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ラブコメの教科書を読もう!──『僕ビッチ』ついに完結

講談社ラノベ文庫10月刊のラインナップを一挙ご紹介! 校了を担当する2人の秘密コメント付きをチェックしよう!!

イノヤス

講談社ラノベ文庫編集長(であるらしい)。月刊少年マガジンに約20年在籍後ラノベ文庫へ異動し現在に到る。頭の中身は自称永遠の17歳だが頭の外側は……!?という、ドラえもんのいないのび太、みたいな感じのおっさん。編集者としてのモットーは「相手の技は必ず受けろ!」、身につけたい能力は「速読」、異世界に行ったら「蕎麦屋」をやりたい。一度言ってみたい台詞は「どうしたんだ、顔が赤いぞ。熱でもあるのか!?」

大ちゃん

講談社ラノベ文庫編集部校了担当者。またの名を金剛寺大三郎。軍手とガムテと段ボールが似合うナイス・ガイ。講談社ラノベ文庫の新刊を責任持って校了してますが、やたらフセンをいっぱい貼って返してくるのでうっとおしいみたい。「笑ったとこにいちいち『(笑)』っていうフセン貼ってくんの、どうなんすか」(編集部員・談)

2017.10.25
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ラブコメってこうでなくちゃね!

『僕の文芸部にビッチがいるなんてありえない。10』書影
著:赤福 大和 イラスト:朝倉 はやて
イノヤスコメント

「結婚前にお試し同棲をした方が、いろいろと相手のことが分かっていい」とはよく言われます。確かにそうかもしれないと思う瞬間はあって、ずっと別に暮らしてきた男女が、些細な違いを乗り越えられずにいつの間にか相手を嫌いになっていって関係崩壊というのはなんとなくわかるような……。高尚な考えとか思想の違いというより、好きな食べ物が同じとか、笑いのタイミングが同じとかが、一緒に暮らすのには重要なんだなとはよく思うところではありますが。まあ相手への気遣いが普通にできて特別のことではないと思えていれば大丈夫なんだろうなあ(それが難しいんだけど)。

本作もいよいよ、10巻目に到達、同時にクライマックスを迎えました──愛沢さんと同棲をすることになった耕介。その暮らしぶりはぜひ本編でお確かめ下さい、と思いますが、愛沢さんくらいに気を遣ってくれる人ならどんなヤツでも結婚生活OKなのでは? くらいに愛沢さんは本当にいいコなんですよ! そうだそうだ、巨乳に悪いオンナはいないのだ! と信じている自分としては愛沢さんにぜひ幸せになってもらいたい……同時に耕介を諦めたと公言しているはずの東雲さん、その本心はいったいどうなんだろ!? このあたりをじんわりと推測しながら読むのもまたヨシ、であります。愛沢さんのお母さんもとってもイイですよ!(むしろこっちのが自分は本命かも)

才能より環境と、自分は信じます

『軍師/詐欺師は紙一重2』書影
著:神野 オキナ イラスト:智弘 カイ
イノヤスコメント

最近どこかで見たようなネタで「人の能力には遺伝がすべてといった種類がある」というのがありました。何でも「音楽」とか「文章」とか「数学」とかは遺伝が占める割合が80%以上だとか! 意外だったのは「絵」を描く力が実は遺伝よりも後天的なものが多く占めているらしいという部分。なーんだ、それならもっと頑張って絵を描く練習をしていたらなあ、もう少し人に見せてもいい絵が描けたかもしれない、そこが昂じてさらに漫画を描く、げほげほっ……。まあそれはさておき、何でも遺伝とかで決まってしまったらなんだかやりがいがないことは確かですねえ。

そういえばこの当作の主人公、カタリ・カタルくん。軍師としての隣国スウェニカとの戦いぶりでもって異世界・セリナスでの信頼を得たわけですが、またしても隣国マンタロムの侵略危機にさらされてしまいます。カタルの祖父であるリュウゾウの実績によって、国難を排除するために働くことになった彼はもちろん、祖父から学んだことも、異世界に来てから明らかに目覚めた力があるわけでもない……。ですが借金返済のためという名目よりは、信頼してくれる周囲の人、大きく言えば国民のために働いているそのモチベーション、知恵を絞るという意志を持ち続けること、この部分はもしかしたら遺伝によるものなのかもしれないなあ。それと才能は受け継がれたかどうかは知るよしもないけれど、「軍師の館」をはじめとした、祖父リュウゾウが遺した数々のもの、これは形が明確に残っているけれど、これこそは凡百の遺伝に優るものだと思います。

困難な戦いに義務感それ以上の何かに駆られて挑む軍師カタリ・カタルにぜひご注目ください。ヒロインの竜騎士ラウラも前巻以上にいい感じ出してますよ!

どこかにある都の新本格伝奇時代劇とか言っとく

『さくらとともに舞う』書影
著:ひなた 華月 イラスト:堀泉 インコ
大ちゃんコメント

カバー・イラスト、来ましたね、来ましたね! おめでたくも桜の花びらが舞い踊っております!! ぜひクリアファイルとか何かのフレームに入れて壁に飾っていただきたい。部屋の中がポカポンカンよ。こにゃにゃちわ、脳内はいつも春爛漫の大ちゃんです。おめでたいです。……んにゃ-、上すべりしてんなあ、こういうときは校了にもミスが出がちです。焼き肉でも食べてくっかなあ。

えー、ラノベチャレンジカップ出身、ひなた華月新シリーズの開幕!! 前シリーズが雛菊で、本シリーズがさくらです。舞台は京の町。キーワードは“荒人魂(あらびとだま)” “剪定士” “舞姫”、あとキツネの“キー君”です。 踊り子・女子と剣士・男子がペアになって、凶悪な化け物から人々を守る、美と凶の世界観です。すごいなあ、血で血を洗うバトルのかたわらで、きれいどころのオニャノコが踊り踊ってんだぜえ。少年少女の成長物語、それについてまわる謎と闇。いいよいいよー。キツネかーいー、SDキャラもかーいー。巻頭カラー・イラスト参照。おっと、腰に差しているのは!? これがなんと、木刀です!! 京都で木刀!! 昭和の修学旅行生ではありません。やつらはボンタンとかドカンだったからな。ボンタンといっても、ゼリーとキャラメルの中間みたいな飴ではありません。それはポンタン。んあー、すき焼きでも食べにいくかなあ。それはそうとさあ、最近、若い男女がドカン履いてるんですけど、あれ、なんやの? ビーバップなあれなん? んあー、しゃぶしゃぶでも食べにいきたいどすえ。

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