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新社会人のみなさん、就職おめでとうございます。また、これから就職活動を始める学生のみなさん、たいへんな1年になると思いますが、がんばってください。
この春に社会人になったみなさんも就職活動を始めるみなさんも、社会に出て働くということはどういうことなのかを考えて不安な毎日を送っている、あるいはいたかも知れませんね。
安心してください。いま社会人ヅラをしているだいたいの大人たちだって、「社会人ってなんだろう?」「働くってなんだろう?」と不安に思っていました。最初は先輩や上司についていくだけでも精一杯。できないこともたくさんあったのです。
今回は新社会人になったみなさんや就職活動中の学生のみなさんを励ませる、あるいはみなさんがこれからの指標にできる本を、前後編に分けてご紹介しましょう。
これから働き始める若いみなさんへの「働き方」ヒント
これから働くうえでどんなことが必要なのだろう? どう振る舞っていけば社会人らしくなれるのだろう?
そんな悩みを抱えていると思います。このコーナーでは「働き方」のヒントになる本を紹介します。
総務省統計局の調査によれば、2017年2月の就業者数、雇用者数ともに50ヵ月連続で増加しており、完全失業者は81ヵ月連続の減少ということです。
一方で、若者世代の非正規雇用者の割合や、単身で暮らす女性の貧困問題が取り沙汰されており、もはや「働く」ことが当たり前ではなくなってきています。「将来が安定している」と言われてきた大企業ですら、別の会社に吸収合併されたり、会社分割や事業譲渡を余儀なくされる時代になったのです。
そうした中で、企業に就職し、「働く」とはどういうことなのか。困難な就職活動を続け、理不尽な思いをしてきた新社会人のみなさんの多くは、こうした漠然とした不安を抱えていることでしょう。
本書は、経営コンサルタントであり、数多くの企業でさまざまな人材に触れてきた著者が、新社会人の素朴な疑問や、不安に思っていることを一問一答形式で丁寧に解説しています。これを読めば自分がなにに対して不安に思っていたかが明確になり、その答えのヒントが見つかるはずです。社会人3年目くらいのみなさんにもぜひ読んでいただきたい1冊。
本書は、幻冬舎代表取締役社長の見城徹さんと、サイバーエージェント代表取締役社長の藤田普さんの共著2冊を、電子書籍オリジナルで1冊にまとめたもの。いずれも単行本、文庫本としてそれぞれ独立して出版されたものですが、2冊分を1冊でまとめ読みできる合本企画は、デジタルならではの利点のひとつです。
本書では、出版業界とIT業界のカリスマ経営者たるふたりが、ひとつのテーマに対してそれぞれに原稿を執筆するスタイルで書き進められています。どれも簡潔に綴られており、サクサク読み進められるのに「ああ、こういう働き方、考え方もあるのか」と深く考えさせられることでしょう。
タイトルからベンチャー企業の立ち上げを想像するかも知れませんが、本書の著者・小林敬幸さんによれば、日本では起業よりも、企業の中で新しい仕事を立ち上げるほうが向いているのだそうです。現代では企業がひとつの仕事で勝ち続けることが非常にまれで、だいたい10年単位の一時的な優位性をつないで生き延びているからだそうで、企業も企業の中にいる人も、新しいビジネスを作り出さなければ生き延びることができないのだと小林さんは説きます。
本書は「ビジネスをつくる」考え方や心構えについて言及し、ビジネスをつくる喜びや成長するステップを解説しています。小林さんが見てきたさまざまな事例も大きなヒントになることでしょう。
そもそもなぜ働くのだろう? 働くことの意味を考えてみよう
ところで、そもそも私たちは「なんのために」働くのでしょう。食べていくためというのはもちろんですが、それ以外に「働く」ことのモチベーションになるものがきっとあるはず。
このコーナーではそんな根本的な疑問を解決する本を紹介します。
なぜ働くのだろう。新社会人のみなさんのみならず、中堅からベテランまで、ずっとその問いを考え続けています。
自分がなぜ働くのかを考えたとき、もちろん「食べていくため」「家族を養うため」といった生活をするための理由を挙げるでしょうが、それ以外でも「やりがい」であるとか「自分の見地を広げたい」といった理由を挙げる人も少なくないでしょう。
一方で私たち社会人は「働きたくない」「できれば一日中ぼんやりしたり布団の中でうとうとしたり、好きなことだけをやって暮らしたい」と、仕事を嫌う発言をしてしまいます。これはなぜなのでしょう。どうしてネットで毎朝「社畜」と自嘲し、「今日も働きたくないでござる」などと仕事に対する嫌気に言及している人がいるのでしょう。
本書は、長年企業の人事にたずさわり、述べ1万人以上もの人たちと面接を果たした著者が、働くことで出てくるさまざまな「なぜ?」を解き明かすとともに、働く先にある宝物を見つける手助けをするエピソードを軽快な語り口で綴っています。序盤にある日本で働こうとしている留学生からの質問に対する回答も、とても参考になることでしょう。
古くから「労働」は「苦役」の概念がありました。一方で、就職・転職ができないと悲しい思いをするし、定年退職をしたあとにバラ色の人生が待っていたわけではない、という人も多いのです。つまり、楽しい仕事もあればつらい遊びもあり、現在において「労働」の意味が異なってきていて、単純に「労働」、それ以外の時間を「余暇」とすることも難しいのだそうです。
本書は、わたしたちが「生きがい」と感じるものはなにか、その生きがいを支えるのは「働く」ことと「遊ぶ」ことがどのように関わっているのかを探ります。
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