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【ラノベ新刊プッシュ】無能英雄にお払い箱勇者、復讐して無双してダーティプレイね!

講談社ラノベ文庫8月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当のここだけ秘密コメント付き!

イノヤス

講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん

講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

2018.08.23
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わい、同じ目に遭ったら立ち直れないことを宣言

『無能英雄のリベンジサーガ』書影
著:椿 博太 イラスト:もっつん*
大ちゃんコメント

グイグイ引き込まれる物語です。主人公は超常的な英雄だと思われて高~いハシゴを昇らされたんですが、「こいつ、ちょっと違くね?」となってからはハシゴを外されて落っこって、殴られ蹴られ、一目惚れのフィアンセからは焼かれちゃったりして、これはひどい。もうどうにもならなくなって脱走。なぶり殺しにあう前に、せめて故郷に帰って〇〇とひと目………んがあ。どういうことだよこれ!! 

〈「僕は、あいつらに復讐したい」

心の内側に、とめどなく黒い渦が巻き起こる。 ──ああ、……これで僕は、本当の意味で、英雄ではなくなってしまったんだ。〉

『ストレンジ・エッジ』『暗黒の竜戦艦』のファンの皆様は特にお待たせいたしました。講談社ラノベチャレンジカップ出身、あの椿博太最新作の登場です。いわゆる復讐譚ではありますが、本当の英雄はホントにホントか? ニセモノのおいらはどうニセモノなんだ? 真相が明かされていくスッキリ感。謎のヒロイン2人もいい感じ、しかもかなり(カバー・イラストをなめるように参照!)。イラスト担当のもっつん*さんは、記念すべき第1回講談社ラノベチャレンジカップ佳作受賞作『銀糸の魔法式』(作/浅倉イネ)の1巻のカバー・イラストがかーいくて忘れられません。

復讐っていえばさあ、“本当にやった復讐”とかいうトピックがネット上では定番になってるんですってよ。長く「人生泣き寝入り」を座右の銘として生きてきた大ちゃん、残念ながら復讐のネタは持ち合わせておりません。しかーしっ、これからは違うぞ。くくくくく。くく81。怨みはらさで佐渡おけさ。さのよいよいだ。言ってみただけです。

ガリウスがなんだかあの方に見えてきた……

『最強勇者はお払い箱→魔王になったらずっと俺の無双ターン2』書影
著:澄守 彩 イラスト:jimmy
イノヤスコメント

こちら「小説家になろう!」にてジャンル別1位を獲得した人気作でありますが、早くも第2巻の登場であります。亜人の国にて平穏にくらす主人公のガリウス、1巻のころから時を少し経ていますが、ガリウスにも平和の時が訪れていて、新たな国で守るべきもの、大切な人が生まれつつあるという、なんというか一番幸せな時が来たんだと。でも主人公である以上、どうしたって動乱からは逃れられないわけでありまして、新たに勢いを増した「都市国家」に囚われている同胞──もうガリウスくんにとっては亜人の方がよっぽど同胞なんですね──を救いに自ら向かう、といった感じです。とはいえ自ら戦うといっても、彼を英雄たらしめた「英雄の鎧」はもうないので、代わりに知恵とちょっとした仕掛けでもって戦うことになるのですが。

やはり、劣勢とされた勢力が、知恵と勇気と計略でより大きな勢力を倒していくのはいつだって爽快なことですね。チートでがっさがっさと強大な敵を倒していくのもすっきりするのですが、貶(おとし)められた元・英雄だからこそ、チート武具がなくても勝っていける、本人そのものがチートなのだ、という勝ち方もやっぱり気持ちがいいものです……でもガリウスくん、最近イラストを見ていると、どうもこの作品の担当者であるところの、通称マロン社長にどんどん似てきているような……!? ご本人にそのお話を向けますと「てへっ」とばかりの表情になるのですが、その目はけっして笑っていないような気もしまして、元英雄、次なる魔王?のモデル説は、自分の心の中だけの話にしておこうかと思っております。ああ、ガリウスくんには是非「やさしい魔王」になってほしいなーなんて思います。ルルー◯ュみたいなのではなくてですね!!

