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父は北朝鮮、母は南朝鮮、自分は日本時代のサハリン──複雑すぎる故郷への旅

サハリンへの旅
(著:李 恢成 解説:小笠原 克)
2017.11.12
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敗戦後、日本政府は樺太にいた日本人に関してはすみやかに引きあげ支援をしますが、韓国、朝鮮から来ていた人々、あるいはムリヤリ連れていった人々にはなんの策も講じず、置き去りにしたといいます。なんてことでしょう。著者の父は妻子を連れて、日本人にまぎれサハリンを脱出します。親戚や友人を残して。そこにまた分断が。あと、登場するソ連の兵に女性が多くて役職にもついていたりして印象的。(カラスヤ)

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『サハリンへの旅』書影
著:李 恢成 解説:小笠原 克

自己形成の原点──サハリンへの2週間の“帰郷”の実現。祖母、義姉、親族、同胞達との交歓。言葉なき言葉──“陸封”34年を隔て異郷の地に再会した離散一族、民族の“それぞれの立場”を抱擁し、アイデンティティ同一性を真摯に追求しつづける李恢成積年の願望──パルチャ(運命)の旅!

レビュアー

カラスヤサトシ イメージ
カラスヤサトシ

1973年生まれ。漫画家。著作に『カラスヤサトシ』『カラスヤサトシのおしゃれ歌留多』『強風記』『喪男の社会学入門』『毎日カラスヤサトシ』『オレは子を見て育とうと思う』『カラスヤサトシの世界スパイス紀行』『おとろし』『カラスヤサトシの孫子まるわかり』『カラスヤサトシの戦国散歩』など多数。近刊にこの連載「文庫で100年散歩」を収録した『カラスヤサトシの日本文学紀行』があります。


近況:御幣の作り方をマスターしました。けっこうカンタンにできるものです。

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