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講談社ラノベ文庫8月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当のここだけ秘密コメント付き!
講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)
講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。なかよし、デザート、ARIA……少女漫画編集部歴ン十年で心がオトメ化してしまったビジネス乙女(♂)。趣味は恋愛映画を観て1人で泣くことかも。異世界に行ったら少年に戻って戦いの毎日に身を置いたりしてみたい。でも10代のオトメになれるのなら、それはそれでまた……。
初校了は初恋の味がした。(遠い目)
トートツですが夏が好きです。理由はビールがうまいから。2Lくらい飲めちゃうし…ってそれはどうでもいいのですが、夏になると何か素敵なことが始まる……という幻想を昔は抱いてました。いや、たぶん今も。スマホのプレイリストには“夏”という項目が(笑)。“冬”も“春”もないのですが……。
しかし今年の夏は記録的に暑いですね。編集部内も一応冷房はついてるはずなんだけど、暑い! 外から太陽と熱気が入ってきて窓のそばに近寄るだけで暑い! で、扇風機を回しながら仕事してますがそんな中、校了したのは椎月アサミさんの『カラフル ――明日の君は、十二月のひまわり。』
校了してみて、まずこの作品、ライブ感が素晴らしい! 主人公のミコトと叶恋(かれん)の2人で暮らすマンションでの毎日はもちろん、コスプレイベントが開催されるひまわり畑やみなとみらい、運動公園、カフェ、テーマパーク……ここかなという場所が頭の中に浮かんでくる臨場感。2人の会話の中に出てくるアニメの話なんかもライブ感満載で、暑い編集部の中で校了しながらも、1人脳内デートしているようなハッピーな気分になりました!
でも、やっぱり読んでいて一番嬉しいのは天使のように可愛い叶恋のキャラクター。家に帰っても今までは1人きりだったのが、叶恋の「おかえりなさい」の声が返ってくる。エプロン姿で新妻モードの叶恋が作ったクマの形のハンバーグの夕食。そしてお風呂に入っていると……これ以上は言えません!
そんな幸福感の中で読み進めていく中、叶恋がつぶやいた「ミコトのお嫁さんになる最後のチャンス」の一言。そのわけは……。最初の1ページから最後までドキドキさせられる、素敵な物語。イラストの蜜桃まむさんの描く叶恋は、表紙も文中もまさしくイメージそのもの。綺麗でちょっとヤキモチやきで天使のように可愛すぎるすぎる叶恋と2人で過ごす夏休み。心の中のプレイリスト“夏”に入れてしまいました! この暑い夏にぜひぜひ読んでほしい、お薦めしたい1冊です。
ウイスキーボンボンってまだあるのだろうか?
発売早々に重版がかかりました大人気タイトル、はやくも2巻登場であります。主人公の竜之介くんは、外から見ると美少年同士の友情と絆の物語をつくっているはずなのに、内実では幼なじみの美少女たちと、それぞれに秘密のイチャイチャをしているのです──楽しいはずなのに、ホントにこんな目に遭ったらトンデモなくきつい、それこそ着痩せならぬ気やせ(ぎょぎょっオヤジギャグっぽい?)しちゃいますね絶対。でも困難にめげずに2人の秘密を守り抜こうとしている竜之介くん、できれば主人公補正でもなんでもしてあげて、いい目に遭っていただきたいと心から思います。
それでもって今回は絶対ラブコメにはあって欲しい、温泉回もございます。白椿女学院の、なだたる美少女お嬢さまも登場して物語はますます華やかになっていくのです。その女子のみなさんと、当然真琴と忍が、「とあるもの」のせいで酔っ払って? あーなってこーなってというシーンがありまして、そのシーンのみなさんのアクションがなんだかとっても可愛すぎな感じです!! ──酔っ払ってる女子ってたいてい可愛さ増し増しになるはずだ、と思うのですが、自分の場合はいつも、酔った女子にはダメ出しとか説教をくらうことばかりなのです(ツンデレ好きだからではないと思うのですが……)酔って楽しくしなだれかかってくれるような、そんな女子と巡り会いたかった(過去形)。
ということで、秘密で苦しくも楽しいイチャラブ生活はまだまだつづきますよ! あらたなメイドさんも登場してきてこれがお嬢様たちとは違った可愛さで、古い言葉ですと「萌え」ます、確実に!!
人であるからこその、奇跡への足跡。
先月の『→ぱすてるぴんく。』の時にも書いたのですが、ちょっと旅したいときとかに出かけるスポットとして、鎌倉はとってもいいところなんです。若い頃バイクとか乗ってたときは、よく独りで出かけたんですが(女子とタンデムしたこともあるんだぞ、ホントだぞ)──でも夏はちょっと混みすぎなんだよなあ……バイクだとすり抜けできるからいいけど(あぶないけど)上下方向オールレンジ渋滞の国道134号線はぜってーいきたくないところでした。いまも、特に夏だからそうなんだろなあ。ただ鎌倉って場所は起伏に富んでて情感があるから、物語の舞台にはもってこいなんです。海も山もあって、地形を診ると守るに易く攻めるに辛い要塞のような場所ですし。時代物から現代物まで、鎌倉という場所は包容力に富んでいるんですね。
さて例によって本題にうつりますと、「幼き女神はかく語りき」待望の2巻でありますが、1巻では箱嶺、この2巻では「神倉(カマクラ)」が舞台となっています。狐形の女神・アメノウズメ(以下ウズメ)の頼み? で神倉の荒神霊を祓いに行くことになる真人と常夜(とその一行)──ウズメの言っていることは最初から怪しいとにらんでいた真人ですが、彼はなんだかんだでいい奴なので、結局神倉を救いに行くのです。そしてそこから繰り広げられる戦い、懊悩、失望、覚醒、記憶、決意……人間って勝手だなー神からするとホント迷惑だよなあ、神も悩んでいて、当たり前だけど人も悩んでいて、それでも神も人も希望とその先を求めていて……ジャーナリストが現代で「神」にインタビューする、という前代未聞の形式から語られる新しいスタイルの神話、そしてなにより言葉の重みとリズムを最大限に意識した壮麗な文体にも注目なのはもちろんのこと、真人の言葉の重みが心に響いてくるのですよ──
「──夢見たものには辿り着けず、いつか道半ばで倒れるのだとしても、見果てぬ何かを目指して、俺は旅を続ける。それがおれの祈り〈ゆめ〉で、俺の誇り〈たましい〉だからだ」「それを認めない《理》があるなら、おれが変えてやる。この手で叩っ斬ってやる」(341p)
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