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折り畳み自転車のある生活。広がる世界!ときめく出会い! 少女のゆるかわDays

おりたたぶ(1)
(著:こんちき)
2019.11.24
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移動手段が変わると、世界が変わる

移動手段によって街の印象や頭の中の地図は変わると思う。電車と徒歩だけでは知らなかった場所が、バスや自動車に乗るとたくさん見つかる。そして自転車。初めて自転車に乗って出かけた時の、あの世界が激変した感じ。自転車があれば、ちょっと遠い河原や隣町にスイスイ行ける! そして、自転車が秘めているポテンシャルは大きくて豊かだ。

『おりたたぶ』を読んでそれがよーくわかった。



そう、そう、自転車ってこんな感じ。

しかも「この子たち、ほんと楽しそう」とホッコリ読んでいるうちにガチで購入検討をしてしまう。何が欲しくなるかって? 折り畳み自転車です。

アパートに駐輪場がない!

主人公の“鳴嶋ゆうみ”は上京したての女の子。住んでいるエリアは西武新宿線の都心から少し離れた街のよう。



引っ越し先のアパートに駐輪場がないことがわかってピンチ。新生活で自転車に乗っていろんなところに行くぞーと意気込んでいたのにガッカリ。自転車が大好きなゆうみは、「雨ざらしなんて自転車が錆びてかわいそう」と思って自転車ライフをあきらめようとします。

ところが、その問題を突破する「ある出会い」が訪れます。



電車の中で楽器のような大きなものを抱えている女の子。



女の子は駅を降りると、その大きなものを組み立てはじめます。バギーっぽいこの器具の正体は……、




折り畳み自転車! 車輪ちっちゃ! 彼女は“滝沢奈緒”。ゆうみのように自転車が大好きで、特に折り畳み自転車に詳しい女の子です。



こちらは“A-bike”という実在する折り畳み自転車。車輪がとても小さいので、パラメータのうち「走行性能」は星1つ。でもそのぶん軽くて小さくて便利。こんなふうに、折り畳み自転車には個性がたくさんあります。



解説がどれもわかりやすい。

ゆうみは、折り畳み自転車のことは詳しくないけれど、「折り畳めるなら、部屋の中に持ち込める」と気がついて、いいなあと思うんです。



私も、読めば読むほど「折り畳み自転車っていいかも」と思う。で、いろいろあって、ゆうみは折り畳み自転車“DAHON III”との生活をはじめます。




キラキラ!

ポタリングって楽しいね

本作を読むと「折り畳み自転車」の知識がモリモリ増えます。



コンパクトかつ自転車が傷まない。



ちょっとした補足がとても手厚い……しかもみんな優しい。

そして、本作は折り畳み自転車の知識だけのマンガじゃないんです。折り畳み自転車によって起こる「楽しいこと」が、奈緒とゆうみの視点から山盛り描かれています。



玉川上水をたどってポタリング(=自転車に乗ってお散歩)。「信号が少ないから走りやすい」といった良情報も。ほんと手厚いなあ。



横田基地まで行って、横田バーガーをいただきます! 運動をした後だから余計おいしいね。



「ただ自転車が好き」だけじゃない楽しさと喜びが詰まってます。実はこの二人、「どの学校に通っていて」や「地元はどこで」や「何が得意で」という話はまだあまりしていなくて、ただただ「一緒に自転車に乗って出かけるのが楽しい」友達なんですよ。だから、お互いのいろんな面をこれから少しずつ知っていくんです。そこも可愛くていいなあと思います。

  • 電子あり
『おりたたぶ(1)』書影
著:こんちき

春。自転車が大好きな女の子・鳴嶋ゆうみは、同じく自転車好きの少女・滝沢奈緒と出会い仲良しに。折り畳み自転車を通して彼女たちは交友を深め、かけがえのない絆を育んでいき……。そして今日も彼女たちは、折り畳み自転車に乗って新しい世界に踏み出し、素敵な出会いに心躍らせるのです! ゆるかわ折り畳み自転車マンガの始まりです!!

引っ越し先に駐輪場がなく困っていた鳴嶋ゆうみは、偶然降りた駅で自転車好きの少女・滝沢奈緒と折り畳み自転車に出会う。2人は互いに自転車好きということで意気投合。少女たちの楽しい折り畳み自転車生活が始まった──。折り畳み自転車に乗って漕ぎ出そう! 新しい世界が広がっている!! 折り畳み自転車×少女のゆるかわDays♪

レビュアー

花森リド イメージ
花森リド

元ゲームプランナーのライター。旅行とランジェリーとaiboを最優先に生活しています。

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