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煩悩と美少女の間でバカは悟りに至れるのか? 貧乏寺での罰当たりラブコメ

てんぷる(1)
(著:吉岡 公威)
2019.08.04
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誰しも一度は、この人を「反面教師」として、自分は真逆の人間になろうと思ったことがあるのではないでしょうか?

この漫画の主人公、赤神明光(あかがみあけみつ)にとっての反面教師は、子供の頃に家を出て行った女好きの父親。明光は、自分も“変態クズ一家”の血を受け継いでいるのではないかと、敢えて女性を寄せ付けない生活を送って来ました。

しかし、偶然出会った高校生の蒼葉結月(あおばゆづき)に一目惚れ。今まで我慢していた分、堰を切ったように煩悩の波が押し寄せます。
気づけばバイトはクビになるし、大学の単位は落としそうになるしで、明光は女人禁制の寺で修行することを決意します。
ところが、そこに居たのは一目惚れの相手である結月でした。




一体、何をどうしたら、こんなポロリ状態になるんでしょう? という疑問は置いといて(笑)、いきなりこんな子が現れたら、誰だって理性が崩壊します。ましてや一目惚れの相手ですからね。

実はこの寺に住んでいるのは、結月、月夜(つくよ)、海月(くらげ)の3姉妹と、雇われ住職の嬉々にミアとカグラの女性ばかり6人。なんとここは、尼寺だったのです!

本来であれば男子禁制なので明光は追い出されるところですが、結月の計らいで寺に残ることに。それはなぜかというと、明光の父が寺に作った借金が2,000万円もあり、明光はその借金のカタとして寺で働くことになったのです。

ところが、これに反対する次女達が、明光を追い出すため、色々と仕掛けてきます。もとい! “色々と仕掛け”てくるのではなく、完璧に“色仕掛け”です。



月夜の作戦は、色仕掛けで明光を誘惑し、そんな明光を結月が見れば、きっと彼を追い出すだろうというのです。

何をどうたらキスまでしてしまうんだ。しかも結月が、タイミングよくそれを見てしまうなんて……というのは置いといて、女の子たちは、えっちでぷるるんで可愛くてエロい!!  そしてすぐに脱ぎたがる!!

煩悩から逃れるために修行に来たはずのお寺は、実は酒池肉林のハーレムだった。これをラッキーと言わずしてなんと言う! です。
これこそまさに、漫画だから描ける世界。理想と願望と妄想が入り混じったパラダイスなのです!

もう1つ。この漫画は、何でもありありの展開なのでテンポが良く、突如、思いも寄らぬギャグが出てきます。
結月が米俵2俵を担いでいたり、屋根の上から放水して滝行をしたり。そうかと思うと突如、椎茸を栽培している話が出てきたり。私が一番ウケたのは、こちら。


御本尊の首にぐるぐる巻きのガムテって。神をも恐れぬこの絵づら、どう見ても妖怪にしか見えない(笑)。

でも、なぜ御本尊がこんな状態なのかと言うと、このお寺はお金がないのです。
結月たちの両親は、住職資格者だけれどもお寺には住んでいません。その場合、家族はお寺に住めないのです。今の住職の嬉々さんはヘルプで来ているので、あと1年で廃寺になるかもしれないのです。

それを逃れるためには、長女である結月が住職資格者と結婚しなければなりません。
だから、明光が初めて寺を訪れたとき、お見合いと勘違いした結月は、慌てて着物を身にまとったというわけです。
果たして明光は、この寺と結月を救うことができるのか!?というストーリーは置いといて、ポロリ乱発、煩悩だらけの沼地に足を踏み入れた明光が、今後どうやって煩悩と戦っていくのかが見ものです。

  • 電子あり
『てんぷる(1)』書影
著:吉岡 公威

そうだ、出家しよう! 煩悩まみれの赤神明光はストイックに生きるため寺を目指した。しかし、そこは美少女ぞろいの尼寺だった!! 『ぐらんぶる』の吉岡公威が描く、底抜けにうらやましい新生活ラブコメディー!!!

レビュアー

黒田順子

「関口宏の東京フレンドパーク2」「王様のブランチ」など、バラエティ、ドキュメンタリー、情報番組など多数の番組に放送作家として携わり、ライターとしても雑誌等に執筆。今までにインタビューした有名人は1500人以上。また、京都造形芸術大学非常勤講師として「脚本制作」「ストーリー制作」を担当。東京都千代田区、豊島区、埼玉県志木市主催「小説講座」「コラム講座」講師。雑誌『公募ガイド』「超初心者向け小説講座」(通信教育)講師。現在も、九段生涯学習館で小説サークルを主宰。

公式HPはこちら⇒www.jplanet.jp

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