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老後貧乏テスト! 定年後にお金が減る最大の敵は「ストレスと人付き合い」
「ストレスが貯金にも関係する」って知っていましたか? 意識していなくてもお金が貯まる生活にしたい人は、ぜひ知っておきたいお金とストレスの関係を、5月に『定年後でもちゃっかり増えるお金術』を刊行した消費経済ジャーナリストの松崎のり子さんが教えてくれました。
■手元にお金が残る人はストレスフリー!? 意外な「お金」と「ストレス」の関係
■ストレスはお金と健康の大敵
将来もお金の不安なく豊かに暮らしたいと願う人にとって、はずせないものの1つは、「不満」、つまりストレスを減らすということです。ストレスと将来のお金が一体どう関係するのか、と疑問に思うかもしれません。でも、ちょっと考えてみましょう。
これからも楽しく過ごすのに大事なもの2つと言えば、「お金」と「健康」でしょう。健康でないと医療費などにお金がかかるし、お金がないと健康な生活を維持できないという、まさに裏と表みたいな関係です。健康を害するものにはいろいろありますが、やはりストレスはその大きな要因のひとつになります。
働く人のストレスは、並大抵のものではありません。仕事のプレッシャー、上司・部下そして取引先との人間関係……。ストレスが高じて体に支障が出てしまうと、働けなくなるだけでなく、ケガとは違っていつまで休めば回復できるか、はっきりわかりません。休職が長引けば不安になるでしょう。
■人づきあいにお金はかけすぎない
また、病気につながるほどではないストレスも、日常生活にはこまごま存在します。気の進まないお付き合いなどもそれです。渋々付き合う食事や飲み会に使うお金がいかにもったいないか。勝手に貯まる生活の大敵は、こうした「不満に使うお金」です。
日ごろからつきあいに使っているお金が多い人は特に注意。食事や飲み会代は、1回ごとに数千円単位でお金が出ていくので、あっという間にお金を食ってしまいます。そうならないためには一定のルールが必要です。
・愚痴を聞いてあげたいなら夜よりランチに付き合う
友達や同僚に飲みに誘われるままにつきあっていたら、とても貯まる生活は無理。夜だとなかなか切り上げにくいということも。しかもお酒が入ると、感情的になり、話も長くなりがちです。つきあってあげたいなら、ランチの提案を。金額的にも時間的にもリーズナブルに済ませられるし、話をする本人のほうも冷静でいられるでしょう。
・土産や贈り物は自分の定番を決める
人に贈るものはこれ、という自分の定番を決めてしまうと、あちこち買い物に行かずに済み、手間とお金の節約になります。私の場合は、珍しいものではなく、ある程度の知名度があるものと決めています。受け取った人が、ああ名前は聞いたことがある、という定番商品を選ぶのがコツ。こういうものは味も価格も安定していて、極端な好き嫌いはないもの。高価なものをいただいても、自分がこれと決めたものをお返しし続ければ、ケチなのではなくスタイルなのだと思ってもらえるでしょう。
出張や旅行先での土産を買う時も、有名な定番のものを買うと決めるとすっきりします。これらはお土産需要をしっかり計算しているので、個数のバリエーションもあるし、職場で配りやすいように箱を省略した簡易包装になっているものもあり便利。お土産選びに個性を発揮する必要はないのです。
・土日はSNSをやめてみる
Facebook、Instagram、Twitter等々、私たちの生活にすっかり根を下ろしたSNS。便利で楽しい反面、副作用もあります。知りたくなくても他人の行動が目に入ってきて、それが気になってしまうこと。
人は社会的な生き物で、人と比べることをやめられないもの。SNSにあふれる他人のイベントに満ちた人生を見ていると、自分の毎日はつまらないものなのだろうかと不安になります。書き込まれている集まりに誘ってもらえないのかと孤独になることも。そんな気持ちをストレスに変えないために、せめて、休みの日は見るのをやめると決めてはどうでしょう。リア充という言葉のとおり、休みの日はネットの世界ではなくリアル、つまり実際に体験することを優先する。人に見せるための行動ではなく、自分の心が満足できるものを見つける。自分が幸せを感じるのは何をしている時なのか、それを見つけ増やしていけば、今後の趣味づくりにも役に立つでしょう。
人生の半分くらいを越えてきたら、「嫌なことをなるべくしない」という考えにシフトしてもいいのではないでしょうか。人づきあいもそうだと思います。 もちろん人は人生においての貯金ですから、若いうちは、お金を使ってでも人間関係を広げるべきでしょう。しかし、人生後半戦が見えてくると、自分でも必要な関係と、なくしてもいい関係が選べるようになってくるはず。愚痴や見栄のためだけのつきあいに貴重なお金を目減りさせている場合ではないでしょう。人間関係も徐々に断捨離して、どうでもいいおつきあいに使うお金は減らしていくべき。不満の元になるような人間関係はいらないのです。
お金を使うことは元来楽しいもの。人生を豊かに深めてくれる使い方が本流なのです。気晴らしのために使われるお金が多いということは、人生の満足度を引き下げていることになります。二重にもったいない使い方なのです。
ストレス発散にこんなに使っているという金額を書き出せば、そのもったいなさが身に迫ってくるでしょう。残念なお金を減らすために、自分を取り巻く様々なストレスの元凶からできるだけ遠ざかることから始めてはどうでしょうか。
消費経済ジャーナリスト。「ESSE」「レタスクラブ」等の生活情報誌の副編集長として20年以上、節約・マネー記事を担当。貯蓄成功のポイントは貯め方よりお金の使い癖にあると分析、その視点で多くの貯蓄達人を取材した経験から貯蓄・節約アドバイスを行う。雑誌やWebを中心に生活者目線で執筆中。著書に『お金の常識が変わる 貯まる技術』(総合法令出版)、『「3足1000円」の靴下を買う人は一生お金が貯まらない』(講談社)。
「定年前から」始めておける、「定年後だから」できる、リタイア後の賢い貯蓄術! 貧乏老後にならないためには必読の書!
目次
【はじめに】
老後のお金の不安を消すシンプルな方法など
【ウオーミングアップ使いグセを棚卸しする】
老後の支出はいまの7割、収入は5割?/お金が漏れている、あなたの「使いグセ」の見つけ方など
【ステップ2 もらえるお金はきっちりもらう】
死ぬまでもらえるのが国の年金/公的年金でもらえるのは5000万円以上?/介護のお金は誰が出す? など
【ステップ3 お金持ちより“応”金持ちになる】
いくら貯めればいいかはこう考える/低金利時代の貯め方は、増やすより目減りさせないこと/金利より見るべきものは「非課税」のメリットなど
【ステップ4 稼ぎ力を積み立てる】
働くことが一番の貯蓄術/お金を生み出すスキルや人脈を積み立てる/老後のためには出世しないほうがいい!?/住まう場所でお金の価値は変わるなど
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