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ブラック企業過労死からの、異世界で最強になるには?【なろう系R15の傑作】

講談社ラノベ文庫1月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!

イノヤス

講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん

講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

2018.01.11
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ロリ目線じゃなくって父親目線で小さい娘が可愛いんだよ~!!

『アラフォー営業マン、異世界に起つ!2 ~女神パワーで人生二度目の成り上がり~』書影
著:澄守 彩 イラスト:いちぢるし
イノヤスコメント

いい政治家っていうのは、国民にとっての「いい営業の人」なのでは、とたまに思うことがあります。今の米国大統領だってもともとはビジネスの人だし、国民に支持をお願いするってのは「うちと取引するとこんないいことがありますよー」って提案することですもんね。ほんとは「うちに投票するとこんないいことがありますよー」っていう提案合戦が選挙とかのはずなんだとは思うのですが、実際はどうなんだろうなあ……!?

さて、今回も異世界に家ごと飛ばされた鬼瓦正蔵一家ですが、妻の女神力による加護もあってチートっぷりが前巻にまして増し増しな感じであります。なんと正蔵さんは国王の側近になってしまいました。肉体的チートというより、営業能力でもって取りたてられているところがなんとも痛快です――。この世界だと主権者が国民じゃないので、王にとっての「いい営業」が「いい政治家」になったわけですねえ。

といいつつ正蔵さんの今回のお仕事のひとつが、次期国王になる(かもしれない)王子の「再教育」なのですが……。その具体的な内容についてはぜひ当作をお手にとってお確かめいただければというところなのですが、正蔵さんの良いところはたとえ相手が「ダメ王子」と評判の少年であっても、その人物に秘められた可能性を信じてひたすら課題を与えて見つめ続ける、その忍耐力なんだと思います。クズとかカスとか言われ続けていれば、どんなに光る珠でも濁っていくわけですし。可能性を信じてひたすら待ち続ける、結構しんどい行いですが、人を育てようとするなら通らなければならない道なんだよなあ……と自戒を込めつつ読みこんでおりました。

ということで、「異世界転移」ものというくくりを超えての読み方さえ可能な当作品、ぜひお読みいただければと思います。鬼瓦家の3人の娘もますますいい意味でおもしろくたくましく可愛く成長しているので、父親目線でも楽しめると思いますよ! あっそうそう家の枕にYesYesと書か……(以下略)。

この世界にだってモンスターはいる! しかもタチの悪いやつが!!

『レベル1だけどユニークスキルで最強です2』書影
著:三木 なずな イラスト:すばち
大ちゃんコメント

衝撃を受けました。朝青龍vsボブ・サップ戦のことではありません。太川陽介のカミさんの浮気でもありません。衝撃っちゃあ衝撃だったがな。ルイルイッ。えー、本作は小説投稿サイトにおける日間・週間・月間・四半期1位の超話題作、その第2弾です。ダンジョンRPGってゆーんですか?いわゆるゲーム小説(合ってる?)としてのクオリティは最高級なんですが、以下の一節!!! あまりに衝撃的だったので少し長いですが、ご紹介いたします。

──会社にいた頃、なにかチャレンジしようとすると大抵「前例がない」で却下されてきた。
そのくせおれが出したアイデアを他が先にやると、却下した上司とか会社は「なぜそれを思いつけなかったのだ!」と怒鳴ってくる。
そういうのはもういらない──

拡散しろ! いますぐコピペして誤爆しろ!! なんなら会社や学校やご町内に拡大コピーを大量にバラまいて差し上げろ!! 長すぎるんなら最後の「そういうのはもういらない」だけでもいい。意味わかんねえじゃねえか。あれですよ、小説を読んでて、「このフレーズすげえ」ってピックアップできるの、いいですよね。それこそが楽しみっちゅう気もちょっとします。なので、本作からもうひとつだけ、ご注目いただきたいシーンを。

──会社員時代によく見た、100時間を超える残業をしてた人達の顔だ。
そんな彼女は立ち上がろうとした、ゴミ処理をしようとした。
責任感の強さが顔に出ている、が。
おれは無言で弾を装填して、撃った──

ごめん、ちょっと泣いた。ぶわっ。

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