… 私 高校生と 未成年とヤったってこと?」
高校教師が(自身の生徒ではないとはいえ)高校生とヤッちゃったとか、それだけでマスコミ大騒ぎのスキャンダルだ。奈々子はものすごく後ろ髪を引かれる思いを隠しながら、毅然とした態度で「私のことは忘れて」と伝える。
少し時間が経過し、4月。採用試験に合格し、工科高校にて念願の正規教員になった奈々子。
「死に物狂いで正規教員になったんだから、どんな問題が起きても絶対にやめられない――!!」
そんな思いを胸に、講堂で赴任の挨拶をする奈々子の目に飛び込んできたのは、新任教師の顔を見て喜びと驚き、そして興奮が入り混じった赤い顔を見せる、心太郎の姿だった。
絶対に恋に堕ちてはいけない「新任女性教師と男子高校生」の“いろんな意味でドキドキ”の年の差ラブコメディがスタートする。
もうこれ、心太郎の卒業まで続く“新たなプレイ”じゃなかろうか
「裏表のないハキハキした性格で、生徒や教師にも忖度しないフェアな方」
「臨時教員なのに正規…いや、それ以上に働いてくれる」
「真面目でいい先生ですよ」「このままうちで雇えればいいんだけど」
奈々子の臨時教員時代の同僚(先輩教師)からの評価である。
奈々子には、高校時代の不真面目な自分に真摯に向き合い、将来の可能性を共に模索してくれた恩師がいた。そんな恩師に強く影響され、教師の道を志した奈々子の「教師という仕事」への思い入れは相当に強い。
そんな奈々子だけに「教師と生徒」として再会した心太郎に対する態度は立派なものだ。
補習で二人きりになり、純粋な恋心を真っすぐぶつけてくる心太郎に対しても、笑顔とともに毅然とした態度で「君がなんど来ようが 何を言おうが 私は君を好きにはならないよ 心太郎君」と言い放つ。
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なんせこの二人、一回、致しちゃってるんだよなぁ……。
しかもそのHの相性もバツグンだったみたいだし、そもそも「お互いに好き」なのを確認済みだし……。
これで生徒と副担任として毎日顔を合わせていて、しかも相手は恋心を抑えきれずに、ことあるたびにグイグイ来ちゃう。これで「我慢しろ」とか、まぁまぁハイレベルな拷問(もしくはプレイ)なんじゃなかろうか。
そうか、もうコレ、心太郎の卒業までの「長期我慢プレイ」だと妄想して、「日常すべてがプレイの一部だ!」くらいの気持ちで乗り切るしかないんじゃないかね(笑)。まぁ卒業したらOKなのか、という問題は、別で生じてしまうだろうが。
1巻のラストでは、心太郎が奈々子をお姫さま抱っこしたことが生徒の間で噂になり、奈々子がいないところで「お前、奈々子先生と付き合ってるんだってな!!」と生徒たちが心太郎を問い詰めているシーンで終了。こういう噂で一気に盛り上がるのも「いいなぁ、高校生だなぁ」という気持ちにもなるが、それよりなにより心太郎、勢いで交際宣言しかねないんじゃね?
……奈々子先生の心が休まることは、いろんな意味でなさそうだ。