異世界で禁断の文芸バトル! 図書館の美女はゴーストなのか

『我が姫にささぐダーティープレイ2』書影
著:小山 恭平 イラスト:ファルまろ
大ちゃんコメント

ラライちゃんは「うちのお姫様」と書いて「あのバカ」と読ませる異色のクズ・ヒロイン。勉強きらい、運動いやいや、努力くそくらえ、忍耐苦労なにそれうまいの? 人生舐めプ。だけど一番になりたい、偉くなりたい、競争相手全員くたばれプリーズ。──もうキャラ紹介してるだけで面白そうな予感しかしない『ダーティプレイ』の第2巻、ばっちり校了いたしましたよ。やっぱこれ、面白いわ。1巻では、裏工作大好き執事の活躍で武芸方面の学園トップに躍り出ちゃった(本人、特段なんかしたわけじゃない)んだけど、今回はあなた、文芸方面で頂点を目指すんですって。

ほんで前回、武芸バトル(*八百長らしいです)を通じて仲間ができていったんだけど、実質主人公(?)の転生系執事はこれを“派閥”もしくは“ラライ派”と呼んじゃってたりします。“派閥”ですよ“派閥”。なんか、かっちょいいです。ちなみにねえ、あっ、大ちゃんが「ちなみに」って言い始めたときはヨタ話の確率が高いです。おめーはヨタ話しかしてねえじゃねえかという声もございましょうが、だまらっしゃいっ。なんの話でしたかな? おお、そうじゃ。派閥です。内緒にしといてほしいんだけど、実は講談社ラノベ文庫編集部にも派閥が、ごっほん、ございます。最大派閥は熊猫派なんですが、派閥トップの江戸屋熊猫(最近モノマネ芸にキレがない?)という人が〇〇ちゃん派だったりして、わけがわかりません。なお、大ちゃん自身は外様の底辺モブ野郎なので、一匹狼です。本作の重要な台詞(せりふ)にもこういうのがございます。

「あなたのようなモブっぽい子の台詞に耳を傾けてる暇なんてない。声からしてモブモブしい……あなたなんかあっちへ行って欲しいの」

ひーん。これからは金剛寺モブ三郎と名乗ることにいたします。もちろんウソです。

絶対の安心感でもう安心!!

『アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 外伝!』書影
著:榊 一郎 イラスト:ゆーげん
イノヤスコメント

いつものごとく昔のお話ばかりで申し訳ないのですが、ちょいと30年以上昔のお話です。

1985年3月2日──この日は志望大学の合格発表の日でした。わざわざ東京にきて直接この目で合否を確かめに来たのですが、さて結果は……掲示板には自分の受験番号がありました! ホッとする間もなく、周りを「バンザイ同盟」とかいう、ラノベタイトルみたいなみなさんに囲まれて万歳三唱を浴びた後余韻に浸る間もなく、自宅へと急速反転を試みたのでした。なぜって……それはこの日こそ、長年待ち焦がれた『機動戦士Zガンダム』の初回放送日だったのです。

さて自宅の14インチTVの前で正座してその時を待ち、ついに第1話の放送が始まりました……思えば長い受験時代からようやく解放された、その喜びよりもう一度「ガンダム」世界に触れられる喜びの方が優っていた当時17歳の自分――大きな期待を込めて見入った画面……かっこいいOP、黒いガンダムだって(アニメ誌でなんとなく情報は得ていたはずでしたが)、なんだこのヒステリックな主人公? ティターンズって何? えうーご? ブライトさんでてきたー? 赤いモビルスーツ? クワトロ大尉ってあの人だよねえ……えーこんなんで第1話終わるの……なんのことかちっとも分からなかったんですけどorz

この第1話は後に難解だと評される「Zガンダム」を象徴していたようなお話で、いわゆる「ファーストガンダムの続編」ということで抱いていた勝手な期待を大きく裏切るような感じがしたのです。さらに後に振り返ってみると、合格後間もない頃で、すぐ後に始まるはずの、順風満帆な大学生活を勝手に夢想していた自分にとって「そんな思ったように楽しい大学生活になるわけないじゃん……」と示唆してくれていたのだと、今となっては思うのです。

ということで話題はまったく変わりまして、ファンのみなさまの熱い期待に応えまして「アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者外伝!」登場いたしました。「アウトブレイク・カンパニー」は自分がライトノベルの世界に来て初めて校了して、シリーズ完結までずっと読み続けてきた作品。再びミュセルや慎一に会えるというのはとても楽しい経験でした! 向こうの世界(そして未来の世界)に残った慎一たちがその後どうなったか? ファンのみなさんなら絶対に気になる部分でありますが、断言しますと、かゆいところに余さず手が届いている、すばらしい外伝でありました。ああ、こうなったのね、よかったよかった! いやーほんとによかった!! と心から思えたのです。

先の『Zガンダム』は外伝ではなく続編なんで、一概には比べられないものなのですが、気になるキャラのその後をきちんと教えてくれるのはホントに嬉しいことです──といいつつもZを後に全部見て、気になっていたキャラのその後をほぼ知ることができたのですが。

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