今日のおすすめ

ジムの筋トレと同じ効果! 10歳若返る本当に効果的な歩き方

2019.11.16
  • facebook
  • X(旧Twitter)
  • 自分メモ
自分メモ
気になった本やコミックの情報を自分に送れます

日本人の平均寿命は、男性が81.25歳、女性が87.32歳。(2018年・厚生労働省調べ)
「人生100年時代」という言葉が現実味を帯びてきましたが、介護を受けたり寝たきり生活とは無縁の「健康寿命」は、男性が72.14歳、女性が74.79歳。(2016年・内閣府調べ)
つまり誰かの世話を受けなければならない年月は、10年どころか、それ以上になる可能性もあるということです。
老後資金に不安のある私は、こうした記事を目にするたびに不安に駆られていたのですが、それなら医療費を減らすしかないと1年前から始めたのがウォーキングでした。

最近はウォーキングについて取り上げるテレビ番組も増え、1日1万歩を目標に万歩計で測っている方もよく見かけますが、より効果的で効率のよい「インターバル速歩」という方法があることをご存知でしょうか?

「インターバル速歩」とは

「インターバル速歩」のやり方を要約すると、
・背筋を伸ばして視線を25m程度前方に向け、大股で踵から着地する
・(早歩き3分+ゆっくり歩き3分)×5セット以上
・週4日以上繰り返す(週合計の早歩き時間が60分以上でもOK)  
以上。
これを5ヵ月以上続けると、生活習慣病の予防に高い効果が得られるというのです。

正直、あまりにも簡単すぎて本当に効果があるの?と思ってしまいましたが、本書には長年に渡り集められた様々なデータも載っているので、科学的にも証明されていることがわかります。

実は私自身、週に4~5日、30分の大股早歩きウォーキングか、ちょっと走っては歩き、またちょっと走っては歩きをしているのですが、期せずして「インターバル速歩」をやっていたことになります。
では、1年続けた結果はどうかというと、様々なことにおいて非常に調子が良いのです。
自分では特に意識していませんでしたが、今回、『ウォーキングの科学』を読んで、なるほどだから調子が良いのか! と改めて確認することができました。

生活習慣病やうつ病にも有効な「インターバル速歩」

風邪をひくと熱が出て体が痛くなるように、人間の体は異物が入るとそれをやっつけるために「炎症反応」が起こります。
しかし異物が入らなくても、体力の低下により「炎症反応」が起き、厄介なことにほとんどの人はそれに気づかないそうです。

この「炎症反応」が脂肪細胞に起これば「糖尿病」に、免疫細胞から血管内皮細胞に現れれば「動脈硬化」「高血圧症」に、脳細胞の場合は「認知症」「うつ病」になるというのです。
つまり「インターバル速歩」で体力を向上させれば「炎症反応」を抑えることができ、生活習慣病のリスクも減らせるということです。

この中で特に意外だったのは、「引きこもり」や「うつ」になるリスクも減らせるということでした。
この表は国際的に広く使われているもので、16点以上だと何らかの「うつ」の傾向が見られるそうです。

何日間も誰とも口を聞かず、家に籠もっている私のような人間は、まさに「引きこもり」予備軍。年寄りの痛いとこ自慢みたいで恐縮ですが、毎日10数時間、多いときは48時間一睡もせずにパソコンに向かう日々だったので、目覚めた瞬間から身体中が痛いというのが日常で、死ぬまでこれが続くのかといつも絶望的な気持ちで過ごしていました。今までに使った鍼灸費も、200万円は下らないと思います。

ところが、ウォーキングを始めたことで体の痛みが減り、そうなると気持ちも前向きになるので、睡眠の質も格段に良くなったのです。
うつ病患者は不眠を訴えることが多いということを考えると、良い睡眠がいかに大切かよくわかります。

実を言うと、ウォーキングなんて年寄りじみているから、走った方がいいのかなぁと、ずっと迷っていました。ただ、ジムでトレーニング中に友人が倒れ、一時意識不明になったことがあり、私自身も極度の貧血なので走ることをためらっていました。
しかし、この本を読んで、正しいウォーキングをすればそれだけでも十分効果があり、何より無理をしないこと、継続させることが重要なのだと改めて知りました。
出不精でズボラな私でも続けられたのですからハードルは低く、あとは始めるか始めないかだけの差です。
「インターバル速歩」がどれだけ効果があるのか半信半疑な方も、ぜひ、ご自分で確かめてみてください。

  • 電子あり
『ウォーキングの科学 10歳若返る、本当に効果的な歩き方』書影
著:能勢 博

放っておくと筋肉は年齢と共に衰え、そのことが原因で免疫力が下がったり、生活習慣病を引き起こしたり、心の健康や、脳の認知機能にまで影響を及ぼすと言われています。とはいえ、筋肉を衰えさせてはいけないとわかってはいても、運動をコンスタントに取り入れるのはなかなか難しい……。ジムに通い続けるにはお金も必要だし、1人でできないスポーツはその場所や相手を確保するのに手間やお金もかかる、ランニングはいきなり走っても大丈夫か不安……などなど、運動に対するハードルはけっこう高いものです。
そこでウォーキングの提案です。ウォーキングなら家の周りを歩いてもいいし、どこかに行くついでに1駅分歩くこともできるし、すぐにでも始められます。ただ、なんとなく歩くだけでは体力アップはむずかしいことも事実です。著者は科学的に「どれくらいの速度で」「どれくらいの頻度で」「どれくらいの時間行えば」「どんな効果が得られるのか」を徹底的に研究し明確にしました。その根拠となるのは、10年余りで7000人以上のデータを取った結果と分析。それがわかりやすく示されているので、なぜどのように体にいいのか、納得できます。そのようにして確立した、効果的で継続しやすい方法「インターバル速歩」を紹介。ややきついと感じる早歩きと、ゆっくり歩きを一定間隔で繰り返すだけのシンプルな方法です。

第1章では、体力とはなにかについて、ミトコンドリアの働きなど細胞レベルの話も交えて解説します。なぜちょっときつめの早歩きを組み込むのかがわかります。第2章では、具体的なインターバル速歩のやり方を紹介し、多くのデータから明確になった、さまざまな効果について解説します。第3章は、インターバル速歩をさらに効果的にする方法や、腰痛・膝痛や体に不調のある人にもできる方法などを紹介する応用編です。

第1章 体力とはなにか
体力とはなにか/運動時のエネルギー源/体力が落ちると生活習慣病になりやすい!?/運動トレーニングによる持久力向上メカニズム/熱中症予防のために備わった驚くべき体のシステム/1日1万歩は体力アップになるか?/中高年者はトレーニングを明確に区別する必要はない ほか
第2章 効果的なウォーキング「インターバル速歩」とは
体力向上はウォーキングで十分だった!/体力向上が加齢による症状を改善する(生活習慣病を改善する/気分障害も改善する/睡眠の質も改善する/認知機能も改善する/関節痛も改善する/骨粗鬆症も改善する)/炎症反応を引き起こす遺伝子 ほか
第3章 「インターバル速歩」をより効果的にする科学
インターバル速歩後の乳製品摂取で(筋肉が太くなる ほか)/慢性炎症を抑制する/生活習慣病の症状が改善する/腰痛・膝痛の人にもできるインターバル速歩/水中インターバル速歩 ほか

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

  • facebook
  • X(旧Twitter)
  • 自分メモ
自分メモ
気になった本やコミックの情報を自分に送れます